オラウータン
(C)Kim Kelley-Wagner / Shutterstock

昨年オラウータンの新種が発見されたものの、すでに絶滅寸前だったという悲しい状況だ。

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インドネシアスマトとボルネオにのみ分布する類人オランウータンは長期間、1種類だけだとされてきた。しかし、2001年以降は、スマトラとボルネオの個体群をそれぞれ別種とする分類が流となり『ボルネオオランウータン』と『スマトラオランウータン』の2種が知られるようになった。

ところが昨年の11月スマトラオランウータンのなかに、他種と較すると頭蓋の大きさやに特徴があり、体毛の色や質、遺伝子配列も異なる新種が発見された。このオランウータンの棲息する地域は、スマトの中北部で『タパヌリオランウータン』と名付けられた。

しかし、すでに命名時には残っている個体数は800以下と推測され、3種類のなかで最も少ないだけでなく、現時点で地球上に生存する大類人のなかでも最も深刻な絶滅危機にあると分かったのだ。

際研究チームによると、タパヌリオランウータンとスマトラオランウータンは、地理的に1万年から2万年ほどのあいだ隔離されてきたと考えられています。タパヌリオランウータンの細長い体格はスマトラオランウータンに近い一方で、体毛は細かく縮れていたり、ボルネオ産とべて濃いシナモン色の毛を持つなど、外見的な違いが分かってきました。また、社会的に優位なオスであることを示すホホのひだである『フランジ』の部分が柔らかな毛で覆われていることや、メスも口ひげを持つといった点もタパヌリオランウータンの特徴として挙げられます」(類人研究者)

 

オランウータンの「新種発見」しかし既に絶滅寸前

約15年間で半数以下に

最も個体数が多いボルネオオランウータンさえ、上の巣を集計したり、衛星画像から森林消失を評価するなどした結果、1999年にボルネオ20万頭から30万頭いた個体が、2015年には7万頭から10万頭に減ったことが分かっている。

「学術雑誌『カレンバイオロジー』に掲載されたオランウータン研究によると、この16年間で14万8500頭が減ったと推計され、2050年までにさらに4万5000頭減ると予想されています。森林破壊も原因になっていますが、減少の7割は密猟などで人に殺されたためとみられるのです。現地の人々がのための狩猟するほか、オランウータンが作物を食べに人里に出てきたときに殺されてしまうケースもあるのです」(同・研究者)

オランウータンの受難は続く。

 

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