【松岡広大/モデルプレス=5月17日】飛び抜けた身体能力を発揮し、まるでエネルギーの玉が弾けるかのように、舞台の上を所狭しと躍動する。そうして汗を流し、多くの人を魅了してきた役者・松岡広大(まつおか・こうだい/20)は、一つのイメージが確立したことを受け止めつつも「それを壊していかないと、前には進めない」と語る。映画『兄友』(5月26日公開)で演じた役どころは、新たな挑戦の一つ。これまでと異なる“静”のベクトルも魅力的に演じ、役者としての振り幅を示している。素顔は“考えて考え尽くす”タイプ。10年目を迎えようという役者業への思いから恋愛観、プライベートまでたっぷりと語ってもらった。

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◆松岡広大、映画『兄友』で演じた寡黙な男子は「僕とは正反対」

― 赤瓦もどむさんの漫画を原作に、とびきりウブなラブストーリーを描く『兄友』。松岡さんが演じる加賀樹(かが・いつき)は、主人公の西野壮太(横浜流星)の従弟で、ヒロインの七瀬まい(松風理咲)を巡る三角関係に。初登場シーンは、お腹の音が鳴り響いて…かなりインパクト抜群です。

松岡:本当にそうですね(笑)。

― 作品をご覧になった率直な感想からお聞かせください。

松岡:序盤はポップでテンポ感もいいので、観やすいなと思いましたし、ヒロインの松風理咲ちゃんが彼女自身高校生ということで、初々しい感じが七瀬まいという役に等身大でハマっているように感じました。

― ご自身のシーンはどうでしたか?

松岡:自分が出たところはすごい笑ってしまいました。ある意味客観視できるので、「ああ、こんな風に見えていたんだな」「この時、あんなこと考えていたな」とか思い出しながら。撮影中は色々考えていましたけど、形になっていたので良かったなって。何度も笑ってしまいました。

― どのシーンが一番印象的でしたか?

松岡:クッキーを食べるところとか。

― 七瀬さんにもらったクッキーを、壮太に見せつけながら食べるシーンですね。壮太へのライバル心むき出しで(笑)。

松岡:あそこは本当にふざけていました(笑)。個人的には印象的なシーンにしたいなと思っていて、回想のシーンということもあるので、なんというか、ちょっとファンタジーにしたかったんです。加賀くんをちょっといじって、だいぶデフォルメして演じてみました。

― とても可愛らしかったです。加賀樹という役を演じてみていかがでしたか?

松岡:とりあえず寡黙なタイプです。自分の感情を伝えないので、表情も出にくい。僕自身は普段しゃべっている時、眉毛が動いたりとか、表情の変化が大きいタイプなので、それを制約して演じるのは少し大変だったかなと思います。目は合わせつつ、口元だけが動いている感じで、ロボットみたいな感覚でした。その分、気持ちが揺れた瞬間の表現が難しかったなと思います。

― 加賀くんも恋をして変わっていきますね。

松岡:そうですね。人間っぽいところも見つけながら演じていきました。

― 加賀くんと松岡さんは正反対でしょうか?

松岡:正反対だと思います。

― 感情が表に出るタイプ。

松岡:そうですね。すごい出します。出すというか、勝手に出ています(笑)。出てしまっているっていう感覚があるので、加賀くんとは全く違います。でも恋愛は、加賀くんみたいにガツガツいけないです。

―加賀くんは七瀬さんと壮太が両思いでも関係なく、グイグイ行きますね。

松岡:内気なのかヤンチャなのか…。

― 確かに(笑)。

松岡:それがわからないっていうのも難しかったところです。

― 掴みどころがない感じですよね。

松岡:ミステリアスすぎて…「あ、それははっきり言うんだ?」みたいな。すごいなと思いました。僕には無理です(笑)。

― 好きな人に彼氏がいたら諦めますか?

松岡:でも意外と気持ちはわかる気がします。2人の間に入りたいというか…好きになってしまった後に彼氏がいるとわかった時に、さらに燃え上がってしまうような感じだと思います。

― ジェラシーですね。

松岡:でも僕はあんな風にアプローチはできないです。「ずっと片思いでいたいな」って思うと思います。

― いいんですか?それで。

松岡:成就すればもちろん嬉しいですけど。2人が付き合っているなら、応援したいと思います。

― 辛いですね。

松岡:そうですね…でも、それでいいかなと。

― 隙を見て奪ったりということは…

松岡:絶対にしないです!

