元TOKIO山口達也の事件報道により、その恐ろしさがめてクローズアップされたアルコール依存症。この病気がどういうものかを描いた映画は、世界中にいくつもある。

 最も有名なのは、アカデミー賞作品賞を受賞したビリーワイルダー監督の「失われた週末」(1945年)。売れない小説家におぼれ、州の養生施設に入れられるが、そこを逃げ出してピストル自殺を図ろうとする物語で、依存症の精的な不安定さを見事に表現した演のレイミランドはアカデミー賞カンヌ国際映画祭男優賞を得た。

 ブレイク・エドワーズ監督の「バラの日々」(1962年)は、仕事ストレスから徐々に依存していく夫と、それに感化されてを飲み始める妻という、夫婦そろって依存症の地獄に落ちる様を描く。名優ジャックレモン気迫る演技は、穏な日常が簡単に壊れていく怖さを感じさせるに十分だ。

 日本では、漫画家西原理恵子の元夫で、2007年にがんで亡くなった鴨志田の壮絶なアルコール依存症闘病記を描いた映画が2本ある。西原側から夫の行状を見つめる「毎日かあさん」(2011年)は、小泉今日子永瀬正敏という実際に元夫婦だった2人の共演でも話題を集めた。かつて戦場カメラマンだった鴨志田が、戦場トラウマからにのめり込み家族の支えによって立ち直っていく姿を、永瀬が絶妙のバランスで演じている。また鴨志田の自伝的小説を東陽一監督映画化した「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(2010年)は、アルコール依存現実を最もリアルに映し出す。を飲んでは吐血、入院、家族への暴力を繰り返す男が、抗剤を用して今度こそ禁に成功するかと思った矢先、寿司屋で出された奈良漬を食べたことでコンビニ棚に直行してしまうのだ。

 奈良漬のアルコール分だけで元の木弥になる現実こそが、アルコール依存の怖さ。最近、の摂取量が増えていると感じる人には、この4本をぜひ見てほしい。決して他人事ではないと感じるだろう。

アサジョ