顔界のプリンス”こと坂口健太郎が、役として覚醒し始めたドラマシグナル 長期未解決事件班』(フジテレビ系)の第6話が15日に放送され、均視聴率5.7ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.0ポイントダウンとなってしまいました。

 その前回、三枝健人(坂口刑事は、過去とつながる線機を使い、1998年世界に生きる大山剛志(北村一輝刑事に対し、本来ならば未解決の連続窃盗事件について助言。これによって、工藤之(平田満)の誤認逮捕を招いてしまいました。

 そして、過去が変わってしまったため、現在世界で出所したばかりの工藤が、矢部香織野崎萌香)という女性を誘拐する事件が発生。98年に一体何が起こったのか、なぜ工藤香織を誘拐したのか、というを残したまま、前回は終了となりました。

(前回までのレビューこちらから)

 今回は、大山工藤の身辺を調するところからスタート大山は、健人から受けたアドバイスをもとに被害者宅の郵便受けを調べ、そこから工藤紋を検出。さらに、被害者宅の息子白石白石隼也)の言によって工藤逮捕を決断し、警察署へと護送します。

 署に到着した大山は、ロビー内のテレビに流れるニュース映像に注意を引きつけられます。そこに映るのは、交通事故火事になり燃え盛るバス。よく見るとその内には、工藤和美吉川)の姿があるのです。

 そして、このバスに同していたのが、香織とその父親英介小須田康人)だったのです。2人は助かったものの、和美爆発に巻き込まれて焼死。その様子をニュース映像で見た工藤が、英介にもを失うつらさを味わわせてやりたい、という恨みを抱き、今回の誘拐事件を引き起こしたのでした。

 そのことに気づいた健人は、工藤香織を殺すのは20年前の事故現場に違いないと直感。すぐにその場所へと向かいます。すると、の上に佇む工藤の姿を発見。すぐに逮捕するのですが、工藤視線の先を追うと、駐車場に停した冷凍トラックに駆け寄る英介の姿が。そしてそこへ、健人の上桜井美咲(吉瀬美智子)が到着し、英介を制止してトラックの荷台のドアを開けます。

 その様子をの上から眺めていた健人は、工藤刑務所電気技術を学んだことを思い出し、これはだと察知。美咲のもとへ駆け出すのですが、時すでに遅し。荷台の中の電気スイッチを押した間に爆発が発生し、美咲焼死してしまうのです。

 美咲の死に責任を感じた健人は、窃盗事件の真犯人を捕まえるべく、捜資料を洗い直すことに。すると、被害者宅の息子たちがいずれも、同じヨットクラブに所属していたことが判明します。

 そして、線機によってそのことを知らされた大山が、工藤言をした白石に対して疑心を抱いたところで今回は終了となりました。

 さて感想。前回のレビューに、坂口健太郎の演技が徐々に覚醒してきたと書きましたが、今回はさらに成長ぶりが感じられました。特に、美咲焼死後、署内にある机や私物品を処分するよう命じてきた上岩田一夫(甲本裕)に対して、「冷たすぎるでしょ!」と食ってかかった時の演技。岩田への怒りだけでなく、不甲斐ない自分自身への憤りも伝わってきました。

 そんな健人の抗議に対して涙目になり、必死に感情を抑える岩田の演技も良かった。岩田美咲との付き合いが健人よりも長く、当然つらいわけなんですね。現場にいたのに助けられなかった健人への怒りもある。ただ、それをグッと飲み込む。ほんの数秒足らずでしたが、役者同士の火が散った名シーンでした。

 ただ、演者たちのせっかくの好演も、脚本のせいで台しになってしまった印です。というのも、工藤矢部親子に憎悪を抱いた理由がよくわからない。説明が不足しすぎている。今回の放送からそのまま読み取ると、バス爆発事故で自分のは死んだのに彼らは救出された。だから憎い、ということになるのですが、これが20年にもわたる役期間中ずっと、恨みを持ち続ける動機になりますかね。

 これが例えば、矢部親子が和美を押しのけて助かったのならまだわかります。ただ、ニュース映像を見る限りでは、そんな様子もなかった。本当にただ偶然、同じバスに乗していたにすぎなかったのです。矢部親子からすればとばっちり以外のなにものでもないですし、その結果、死んでしまった美咲こそ浮かばれません。

 しかし次回、その死を“白紙”にすべく、健人が窃盗事件の真犯人逮捕に全を尽くすとのことで、果たして美咲の運命は変わるのか。過去を変えるとそれが現在に反映される、という特殊な設定を活かし、ドラマの面みが増すかどうかのターニングポイントにもなると思うので、注したいと思います。
(文=大羽

フジテレビ系『シグナル 長期未解決事件捜査班』番組公式サイトより