― 加賀くんの場合、壮太は従兄弟という近い関係なので、さらにすごいですよね。家庭教師もやってもらっていて。

松岡:それでも言ってしまうのが彼のいいところなのかなと。壮太は加賀くんが唯一話せる相手だと思うんです。だからこそあんな風に高圧的になったりするのかなって。

◆どんな女性に惹かれる?「尊敬が“好き”に変わる」

― そんな2人に好かれる七瀬さんは家庭的なタイプですね。

松岡:家庭的な女性はすごく素敵だと思います。僕も家事はする方なので、お互いがお互いを支えられたら一番いいと思いますし、家事も役割分担せずに自ずとします。

― 松岡さんの場合はお料理も完璧なので、自分のこだわりみたいなものがありそうですが。

松岡:それはあります。どこから拭き掃除するかとか、ルーティンはあります。ほかに好きなタイプを挙げるとすれば、自分の意見をはっきり言う人や、仕事を楽しんでいる人にすごく好感を持ちます。

― 意志が強いタイプですね。尊敬できる関係というか。

松岡:はい。自分の中に軸がある人は素敵だなと思います。

― それぞれに夢中なことがあって。

松岡:相手が夢中になっていることに関しての話は、無限に聞いていられる自信があります。熱量が強ければ強いほど、僕も刺激を受けます。

― 聞き役が多いんですか?

松岡:男女問わず、多いです。いきなり電話口で泣かれたこともあったりしました(笑)。

― 気持ちを受け止めるのがうまいんですね。冷静にアドバイスしてくれそうです。

松岡:アドバイスと言うのもおこがましいですけど、冷静ではあります。人に対して、決めつけは絶対しないようにしています。色々と聞いた上で、「今あなたがそう思っているのは間違いではないと思うけど、こういうのもあると思いますよ」と選択肢を机に並べます。僕自身も、自分の気持ちを整理する時は紙に書くんです。自分の言葉で「何でこうなったのか」という道理や順番を考えたり、優先順位をつけたりします。

― 最近、何か書き記したことは?

松岡:現場で一番年下になることが多いので、どういう風に立ち振る舞えば良いのか…それにすごく迷った時期がありました。

― その点、今回の『兄友』は同世代が多い現場でしたね。

松岡:そうですね。ただ『兄友』でも同じようなことを考えました。理咲ちゃんが初主演で、役柄では彼女が一個上の先輩なんですけど、実年齢は逆なので、撮影の時彼女が話しづらくならないために、楽屋で話す時のテンションも結構考えて接していました。

― 現場で一番年下なのが悩みにつながるというのは、甘えるか甘えないか…という部分でしょうか。

松岡:そうですね。あと、先輩方がいる中では気配りが大事だと思うので、それは色々考えます。

― すごく考えますね…!

松岡:自分でもそう思います(笑)。僕の性格が気にしいで、心配性なんです。だから書くものも多くなってくるんです。「もしかしたら…」とか、先入観もあったりして。

― 石橋をすごく叩いて渡るタイプ。

松岡:本当にそうですね。歩くごとに叩いていると思います(笑)。

― 新しい現場に入る時は緊張するんじゃないですか?

松岡:はい、前日は緊張で寝られないことが多いです。最初の1週間くらいで自分の印象がわかると思うので、そこでいかに「どういう人なのか」「こういう仕事の取り組み方をしています」みたいなところを見られている、要は審査みたいな感じだと思うんです。

― 自分も見てるし、相手からも見られている。

松岡:そうです。すごく気をつけています。

― 印象が最初と最後ですごく変わったりもしますよね。松岡さんはどんな風に言われることが多いですか?

松岡:最初はやっぱり「落ち着いているね」と言われることが多くて、最後の方になると「ちゃんと話せるんだね」って。

― ちゃんと話せる?

松岡:自分の気持ちとか。あとは「気が回るね」とか、逆に「無理してるんじゃない?」とも言われます。気を張りすぎて。

― そこは確かに心配になるくらいです…!

松岡:お茶を出したりとか、小さいところからですけど。

― 素晴らしいですね、弱冠20歳にしてその気配りは。

松岡:いや、それが大事だなと思えてきたんです。先輩方は多分、そういうことをやってきた上で最前線にいると思うので。先輩のようになるにはしきたりや礼儀が絶対に必要だなと。役者としての前に、まずは人間として恥ずかしくないようにしたい。実はこれ、今年の目標なんです。

― もう既に問題ないのでは?

