■首都圏・中京・京阪神の「出産・子育てに向く街ランキング」

働く女性が出産し、子育てするのに適した優しい街とは? 今回は育休後コンサルタント(R)の山口理栄さん監修のもと、首都圏・中京・京阪神の1都2府5県の特別区および市を独自評価し、「出産・子育てに向く街ランキング」を作成した。

ランキングは、自治体が出産と子育てに対してどのくらいサポートを行っているか、またそれがどの程度結果を出しているかを、働く女性に関わるデータを基に割り出した。具体的には、実際にその自治体でどの程度子どもが生まれているかを表す「合計特殊出生率」、その自治体の象徴である公務員の全管理職に占める「自治体の女性管理職比率」、実際に職場復帰後に安価で強力な支援となる「ファミリーサポートの使いやすさ」を各自治体ごとにランキング。また、情報がオープンかつ手軽に手に入ることを評価するため、自治体のホームページ上で、出産と子育ての行政情報が1つのページにまとまっていること、保育園の空き情報が確認できることを評価の主なポイントとして加算した。

さらに、待機児童数も考慮。山口さんは自治体を評価するにあたり、「働く女性に向く街の最重要ポイントは、やはり『待機児童』の多寡にあります」と断言。本ランキングでは、各自治体の人口密度と従来の待機児童数に、認証保育所などに入所したり、育休中や休職中の人の子どもの数を加えた「隠れ待機児童」の人数も勘案し、順位化を行った。

各地の特徴を見てみよう。東京では全体的に順位の高い中央区、隠れ待機児童数が比較的少ない北区が上位に。一方、人口増加が激しく、情報開示も進んでいる港区は、認可外施設である「港区保育室」で待機児童をカバーしているため、ぐんとランクを落とした。

都内で住む場所を選ぶポイントについて、「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは、「まず自宅と保育園が近いことが大切。また、港区や文京区など都心部は園庭がない認可園が多いので注意して」と話す。

東京以外で目立つのは、県庁所在地の隠れ待機児童の多さ。横浜市に至っては、本ランキングで一番、隠れ待機児童の多い市となってしまった。

埼玉は、ふじみ野市・新座市など南東部が軒並み上位になった。

■働くママに必要なのは、困ったときの備え

数字以外の部分で、出産・子育てに向く自治体を見分けるには? 山口さんは、ホームページから手続きできるなど利便性の高い病児保育施設と、夜間や土日祝日に開院している“小児科”があるかを挙げる。また、「お住まいの地域の男女共同参画センターでパパが参加できるセミナーを行っているかも判断材料です」(山口さん)。

さて、気になるのは「どこで保活をするか」だろう。住まいから考える保活のコツは。

「保育園に入れない駅ランキング」を公開しているスタイルアクト代表取締役の沖有人さんは「新築分譲マンションが供給されるエリアを外すこと」と話す。「典型的な例は江東区(東京)。一斉にマンションが供給されることになり、区はディベロッパーに保育園の建築協力費を負担させました。その費用は当然マンション価格に転嫁されたにもかかわらず、保育園はまだ足りないという状況に」

そんな事態は避けたい!という人は、住まい選びの際は近所に大規模マンションが多く建っていないかをチェック。「住まいサーフィン」では分譲マンションの分譲開始時期が過去にさかのぼって見られるので利用してみては。

調査概要 ランキングの指標については、厚生労働省「人口動態調査」(2012年)および「保育所等関連状況取りまとめ」(2017年4月1日)、内閣府「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」(2016年度)、総務省「国勢調査」(2015年)からの引用と各自治体ホームページを参照。また、ファミリーサポートの使いやすさについては、各都道府県にて把握する「依頼(利用)会員」「提供会員」「両方会員」の最新の数字をヒアリング調査し、サービスを依頼する人数と提供する人数との比率によって順位づけた。

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山口理栄
育休後コンサルタント(R)
2010年6月、育休後コンサルタント(R)として独立。法人向けに女性活躍推進コンサルティング、管理職や育休取得社員向けセミナーを年間200回以上開催。

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写真=iStock.com/Yagi-Studio