5月は運動会の季節。幼稚園、小学校の運動会に、保護者が参加する機会も出てくるのではないか。それこそリレー、親子で協力して競う二人三脚、親対抗綱引きなど。親が運動会に参加してくれることにワクワクしたり、嬉しいと感じる子どもは少なくない。だが、親御さんのなかには、こんな人もいるかもしれない。リレーの選手に選ばれてしまったが、運動不足でうまくやれる自信がないし、そもそもとして子どもの学校行事に親が行く必要はあるのか?……ネガティブな気持ちになってしまい、参加が億劫に感じられてしまっている人もいるのでは。今回は、そんな運動会の参加に後ろ向きになってしまっている親御さんに向け、専門家のアドバイスを紹介したい。

■親御さんの応援は、子どもにとってかけがえのないもの

学校行事で親と子どもが一緒に参加するイベントはそうないだろう。子どものことを考えれば、親として運動会の参加をどう考えたらいいのか? 親子関係専門カウンセラーであり、日本メンタルコーチング学院長(エムズルーム代表)の三浦久美子さんにご意見を伺った。

「運動会といえば、兄弟、親御さんはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃん、地域の方々、卒業生など、沢山の方々が声援を送り見守ってくれる、園や学校では一年で一番大きな行事かもしれません。園児や小学生の子ども達にとって、家族や地域の方々に『見守られている、応援されている』という経験を持つことが、その後の人生を左右するほど重要なものです。その点を踏まえても、運動会はまさにうってつけのイベントと言えます」(三浦さん)

例えば一生懸命リレーで走っている最中、周りからの声援は素直に嬉しく、それが自分の親となればなおのことだろう。三浦さんは、こうした経験が子どもの人生観にいい影響を与えるのだという。

「一所懸命取り組んでいると、家族が笑顔で見てくれる、声援や拍手を送ってくれる。こんな些細なことで『自分は愛されているぞ』とか『自分は価値がある人間なんだ』という、“やる気と自信の種”がググッと育つんです」(三浦さん)

なるほど。親というのは、子どもにとって最も大きな存在である。その親に認めて褒めてもらえることが、自分のやる気と自信に繋がることは、みなさんも実感済みではないか。

また、親に限らず、友達の親御さん、地域の方々の声援を得られることで、話したことがない相手への興味や親しみが生まれることも貴重な体験となりそうだ。

■子どもが親を応援することで生まれる自己肯定感

「親御さんが競技に参加している時、応援する子ども達は、『がんばれーー! おとうさーん!!』『がんばれーー! ママー!!』と、お腹の底から声を出して応援しています。こうして『大事な人を応援できる』ということも自己肯定感の元になり、大人になってからも様々な場面に大きく影響してきます」(三浦さん)

人を応援できるということは、人を愛する気持ちがなければできないことである。人を応援することで、結果的に自己肯定感を生み、やる気と自信に満ち溢れた子どもを育むのかもしれない。

「保護者競技に出たくないから行きたくない、転んだらどうしよう……。そんな気持ちで参加が億劫になっている方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です! 他の保護者の方達も自分のことで必死ですから、あなたを見ていません。見ているのはあなたのお子さんだけです。それもあなたの勇姿を見たいのではなく、一生懸命取り組む姿をお手本にしたくて見ているのです。もちろん競技に参加しなくても、自分を応援してくれるあなたを見たいのです」(三浦さん)

「こんなに親を求めてくれるのもあとわずかの期間です。どうぞ家族で楽しい思い出を作ってくださいね」と三浦さんは最後は笑顔で締めくくってくれた。

親が参加することで、子どもが親を想う気持ちを再確認できることもあるだろう。また、普段仕事でお子さんをなかなか構ってあげられない親御さんの場合も、運動会をきっかけに親子の絆が深まる瞬間もあるように思う。

このように、子どもの運動会の参加をちょっと前向きに考えられると、楽しい思い出を作れるのではないだろうか。「子供の学校行事について教えてください」「教えて!goo」でも回答を紹介中だ。

●専門家プロフィール:三浦久美子さん
日本メンタルコーチング学院長、エムズルーム代表。スクールカウンセラーとして6年間勤務後、心の相談室『エムズルーム』を開設。親子関係やトラウマ等、根深い悩みを根本から解決するカウンセラーとして5000件の実績。昨年10月変化を起こせるカウンセラー養成学校『日本メンタルコーチング学院』を開校。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)

子どもの運動会に親は参加しないといけないのか?