【インタビュー】「熱く、勝利にこだわる」オリヴェイラ監督の下で巻き返しへ

 J1浦和レッズは昨季、ACLチャンピオンズリーグを制し、FIFAクラブワールドカップでも世界5位に輝いた。一転して今季は現在リーグ13位に甘んじているが、4月19日にオズワルド・オリヴェイラ新監督が就任し、徐々にチームの再構築を進めている。

 チームが浮上するためには、リーグワースト2位タイに沈む得点力の復活が必要不可欠。エースのFW興梠慎三に次ぐゴールゲッターとして、爆発の時が待たれる加入4年目のFW武藤雄樹を直撃した。浦和栄光の9番を背負う男が見据える、巻き返しへの道筋とは――。

――今季はすでに、シーズン中に二度監督が代わっています。リーグ戦13位という順位をどのように受け止めていますか?

「もちろん、シーズン前に思い描いていた状況ではないです。結果がついてきていないのは残念だし、監督も3人目でやり方が異なれば選手としては難しさも出てきますけど、ただ全員がしっかり練習に取り組めている。オリヴェイラ監督になって、チーム一丸で戦おうという姿勢を出してくれているので、良い雰囲気を作りながらやれていると思います」

――改めて、オリヴェイラ監督の印象は?

「とても熱く、勝利にこだわる人ですね。ミーティングのテンションも高くて、それにつられて選手のモチベーションも上がっている。試合前にもよく、『浦和のエンブレムが付いたユニフォームを着ているんだから、たくさんの人を背負ってしっかり戦え』と言っていて、『戦わなきゃいけない』と奮い立たせてくれます。まだオリヴェイラ監督も自分のやりたいサッカーを完全には落とし込めていないと思いますけど、早くそれを表現できるようになって、チームとしても勝利をもっともっとつかみたいです」

――具体的に、オリヴェイラ監督の“やりたいサッカー”とは?

「就任当初から、まずは時間がないから今までを踏まえて進めていくと話がありました。大槻(毅ヘッドコーチ)さんが3バックに戻した流れを汲んで、今は3バック(3-5-2)をやってますが、中断期間に『自分の色を出していく』と。鹿島では4バックだったと聞いていますし、戦術やフォーメーションも変わってくるのかなと考えています。やりたいサッカーで言えば、しっかり守備をして、その後にスペースを突いていくということは徹底して指示していると感じています」

「『武藤はシャドーじゃないとダメか』と言われてしまう」

――そのなかで、武藤選手が求められていることは?

「今は2トップの一人として出してもらっているので、興梠(慎三)選手に対してしっかりサポートして良い距離感を保つこと、ですかね。相手にもよりますが、オリヴェイラ監督にはサイドバックの裏であったり、嫌なところのスペースに走ってほしいと言われています」

――浦和加入後、武藤選手のストロングポイントとシャドーの特性が見事にマッチしていました。FW起用は久々になりますが、やはり難しさもありますか?

「浦和に来て、シャドーで輝けた部分はすごくあったと感じています。ゴールも決められて、本当に多くの自信をつけることができましたから。堀(孝史/元監督)さんの時はワイド(ウイング)、今だったら2トップとプレーするなかでも、自分の特長は出せると思っていますけど、結果がついてこずにすごく悔しいです。このままだと『武藤はシャドーじゃないとダメか』と言われてしまうと思うので、もっと数字で証明していかないといけません」

――ここまでルヴァンカップを含めて公式戦16試合に出場して1得点。自身の数字に対する自己評価は?

「やはりFWは数字で評価されるもの。結果が出ていないので、評価はかなり低くせざるを得ないですね(苦笑)。もちろん数字以外の部分で求められている役割もあるし、チームのためにやるべきことはやらなきゃいけない。でも、僕が『ゴール以外の部分を評価してくれ』と言い出したら終わりですから。全てをまっとうした上で得点を積み重ねていかないと、自分の居場所はどんどんなくなっていく。ゴールを決めないとサポーターの皆さんも納得しないと思うし、僕自身も納得はできません」

「サポーターの皆さんが“ゴールを決められない9番”には納得しない」

――そのゴールへの執着心と責任感は、やはり浦和の「9番」を背負うプライドがそうさせるのでしょうか?

「急に、というわけではないですけど、(2016年に)最初に9番をつける時に、浦和の9番の歴史、今までこの番号を背負ってきた方々を踏まえて、責任のある番号だと理解して自分に言い聞かせました。だから、9番に恥じないためにもゴールを決めないといけない。あとは、先程も言いましたが、やはり一番はファン・サポーターの皆さんが“ゴールを決められない9番”には納得しないと思うので、大きな期待に応えたいと思います」

――ゴール数に関しては、チームメイトからもイジられていると聞きました。

「槙野(智章)さんには、『最近ゴール取ってないな』と(苦笑)。僕と槙野さんの通算得点が同じなんです(編集部・注/5月17日時点で二人のJ1通算得点数は38)。『お前、俺と一緒だぞ』とずっと言ってくるので、早く追い越さないといけないと感じています」

――リーグ戦はワールドカップで一時中断となりますが、後半戦に向けた巻き返しのビジョンを訊かせてください。

「オリヴェイラ監督も就任してからずっと『浦和はこの順位にいるチームじゃない』と言っていますし、僕たち選手も同じ思いです。中断期間で“オリヴェイラ・カラー”がどんどん出てくると思うので、それをしっかり表現できるようにしたいですね。

 今は興梠さんがほとんど得点を決めている状況なので、他の選手がゴールしていかないと、勝利もチームが上に行くことも難しい。そこで力になりたいので、個人的にはやはり二桁ゴールが目標です。(2015年に)浦和に来て2年連続で二桁取ることができて、『二桁は絶対』と自分にノルマを課して臨んだ3年目は6点しか取れずにすごく悔しかった。自分の力不足を痛感している反面、まだシーズンが終わったわけじゃないし、自分の課題をしっかり整理しながら巻き返していくつもりです」(小田智史(Football ZONE web編集部) / Tomofumi Oda)

浦和加入4年目のFW武藤雄樹【写真:荒川祐史】