次世代移動通信「5G(第5世代)」については、日本でも投資が進んでいるが、中国では「2026年に1兆1500億人民元(約20兆円)の市場規模」という予測も出て、関連企業が前のめりで投資を始めている。市場調査会社の賽迪顧問(CCIDコンサルティング)が15日に発表した「2018年中国5G産業・応用発展白書」では、5G市場は4G市場と比較して、1.5倍ペースで成長していくと見込んでいる。

 5Gでは、超高速(eMBB)、超大量接続(mMTC)、超高信頼・超低遅延(URLLC)といった特徴を活かした様々なサービスが想定されている。仮想現実(VR)、スーパーハイビジョン映像、IoTを活用したスマートファクトリー、自動運転などでの応用など、まさに「描き得る未来」として想定される情報技術を展開する上での基盤となるのが5Gネットワークといえる。

 CCIDコンサルティングが予測する5G産業は、基地局システム、ネットワークアーキテクチャ、端末製造、応用の4要素で構成される。

 うち基地局システムは、「マルチアンテナ技術」は26年に855億人民元(約1.5兆円)、「RFモジュール」が641億2500万人民元(約1兆円)、「基地局」(カバーエリアが狭いスモールセルと屋内無線ネットワーク)が1050億人民元(約1.8兆円)の市場が形成されると見込んだ。

 また、ネットワークアーキテクチャは、ハードウエアを中心とした基盤設備的なアーキテクチャから、ソフトウエアを中心としたより柔軟で迅速なアーキテクチャへと変化。ハードウエアの設定をソフトウエアで行う「SDN」と、ネットワークを仮想化する「NFV」技術が中心となっていくと見通した。SDN/NFV両技術に基づくネットワークアーキテクチャへの投資額は今年、前年比30%増の2600億人民元(約4.5兆円)に拡大すると予測している。

 このほか、光ケーブル、光モジュール、ネットワークオペレーションの3分野について、26年の中国市場規模をそれぞれ889億2000万人民元(約1.5兆円)、997億5000万人民元(約1.7兆円)、1300億人民元(約2.25兆円)と見通した。

 端末市場については、5Gスマホの中国での普及率は、18年の2%から、本格商用が始まる20年に30%へ拡大すると予測。24年には75%まで上昇し、保有数が10億台に達すると見通した。さらに5G開始に伴い、中国のVR/AR機器出荷量は2020~25年の合計で2356万台に拡大。2020~22年のスマートコネクテッドカー販売台数は1億3000万台に積み上がると予測した。

 日本においては、5Gについての投資は、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクの3社合計で商用化の実現をめざす2020年度に基地局へ1000億円と推定されている。国土や人口の大きさはあるが、方や数兆円に対し、やっと千億規模の投資計画では彼我の差が大きいと感じられる。(イメージ写真提供:123RF)
中国で拡大する5G関連投資、2026年に20兆円規模の市場創生見込む