松岡:いや、まだまだ足りていないところが多いです。

― その姿勢は誰かからの教えですか?

松岡:教えというか、(同じ事務所の)岸谷五朗さんの存在が大きいです。僕の理念を作ってくださった一番のベースは五朗さんで、そこから僕がどんどん肉付けをしていって、今すごく大きなものになっているというか。人間としての土台だなと思います。あとは母や父、兄、姉の存在ですね。

― 末っ子なんですね。

松岡:はい。4人きょうだいで、僕は末っ子なんです。本当に幸せな環境で育ってきたので、その恩返しをしていきたいです。

◆役者業10年、全てが変わった…武器は“来るもの拒まず”

― 今年、成人を迎えたことは一つの節目になったと思います。活動をスタートされてからこれまでを振り返って、率直にどう感じていますか?

松岡:11歳の時に事務所に入ったので、10年目になるんですけど、とにかく全てが変わりました。人の目に触れるということがすごく増えましたし、変化が大きかったと思うんです。本当にラッシュのようで。高速道路の上下線で車がバーッと行き交うような、絶え間ない感じというか…。この10年で環境が大きく変化したのは間違いないです。

― 早かったですか?

松岡:本当に早かったです。小さい頃からやってきて、10年のうちで芝居がどんどん大好きになって。特に僕は人に恵まれてきたと思います。この世界にいる方はみんなそう言うと思うのですが、僕は特にそう感じることが多くて。出会う人が良い人ばかりだったから、この10年で人の温かさやコミュニケーションの大切さを徐々に知っていきました。その中で礼儀も身についてきて、今があるのではないかなと思います。

― 松岡さんが一つずつ感謝していくからこそ、良い出会いが舞い込んでくるんだと思います。

松岡:「有り難い」って、「難しいことが有る」と書くのですが、仕事は難しいし、お芝居は答えもわからないけれど、その環境に自分がいて、やりたいことをやれているのが本当に有り難いです。

― ご自身の内面も変わったと思いますか?

松岡:相当変わりました。本当に…生意気でしたね(笑)。自分で言うのも恥ずかしいくらい酷かったと思います。

― 今の松岡さんからは想像がつかないですね。

松岡:無知と言えばそれまでなんですけど、それで良しとしていた自分がいました。知らないから大丈夫、というのがあり、知ろうとしていなかったです。でもそれは甘えで、能動的じゃなかったと思います。今思うと、自分でアクティブに動かないことには何も起きない。それこそ20歳になって、お酒の席で皆さんとご一緒することも増えてきて。『兄友』のスタッフさんとも、「撮影が終わったら飲みに行こう」と言って、そこで腹を割って話せることも多かったです。

― 大切な姿勢ですね。

松岡:今思うと、昔の僕はなんで疑問を疑問のまま終わらせていたんだろうって。ちゃんと聞いておけばよかったし、あの時「やりたいです」と言ったら今どうなっていたんだろう?とか…。後悔とは違いますけど、少なからず結果は変わっていたんじゃないかなとは思います。

― 松岡さんの場合は元々、この世界に憧れを抱いていらっしゃって。その時にイメージしていた未来と、今の歩みを比べてみるとどうでしょうか。

松岡:本当にようやく一歩、という感じなので、目標としていた所にはまだ全然たどり着けていないです。自分でもどんな進み方をしていくのか、未知なんです。多分、一気に五歩進んだりとかもあると思うのですが、その緩急がわからなくて。お仕事を頂けるようになったというのは実感していますが、想像していた未来にはほど遠いです。もっと頑張らなくてはと思っています。

― これからも長く戦っていくために、今の段階でのご自身の強みや武器をどのように捉えていらっしゃいますか?

松岡:そうですね…“来るもの拒まず”でしょうか。

― 柔軟に。

松岡:目の前で誰がどのように芝居をしても、受け止めていきたいと思いますし、そこは年齢も関係ないなと思うので、がむしゃらについていきたいと思います。

― 具体的にこれからやってみたいことはありますか?

松岡:ストレートプレイの舞台をやってみたいです。

― 観たいです…!

松岡:これまでの舞台は体を動かす作品が多くて…もう一生分動いたんじゃないかなというぐらい動いていると思っています(笑)。

― 確かに、2月に千秋楽を迎えた『髑髏城の七人 Season月』だけでも!

