東海大学は、浴槽水の温度や気温などの入浴環境データと心拍数や血圧などの生体データを、医学的知見に基づいて評価することで適切な入浴に誘導する新しいシステム「Yu-navi(ユーナビ)」を、5月26日に大分県別府市で開催される「世界温泉地サミット」内で、その基本構想と機器のプロトタイプ(実機)を公開することを発表した。

Yu-naviは、入浴による"日本人総健康化"を目指し、同大海洋学部の斉藤雅樹教授、同・坂上憲光准教授らの共同プロジェクト。過度に高温な湯への入浴や長時間の入浴など、不適切な入浴による事故死を防ぐ「入浴の"シートベルト"」の実現を目標にスタートした。

入浴環境データ収集デバイスは、家庭の浴槽用が海の生物のような親しみやすい形の「fuuron(フーロン)」を、博報堂との協業で開発。同デバイスが浴槽水の温度を測定し、適切な入浴時間の長さをユーザーのスマートフォンに通知するほか、記録・管理機能も搭載されている。同デバイスのプロトタイプ(実機)は、5月26日の「世界温泉地サミット」にて公開される。

一方、海洋探査船をイメージした温泉施設用は、測定項目の多い高機能版となっている。温泉水の温度、泉質(pHなど)、浴室環境情報(気温など)のほか、GPS位置情報を測定する。利用者のスマートフォンとBluetooth連携してデータをクラウド化し、体質に合う泉質かを評価して警告や誘導を行う。なお、世界温泉地サミットではこの初期版プロトタイプが公開される。

また、入浴ナビゲート・システムでは、入浴環境データとウェアラブルデバイス等から得られる、利用者本人の生体データ(心拍数、血圧、血中酸素濃度など)をもとに、医学的知見から入浴の危険度や適性を評価し、本人に通知する。過度に高温の湯、不適合泉質の湯への入浴や、長時間の入浴、体調不良時の入浴など危険な入浴行為を警告し、より安全な入浴(適度な温度、泉質、時間など)に誘導するメッセージを、音や光、表示テキストなどで利用者に伝える。同デバイスは現在開発中で、2019年度以降にウェアラブルデバイスへの搭載を目指している。世界温泉地サミットでは、この基本構想が公開される。

今後は、入浴データ収集デバイスのバージョンアップや実用機の開発を行い、入浴データ、生体データの収集を本格的に開始するとともに入浴ナビゲート・システムのプロトコルを作成し、自発型エビデンス(SNS上で温泉・入浴のつぶやきを多数募集する市民参加型科学研究)、自律型エビデンス(自動収集される入浴データや生体データ)から評価基準となる知見を抽出、従来の医学的知見(入浴ナビゲート・システムのプロトタイプ開発)などからから評価基準となる知見を抽出するという。
(早川厚志)

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