静岡県に拠点を置くスルガ銀行(沼津市)はシェアハウス関連の融資をめぐり、審査書類の偽造や改ざんを行員が認識しながら実行していたことを明らかにした。同行は収益力の高い地方銀行として知られてきたが、陰でずさんな融資を繰り返していた。経営の抜本的な見直しは不可避で、収益拡大にも急ブレーキがかかる可能性がある。

 スルガ銀は15日、経営破綻したスマートデイズ(東京)が運営するシェアハウス関連の融資について内部調査結果の概要を発表した。この中で、営業担当幹部が審査を担う部門をどう喝し、リスクの高い貸し出しを行っていたことや、顧客の年収が水増しされたものと知りながら、融資を判断していたことなどを公表した。

 消費者ローンとの抱き合わせによる契約や、申請書類の原本を確認していないケースもあったという。米山明広社長は15日の会見で、一連の対応について「増収増益にしないといけないというプレッシャーがあった」と釈明した。

 スルガ銀はこれまで、他の地銀と大きく異なるビジネスモデルで注目されてきた。地銀の多くが地元の中小・零細企業向け融資を中心とする中、首都圏や大阪市にも出店し、住宅ローンや消費者ローンを強化。2018年3月期の個人向け融資は全体の約9割に達した。個人向けは比較的高い金利が見込め、預金と貸出金の利回り差を示す利ざやは、2%台と一般的な地銀の2倍の水準となっている。

 しかし、軌道修正は避けられない情勢だ。スルガ銀の収益力を高く評価したこともある金融庁は4月、立ち入り検査に着手。麻生太郎金融相は17日の衆院決算行政監視委員会で「厳正かつ適切に対応し、行政の責任を発揮したい」と述べ、厳しい姿勢で臨む考えを示した。 

〔写真説明〕スルガ銀行本店

スルガ銀行本店