是枝裕和監督による最新作「万引き家族」の本編映像が、このほど披露された。リリー・フランキー演じる万引きで生計を立てている父・治が、ある団地から傷だらけの少女を連れ帰る模様を収めている。

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日雇い労働者の父・治(リリー)と妻・信代(安藤サクラ)、息子・祥太(城桧吏くん)、信代の妹・亜紀(松岡茉優)は、祖母・初枝(樹木希林)の年金を定収入として、今にも壊れそうな平屋で質素に暮らしている。治と祥太は万引き、亜紀はJK見学店でバイトをして生活費を稼ぐなか、治が団地で凍えている幼い少女・ゆり(佐々木みゆちゃん)を連れ帰り家族として迎え入れる。しかしある事件をきっかけに家族はバラバラになり、それぞれが抱える秘密と願いが明らかになっていく。

映像は、鮮やかな連係プレーで万引きを完遂した後、コロッケを買い食いしながら帰路に就く治と祥太の姿からスタート。「雪降りそうだな」と歩いていると、団地の廊下に少女がたたずんでいるのを見かける。治は「ねえ、どうしたの? ママは?」と問いかけるが、寒さに震える少女はただ首を横に振るだけ。祥太が「早く行こうよ、コロッケ冷めちゃうよ」と急かすのもかまわず、治は「コロッケ食べる?」と言葉を継ぎ、自身の家族が住む平屋へと連れ帰っていく。

「そして父になる」以後、是枝監督作品に3度出演してきたリリーは、今作では教養も甲斐性もない治役に。息子に教えられることといえば"盗み"くらいだが、情が深く、どこか憎めない父親像を体現した。是枝監督は起用理由について「(『そして父になる』の)あんなリリーさんをもう一回撮ってみたいと思いました」といい、「人間の中にあるちょっとした悪い部分、駄目な部分を表現するのが、リリーさんはすごく上手」と説明している。

4度目のタッグに対し、リリーは「2カ月くらいですけど、こんなに長く撮影したのは初めてで、撮影をしている間はこのまま終わりたくないと思いましたし、家に帰っても現場であの家族でいることの方が心地よかったんです」と振り返る。作品を通じ「家族って大変だな」と感じたそうだが、「今までの人生のなかで、一番家族を持ちたいと思った」と心境の変化も語っており、「是枝監督がまたすごいものをつくった」と大きな自信をのぞかせている。

「万引き家族」は、6月8日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開される。

リリーは作品通じ 「家族を持ちたいと思った」と告白