通勤電車でも自宅でも、気が付けばスマートフォンに手が伸びる。その時間を他のことに使えば、あれもこれもできたのに……。日々、そう感じている人は多いのではないだろうか。記者もその1人だ。

【その他の画像】

 そんな悩みを“気持ち”で解決するためのアイテムをベンチャー企業が開発した。スマホ内蔵の機能やアプリを利用するわけではない。そのアイテムは「付せん」だ。シンプルな文具にどのようなアイデアが詰まっているのか。開発したARUPaPaの河端伸裕社長に聞いた。

●スマホ画面を付せんで“封印”

 開発したのは、スマホ画面に貼ることができる付せん「スマホシマ箋」。一時的にスマホを付せんで“封印”し、そこに書かれたメッセージを見てスマホを我慢する、というアイテムだ。家族からのメッセージや自分を戒める言葉を書き込めるようになっている。それを見ることでスマホを見たいという衝動を抑えるという、シンプルなアイデアを形にした。

 2月にクラウドファンディングサイト「Makuake」でプロジェクトを実施。10万円の目標金額を達成した。このほど、同サイトの通販機能「Makuakeストア」で販売を始めた。

 開発のきっかけになったのは、あるとき公園で見かけた光景だ。小さな子どもをブランコに乗せている父親。その父親は、スマホの画面を見ながらブランコを押していた。

 「私も大学と高校に通う子どもがいますが、子どもと濃密な時間を過ごせる時期はあっという間に過ぎてしまいます。このかけがえのない時間をもっと大切に過ごしてほしいなという思いで、何かできないかと考えました」(河端社長)

 そこで考え付いたのが、付せんだ。「ついつい画面を見たくなる衝動は、画面を物理的に見えなくすることで解決できるのではないか」と考えた。さらに、手書きのメッセージによって気持ちに訴えることで、我慢する効果の向上を狙った。

●電話には出られる

 シンプルなアイテムだが、デザイン性や利便性を追求。付せんを画面に貼っていても、着信があったときには対応できるようにしている。上下に2カ所の穴が開いているため、付せんを貼ったままでも着信相手を確認して応答できる(4.7インチ画面のiPhone6、6s、7、8専用)。

 付せんの紙には、国産竹を100%使用した「竹紙」を採用。「国産材の有効活用に貢献している」というメッセージ性も大きな特徴だ。

 クラウドファンディングの出資者からは、「アナログがデジタルを封じ込めるのがナイス」「自分も使うけど、(周囲の)ママやパパたちにも配りたい」といった感想が寄せられているという。

 付せんは専用カバーに入れて、スマホと一緒に持ち歩ける。Makuakeストアでは、付せん20枚×2冊と専用カバーのセットで税込1200円で販売している。今後の販売については、「小ロットで量産しているため、現時点では卸販売が難しい」が、専門店や百貨店などから引き合いがあった場合は対応を検討するという。

 大切な人とかけがえのない時間を過ごす。自分の未来のために時間を使う。そうしたいと思っていても、行動を変えることはなかなか難しい。私たちの生活を豊かにするのは、案外小さなアイデアなのかもしれない。

スマホをついつい触ってしまう……。そんな悩みの解消をサポートする「付せん」をベンチャー企業が開発した