細田守監督の長編最新作「未来のミライ」が5月16日(現地時間)、フランスで開催中の第71回カンヌ国際映画祭の監督週間で公式上映された。細田監督と同作で主人公"くんちゃん"を演じた上白石萌歌が現地入りし、2度の公式上映に出席した。

細田監督が原作、脚本も手がける「未来のミライ」は、甘えん坊な4歳の男児くんちゃんが、未来からやって来た妹・ミライちゃんに導かれ、大冒険を繰り広げるなかで、さまざまな"家族の愛"を知っていく姿を描く物語。国内外で高い注目を集めており、カンヌ映画祭のほか、アヌシー国際アニメーション映画祭2018の長編コンペティション部門にも選出されている。

フランスの監督協会が主催する「監督週間」は、作家性を重視した実験的な作品が集まることで知られるカンヌ国際映画祭から独立した並行部門で、50年におよぶ歴史の中でソフィア・コッポラ、大島渚、北野武といった、そうそうたる顔ぶれが選ばれてきた映画監督の登竜門。4月5日に逝去した高畑勲監督も「かぐや姫の物語」で、14年の監督週間に招待されている。「未来のミライ」は、1609本の応募作品からより抜かれた20本の長編作品のひとつで、アニメーションとしては唯一の招待作品となる。

約850人の観客が集まった1回目の公式上映の後に行われた舞台挨拶では、上白石が「Bonjour! Je suis Moka Kamishiraishi.(こんにちは! 上白石萌歌です)」と、流ちょうなフランス語を披露。細田監督は「今まで、家族をモチーフに作品を作ってきました。今回は4歳の男の子の、とても小さなお話ですが、どこにでもあるひとつの家族を通して、何百年、何千年と続く人生のループみたいなものを描きたいと思って作りました」と同作に込めた思いを語った。そして、「アニメーションという表現で作る映画は、まだまだやっていないことが多い。(高畑勲監督や宮崎駿監督といった方々が)これまでにたくさんの作品を生み出されており、そのバトンを受け継ぐように、さまざまなことにチャレンジをし、表現していかなければいけないと思います」と、さらなる意気込みを語った。

2回目の公式上映は、会場のキャパシティを超えた観客が集まり、入場規制が行われるほどの人気ぶり。上映後の6分間にもおよぶ盛大なスタンディングオベーションに感極まった細田監督は、涙目になりながらも「すごく照れくさいですが、お客さんに喜んでいただけたことがとってもうれしいです。(お客さんの反応を見て)居場所があるんだなという気持ちになり、うるっときちゃいました。これから、この作品がいろいろな場所で公開され、さまざまな人と出会い、多くのお客さんたちと関係を築いていってくれたらいいなと思います」と胸中を吐露。上白石は「自分が携わった、自分も大好きな作品がこうやってたくさん拍手をいただき、いい反応をいただけて本当に幸せです」とほほ笑んだ。

「未来のミライ」は、7月20日から全国公開。

上白石萌歌も感激