中国GDP日本を抜き、世界2位となったのが2010年のこと。
そんな中国経済世界2位まで引き上げた中心層が「新華僑」と呼ばれる中国人であることを知っているだろうか。

そんな彼ら「新華僑」の思考法・行動パターンを紹介している一冊が、時価総額4兆円企業中日首席代表の陳騰氏が執筆した『新華僑のスゴい仕事術』徳間書店刊)だ。

「新華僑」とは、革開放以降に中国を離れ、世界を股にかけてビジネスを展開している中国人のこと。
彼らは、それ以前に世界中に散らばり、各チャイナタウンを建設し、そのに根を下ろしてきた「老華僑」とは明らかに異なり、積極的にその経済圏に関わり、世界を視野に入れてアグレッシブ仕事するのが新華僑なのだという。

そんな「新華僑」のビジネス手法は、日本人ビジネスマンとも大きく異なると著者。そもそもの思考法や商売に対する勘所が違うのである。これを踏まえずに、中国とのビジネスに乗り出すと失敗してしまう。

では、日本企業が新華僑ビジネスと渡り合うには、どうしたらいいのだろうか。本書を紐といていこう。

■中国でのビジネス、失敗する人はスタートから間違える?

中国でのビジネスで失敗する人は、スタートの時点から間違っていると著者は述べる。問題は「パートナー選び」だ。
「自分は政府の高官に知り合いがいる。現地での顔つなぎは任せてください」というブローカーうまい話を信じて、大を払ってしまう人は成功できない。ところが、日本人の中にはいまだに「中国はコネ社会」という先入観を持ってビジネスに参入し、賄賂を渡して口利きしてもらおうと考える人もいる。そうして失敗してしまうのだ。

確かに、以前はすべての決定が政府や地方政府の高官とつながっていたため、認可さえ取れたら独占的に商売ができていた。そのため、裏で手をまわしてコネクションをつかむことも大事だった。

ところが、インターネットの発達から、コンシュマーユーザーが持つ情報量が増え、政府も視できなくなっている。
今、められているのは、「中国の消費者に何を提供できるか」だと著者。裏から手をまわして、政府高官の便宜をめるのではなく、現地の事情通や人脈に通じる存在にを払うことが成功に通じるになるというのだ。

では、その信頼できる存在とはどのように見つけるべきなのだろうか。

中国ビジネスを展開するときに欠かせないこととして、本書では中国法人の設立、現地の事情をよく知る中国人に経営の権限を当たることといったことがあげられている。ただ、現地法人の経営を任せた中国人が不足していて失敗したり、背任事件を起こすケースもあるという。

そうならないために、現地採用をしたとしても、その人物を1年ほど本社に呼びよせて仕事をさせることが必要だ。ビジネスは信頼が基盤となる。お互いが信頼できるまで向き合うことがまず大切なのだ。

また、スタッフを現地採用するときも、どういう基準で選んだらいいか悩む経営者や現地法人責任者は多く、多くの日本企業は、現地での人事問題で中国進出につまずくという。
その問題を最小限に抑えるために大切なこととして著者は、第一に身元の確かな社員を雇うことをあげる。これは、あらゆるルートを使って身元を確かめる必要がある。また、著者のおすすめの方法は、現地社員のを訪ねること。また、中国人は会社の同僚や上部下とも家族ぐるみで付き合う習慣がある。に招かれたときに、社員の家族をよく見る。家族と一緒にいるときが、最もその人の本質的な部分が見えるという。

経営者だけでなく、中国ビジネスをしたり、中国人と一緒に働いている日本企業ビジネスマンは多い。が違えば、仕事や生き方に対する考え方や価値観根本的に違うもの。本書から新華僑ビジネスを理解することで、中国とのビジネスに役立てるはずだ。

(新刊JP編集部)

『新華僑のスゴい仕事術』(徳間書店刊)