現地時間16日、第71カンヌ国際映画祭の「監督週間」で細田守監督の新作アニメーション映画未来のミライ』が世界初上映され、会場に詰め掛けた観客から盛大な拍手が贈られた。この上映にはコンペティション部門出品作『万引き家族』でカンヌ入りしている是枝裕和監督の姿もあり、細田監督に「くの上映ながら満席になって、細田さんへの期待が高まっているのが客席にいても感じられました。とてもいい上映だったと思います」とを掛けていた。

 『未来のミライ』は、『サマーウォーズ』『バケモノの子』などの細田監督が4歳の少年視点から家族を描いた意欲作。生まれたばかりのミライちゃんに両親の情を奪われてしまった甘えん坊のくんちゃん(:上白石歌)が、未来からやって来たセーラー服姿のミライちゃんに導かれ、時をこえるに出るさまを描く。細田監督が自分の子供を参考にしたという4歳児の動き、感情の爆発のさせ方といったアニメーション表現が秀逸で、くんちゃんの一挙一動に情あふれる笑いが起こるほどだった。

カンヌで対面した是枝裕和監督細田守監督

 共に家族を題材にした作品を作る細田監督に「アニメ実写というえて特別な近さ」を感じているという是枝監督は「モチーフの膨らませ方など、自分がアニメ監督だったらこういう話を描きたいと思うくらいでした。の中という限られた間の中で人間を動かしながら、それぞれの個性を立たせて描いている」と称賛。「自分が子供を持ったときに、自分の子供時代の父親のことをすごく考えるようになって。自分の家族を縦に、縦に、伸ばして考えていくようになったんです。この映画を観ていると自分の今の実感が込められていると感じられて、うれしくなりました」と笑顔を見せた。

 細田監督はその言葉に「近いモチーフの中で作品を作っている、是枝監督の作品をずっと尊敬して拝見してきたので、こういう形で観ていただけてとても光栄です」と喜び、「出演する方も近いですし。今回の福山さん(物語カギを握るキャラクターを務めた福山雅治)は明らかに『三度殺人』の影下にあるので(笑)」と是枝作品からの影についても明かしていた。

 「監督週間」はカン映画祭から独立した並行部門で、フランス監督協会が催。作家性を重視していることで知られ、『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』『かぐや姫の物語』『ぼくの名前はズッキーニ』など近年「監督週間」に選出されたアニメーション作品はいずれも米国長編アニメ映画賞にもノミネートを果たしている。(編集部・市川

71カンヌ国際映画祭は現地時間19日まで開催
映画未来のミライ』は7月20日より全

映画祭に参加したくんちゃん役の上白石萌歌&細田守監督