1976年には巨人本、中日沢が史上最小差の「6糸」と僅差の勝負

 5月17日時点で、セ・パ両リーグの打撃ランキングには打率.350以上の打者が5人いる。

パ・リーグ
柳田悠岐(ソ).397
秋山翔吾(西).351

セ・リーグ
アルモンテ(中).365
坂本勇人(巨).359
坂口智隆(ヤ).354

 今季は打率.350ハイレベルな首位打者争いが見られるかもしれない。打率.350以上の選手が首位打者争いをしたのは過去13回ある。

1950年
藤村富美男大阪).362
小鶴誠松竹).355

1951年
川上哲治巨人).377
岩本義行(松竹).351

1954年
与那嶺要(巨人).361
渡辺博之(大阪).353

1976年
谷沢健一中日).35483
張本勲巨人).35477

1979年
加藤英司阪急).364
新井宏昌南海).358

1980年
谷沢健一中日).369
若松勉ヤクルト).351

1981年
藤田平阪神).3577
篠塚利夫巨人).3568

1982年
長崎啓二大洋).3510
田尾安志中日).3501

1986年
落合博満ロッテ).360
ブーマー阪急).350

2003年
小笠原道大日本ハム).360
谷佳知オリックス).350

2010年
青木宣親ヤクルト).358
平野恵一阪神).350

2015年
柳田悠岐ソフトバンク).363
秋山翔吾西武).359

 いずれも球史に名を残す錚々たる打者の名前が並ぶ。ハイレベルの首位打者争いは2リーグ分裂直後の1950年代前半、1970~80年代、そして2000年以降に集中している。また、左打者が圧倒的に多い。

パ・リーグ柳田が好調も…近藤を加えた三つの争いに?

 1976年は、日本ハムから巨人に移籍した史上最高の安打製造機、張本勲中日谷沢健一が挑戦。本は全日程を終了して.354771位だったが、その後の試合で、谷沢健一は4打数3安打の成績を残し大逆転で首位打者になった。打率の差は史上最小のわずか「6糸」だった。

 1981年阪神藤田平巨人篠塚利夫の首位打者争いも1厘以下のミクロの戦いだった。2015年には、ソフトバンク柳田西武秋山が熾な争いを演じた。8月までは両者ともに.370前後とハイレベルだった。最終的に柳田が勝ち「トリプルスリー」でMVPを獲得。秋山NPB新記録の216安打を記録した。

 今季は、柳田秋山のデッドヒートが再演されるかもしれない。さらに、今季のパにはもう一人役者がいる。日本ハム近藤健介だ。昨年は故障で戦線離脱したが、史上初めて100打席以上でのシーズン最終打率が4割をえた。今季も開幕から4割前後の打率キープ4月28日に筋挫傷で戦線離脱したが5月15日から試合に復帰している。

 現時点では規定打席未達だが、近藤打率は.365。3試合連続安打で少し数字を落としたが、ハイレベルな数字だ。柳田悠岐は.397、そして秋山翔吾は.351とハイレベルな三つの首位打者争いが展開される可性がある。セ・リーグも、アルモンテ、坂本勇人坂口智隆現在打率.350以上。1シーズン打率.350以上の打者が3人出れば史上初となる。ペナントレースもこれからヒートアップするが、バットマンレースにも注していきたい。(広尾 / Koh Hiroo)

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:荒川祐史】