会場を出たとき、あまりのギャップで逆にすんなりと日常に戻れた。まるで一だけ海外旅行をしたかのよう。あそこビルボドライブ東京ではなく、アメリカニューオーリンズだった。

ソウル・レベルズ ライブ写真(全9枚)

 ドラムの2人以外は全員ホーン隊というソウルレベルズ。ドラムが2人いるバンドしいが、さらにこのバンドベースピアノもいない。トランペットサックストロンボーンに、あまり染みのないスーザフォンを含めたホーン隊が、一体どんなサウンドを聴かせてくれるのかとワクワクさせる。

 会場で流れていたホット・エイトブラス・バンドの「It’s Real」が少しずつフェードアウトし、重厚なサウンドイントロが流れる。メンバーの登場だ。この間はいつもたまらない。ステージと客席にを作らず、姿が見えたときから持っている楽器と一緒に拳を突き上げ、手を振り、会場を一つにする。一にしてそこはニューオーリンズのとなった。

 まさに一流のパフォーマー集団。彼らは、メタリカグリーン・デイロバート・グラスパーなど、幅広いジャンルアーティストとのコラボ進化を続け、ローリンヒルカニエウエストブルーノ・マーズなど素晴らしいアーティストたちのコンサートに呼ばれ、参加してきた。毎年なんと250以上もの演を全世界でこなす彼らが、2015年の初来日以来、定期的に日本を訪れている。日本ファンを着実に魅了しているのだ。

 メロディメロディリズムリズムが重なり、1つのサウンドになる。お客さんにをかけ、いっぱいのを出させる。バンド名の入りの曲「Rebel Rock」と共に、ニューオーリンズのカーバルが始まった。6人から成るホーン隊の迫、しっかり役割分担され会場全体をグルーヴさせる2人のドラムス。振り付けで全員で動きをえることもあれば、ときには自由に動き回り、常に観客とコミュニケーションする。隙あらばハイタッチだ。それでもまだまだだと、会場全体にハンドクラップをさせる。曲の一部となった観客のハンドクラップに合わせて増していく会場の一体感、グルーヴ、圧巻だ。リズムスウィングに変わり、ジャズ色を強くし、メンバーが次々とソロを披露、自己紹介をしていく。そうやってカーバルを楽しんでいるうちに、なんといつのまにか3曲だ。曲の間に休みがい。すべての曲が流れるように移り変わっていく。まるで壮大な1曲のようだ。

 3曲の「Rebelosis」が終わり、「日本に来れてとても嬉しい」と短めに挨拶。そのまま次の曲に突入し、オーディエンスを席に座らせない。ヒップホップジャズロック、幅広い音楽ルーツに持つ彼らは、この「Slide Back」で強い歌とラップを披露し、観客を煽っていく。また、もともとニューオーリンズの曲かのように編曲されたマイケル・ジャクソンの「Remember The Time」のカバーでは、ベースの役割をしていた管楽器スーザフォンのソロが会場全体をかせる。マイクが付いていなくても会場全体を埋め尽くすような重低音と遊び心のあるソロドラムスが応じ、スーザフォンが演奏したリズムドラムスが繰り返したりと、まるで会話をしているようなリズムの掛け合いをしていく。そこからまたもや休むことなく「I’m So Confused」のコーラスが始まり、体がつい動いてしまう曲の畳みかけに、会場の熱気も一段と高まっていく。

 少しの間を挟み、2つトランペット美しいを奏で、「Respected Destroyer」が始まる。片方がメロディ演奏し片方がコード演奏するのではなく、両方がメロディ演奏して形を作るジャズの手法を彼らはすべての曲でうまく活用しており、迫やかさ、賑やかさを引き出している。少し落ち着いたと思いきや、大きいシンバルの音と共に、ドラムスだけのイントロが始まる。バスドラムとスネアドラムを2つに分けて演奏しているこのセッションしく、役割分担がに見えて面い。兄弟で遊んでいるかのようなドラムセッションから繋がった「Can You Feel The Beat」では、再びマイケル・ジャクソンの「Wanna Be Startin’ Somethin’」のフレーズも飛び出し、オーディエンスの熱狂ぶりはさらに加速。続く「If I Ruled The World」では、再度ラップで観客を煽り、さらにジェームズブラウンの「Get On Up」のフレーズから始まる「Get Up」ではメンバーがフロアに降り、オーディエンスは総立ち、大熱狂の中ライブ本編は終了した。

 そのまま拍手は鳴りやむことなく、会場中にアンコールめるハンドクラップが鳴りく。サックスエリオン・ウィリアムスが再びステージに上がり、メンバーも続々とステージに合流。観客とのコミュニケーションをもっとも楽しむトロンボーンポールロバートソンはそのままフロアで観客とコミュニケーションを楽しんでいる。「One More?」と聞くと、観客は再び熱狂的なを上げ、みんなで「ファイブ・オー・フォー」と歌う「504」に突入。観客総立ちでのコールレスポンスソウルレベルズも一段と熱のこもった演奏で応え、ニューオーリンズのカーバルは幕を閉じた。

 約80分に渡るステージニューオーリンズのカーバルがそのままビルボドライブ東京を埋め尽くしているようだった。8人編成のブラス隊だと、なかなかの大所帯というイメージだったが、実際に見ると、「これは中で演奏できるように、身軽にできているな」と感じた。だからこそあれだけ身軽に観客とコミュニケーションができるのだろう。

 もし今回逃してしまったという方は、明日17日にビルボドライブ大阪で開催されるこのニューオーリンズのカーバルを楽しみに行ってみてほしい。

Photo by Ayaka Matsui

Text by よう いんひょく(Inhyeok Yeo)
すべてのパートを自分のだけで演奏する一人アカペラシンガー
一人アカペラ作品をネット上に開、全世界で話題となりYouTubeの合計再生回数は500万回をえる。CM出演や海外アカペラグループとのコラボなど、幅広い活動を展開している。

情報
ソウルレベルズ】

ビルボドライブ東京
2018年5月15日(火)※終了

ビルボドライブ大阪
2018年5月17日(木)
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30

詳細:http://www.billboard-live.com/