現在フランスカンヌで行われている、世界三大映画祭のひとつ第71カンヌ国際映画祭の「監督週間」で現地時間16日、細田守監督の最新作『未来のミライ』(7月20日開)が上映。細田監督と、主人公くんちゃんのを担当した上白石歌が登壇し、満席の場内から拍手采で迎えられた。

【写真を見る】上白石萌歌、流暢なフランス語でカンヌの映画ファンに向けて挨拶!

今年で開催50の節となる「監督週間」は、フランス監督協会が催し、カンヌ国際映画祭から独立した並行部門。作家性を強く重視し、映画監督世界に出ていく登竜門として知られている。近年日本からは、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』(14)が選出され大絶賛を獲得。今年は1609本もの応募作品の中から20本の長編作品が選出され、アニメーション作品で正式招待を受けたのは本作のみ。

公式上映にあわせて細田監督と上白石の2人は現地入り。初のカンヌ訪問となった細田監督は「まだ全然実感がないですが、カンヌの人たちと一緒に作品を観られることが楽しみです」とり、映画祭初参加となる上白石も「初の映画祭でとても緊していますが、初めて観る今作を楽しみたいと思います」と期待に胸を弾ませた。

監督週間」のメイン会場であるシアタークロワゼットには8時45分からの上映にもかかわらず、開場前から長の列ができ、幅広い年齢層の観客が集まり本作への注度の高さをうかがわせた。そして上映が始まると、くんちゃんの爛漫でくるしい姿に何度も笑いが起きるなど、カンヌのの肥えた映画ファンの心をがっちりと掴んだ本作。

上映終了後に2人が舞台挨拶に登壇すると、奮冷めやらぬ観客からは大きな拍手が巻き起こる。上白石は緊しながらも流暢なフランス語挨拶をし、細田監督は「どこにでもあるひとつの家族を通して、何年何千年んとつづく人生ループみたいなものを描いていきたいと思って作りました」と本作に込めた想いを明かした。

さらに「アニメーションという表現で作る映画は、まだまだやっていないことが多い。これまでたくさんの作品が生み出されており、そのバトンを受け継ぐように様々なことにチャレンジし、表現していかなければいけないと思います」と、日本アニメーション現在の地位まで押し上げた先人たちへの敬意を表明した細田監督

すでに88と地域での配給も決定している本作は、昨年湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』がグランプリを獲得した世界最大規模のアニメーション映画祭「アヌシーアニメーション映画祭」にも選出されるなど、世界中から厚い期待が寄せられている。

これまで『サマーウォーズ』(10)と『バケモノの子』(15)でアカデミー賞長編アニメーション賞にエントリーしながらも、惜しくもノミネートを逃してきた細田監督。本作が来年のアカデミー賞はもちろんのこと、世界中のアニメーション賞をにぎわす可性も充分だ。

<舞台挨拶を終えた感想>

細田守監督

日本よりも先に、世界の方々に観てもらうことが大変なプレッシャーと感じていました。初めての上映はいつも緊しますが、上映が終わった後、たくさんの拍手を頂けて今はとてもホッとしていま す。

映画が出来上がり、お客さんが観終わって初めて映画完成します。子どもが生まれる間と同じ気持ちで、カンヌのお客さんに映画の誕生の間に立ち会っていただき、祝福されながら事に映画が生まれました。

上映中には何度も笑いが聞こえ、お客さんの反応を直接感じることが出来て嬉しかったです。次は日本で、夏休みの時期に開なので家族みんなで楽しんでもらいたいです。

白石

監督の隣で初めて作品を観させていただくことと、フランス語での挨拶がとても緊しましたが、しっかりと想いが伝わって良かったです。カンヌで映画が生まれた間に立ち会うことが出来てとても幸せで、夢のような時間でした。

映像の美しさ、音楽の壮大さを4歳のくんちゃんので冒険出来るという作品の素らしさを日本でも自信を持って伝えていきたいです。(Movie Walker・文/久保田

会場に詰めかけた850人の観客から拍手喝采を浴びた