単なる偶然か、はたまた事件か。〈予知〉という不可能な殺人事件の謎を追う教授が、やがて出くわす衝撃の真相とは――。

 東野圭吾の同名小説を、『ヤッターマン』以来のタッグとなる三池崇史監督×櫻井翔主演で映画化。
広瀬すず、福士蒼汰といった日本映画の未来を担う若手俳優、そして高嶋政伸、壇れい、豊川悦司などベテラン俳優たちが名を連ねる。

主演クラスの役者が一堂に会する



 櫻井翔が知性と天然を併せ持つキャラクター青江を演じきる。気丈に振る舞いながらもいつもどこか抜けていて、助手の奥西の冷静なツッコミがないと暴走しそうな子どものよう。母性本能をくすぐる天才タイプの青江の視点で、観る者は数々の真相に直面していく。

 未来を予知できる謎の女・円華を演じる広瀬すずもまた、近年出演の青春映画では見られないクールな一面を披露し、新たな魅力を発揮している。そして事件の秘密を知る青年・甘粕謙人役の福士蒼汰はミステリアスな演技で、複雑なミステリーをより深い迷宮に誘ってくれる。そこに後悔を背負うことがなく惹かれ合う二人の心の揺れ動きを、ワンカットで捉える市街地のシーンはスリリングだ。

 他にもリリー・フランキーや壇れい、豊川悦司などと「映画何本分?」と錯覚するほど、贅沢にも程がある主演クラスの役者が一堂に会し、共演するだけでも十分心が踊ってしまう。

数々の伏線が回収され、フラッシュバックの快感を味わえる



 事故現場の地質学的共通点、行方不明の青年・甘粕謙人、記憶を消された外科手術など、幾つもの謎が交錯しながら真相に辿り着く。

 果たして自然現象で人を殺せるのか、なぜ円華は未来を予知できるのか。ファンタジーのような殺人事件が、やがて深淵なる人間ドラマに変わりゆく時、数々の伏線が回収されると同時に、フラッシュバックする快感を味わう。
特に事件を追う中西刑事、脳外科医の羽原、映画監督の甘粕才生のセリフは聞き逃せない。複雑に絡み合う事件にまつわる人々のあらゆる感情を、一瞬たりとも見逃せないのだ。

 主題歌にYouTubeの視聴回数が15億回を超えるアラン・ウォーカーの『Faded』が起用され、海外を視野に入れた野心溢れる作品に仕上がっている。
アバンギャルドな作品から超大作まで振り幅のある三池崇史監督だからこそ実現できる、大胆な絵作りと生々しい感情が渦巻く人間ドラマ。誰もが青江とともに予測不可能な結末を目撃するだろう。

 巨大なセット、大掛かりなVFXを駆使したクライマックスの迫力は、ミステリーの常識は通用しない。
魅力的なキャラクターたちばかりの豪華キャストで華々しく映像化された、規格外のサスペンスがここで体感できる。

ストーリー

  初老男性が硫化水素中毒で死亡した数日後、その知人が別の場所でまたも同じく硫化水素中毒で死亡する。
これは事故なのか、事件なのか。これを殺人事件とすると、犯人はその場で起きる自然現象を的確に予測していたことになるが、そんなことは不可能に近い。

 事件性が見受けられない二つの出来事の調査に当たる地球化学の専門家・青江(櫻井翔)の前に、これから起きる自然現象を見事に言い当てる謎の女・円華(広瀬すず)が現れる。彼女は事件の秘密を知る青年・甘粕謙人(福士蒼汰)の行方を探しており、青江はともに行動する。
やがて事件の真相と、知られざる真実が浮き彫りになる――。

5月4日(金・祝)、全国東宝系にてロードショー

監督:三池崇史
原作:東野圭吾「ラプラスの魔女」(KADOKAWA刊)
キャスト:櫻井 翔、広瀬すず、福士蒼汰、志田未来、佐藤江梨子、TAO / 玉木 宏、高嶋政伸、檀 れい、リリー・フランキー、豊川悦司
配給:東宝
2018年/日本映画/116分
UR:「ラプラスの魔女」公式サイト


Text/たけうちんぐ

次回は <二人は人生を雨宿りしている。でも、きっといつか雨は上がる。『恋は雨上がりのように』>です。
アキレス腱の怪我で陸上の夢を諦めた女子高生の橘あきらは、バイト先の店長であるバツイチ中年の近藤に恋をする——。眉月じゅんの大人気コミックを実写映画化。

©2018「ラプラスの魔女」製作委員会