松岡:そうですね。なので、今度は体を動かすだけではなく、人間の生活の一部をしっかりと演じてみたいと思うようになりました。

― フィジカルの表現は極めたとして、次にやりたいのは…

松岡:深くて陽が当たらないくらいの暗さみたいな…そういう役を演じてみたいです。これまでは元気な役が多かったので、そういうイメージがあるのはすごくありがたいのですが、敢えてそのイメージを壊したいと思っています。

◆松岡広大、夢を叶える秘訣を語る

― 最後になりますが、夢や目標に向かって頑張っているモデルプレス読者に“夢を叶える秘訣”をアドバイスお願いします。

松岡:僕も夢を追いかけている人間なので、同じ立場ですけど、絶対に自分から動くことだと思います。そうしたら可能性が広がって、チャンスが絶対に来ると思います。知らないものを見たり、触れたりすることで、より好きになれたり、はたまた別の夢が見つかったり…。全ては経験なので、計画を立てて、自分の足でどこかに行くべきだと思います。

それは人に対しても一緒で、自分から話を聞きに行くことで、そこからどんどんその世界のことや礼儀を知ることができます。夢を叶えている人って、人間として恥ずかしくない生き方をしていて常にカッコイイ。夢を頑張る過程は、人として「私はどうしたいか」を見つめ直す時間だと思うので、がむしゃらにやるのももちろん良いと思うのですが、本当に目標を叶えたいのであれば自分と向き合い、自分から動くしかないと思います。

◆松岡広大のプライベートQ&A 料理・ファッション・音楽…

Q. 料理上手な松岡さん。好きな女の子に振る舞うなら?

松岡:オムライス。卵ふわとろで、チキンライスが格別に美味しいです。美味しすぎて朝昼晩、自分で作ったチキンライスを食べていたこともあったくらいです(笑)。

Q. 最近ゲットしたお気に入りのファッションアイテムは?

松岡:「Maison Margiela」の“ステレオタイプ”というパックTシャツ。ミントグリーンのような春夏っぽい色です。それと、もう冬服をオーダーしたので「早く寒くならないかな」と思っています(笑)。

Q. 気分を上げる時の一曲は?

松岡:イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の『テクノポリス』。古い曲が大好きなのと、テクノを聴くとノリノリになります。

Q. 今、一番癒やされる瞬間は?

松岡:全然話したことがない人と一緒にご飯を食べている時。僕のために時間を割いてくれたことや、「その人を知れた」という喜びが癒やしになります。

(modelpress編集部)

■松岡広大(まつおか・こうだい)プロフィール
1997年8月9日生まれ、東京都出身。2009年にアミューズのオーディションに合格。以降、ドラマ「特命戦隊ゴーバスターズ」(2012)、「ベイビーステップ」(2017)、「ファイブ」(2017)、舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』(2013-2014)、ライブ・スペクタクル『NARUTO -ナルト-』(主演・2015-2017)、劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season月』(2017-2018)などで活躍。ドラマ「会社は学校じゃねぇんだよ」(AbemaTV、毎週土曜22:00~)が放送中。

■映画『兄友』(2018年5月26日公開)
出演:横浜流星 松風理咲 松岡広大 古川毅 小野花梨/福山潤
監督:中島良
脚本:中川千英子
原作:赤瓦もどむ「兄友」(白泉社・花とゆめ)
主題歌:サイダーガール「パレット」(UNIVERSAL J)

<ストーリー>
イケメンなのに女性に超奥手な西野壮太(横浜流星)は、ある日友人・七瀬雪紘(古川毅)の自宅で妹・まい(松風理咲)と出会いドキドキ!西野は思わず「妹さん…可愛いな」と雪紘に伝えてしまう。ところがこの兄妹の部屋は壁が薄くて、その会話はまいの部屋につつ抜け!イマドキの恋愛ができない素朴なまいは、兄たちの会話で不思議な気持ちを初体験。そして何とか自分の気持ちを伝える壮太とまいは付き合うことに。そして壮太は妹・秋(小野花梨)がアルバイトをするDogカフェ「Happy Dogs」の店長橘萩之介(福山潤)から恋愛講座を受けながら、まいとのぎこちない恋愛をスタートするのだが、壮太の従弟・加賀樹(松岡広大)も、まいを好きになってしまい…。まさかの三角関係勃発か?!果たして、この二人のウブ・ストーリーの結末は?!

【Not Sponsored 記事】
モデルプレスのインタビューに応じた松岡広大 (C)モデルプレス