“一流アスリート”と呼ばれる人は、学生時代から寝る間も惜しんでその競技の成績アップや技術向上を目指して鍛錬を繰り返し、大会での優勝や五輪でのメダル獲得を目指す。だが、いざ引退すると、いくら有名アスリートでも“稼げない”というのだ。

「いや、マジで稼げないっすよ」

 頭をかきながらこう語るのは現役時代、人気選手としてプレーしていたXだ。現在はメディアを中心に活動、それなりに稼ぎはあり「年収は8ケタある」というが、どこか顔は浮かない。現役時代に没頭した競技に絡んだ仕事が「ない」というのだ。

 事情に詳しいテレビ局関係者は「競技人口が多い野球、サッカーであればプロの試合が定期的にあるので、まずはそこでの解説者やコメンテーターを目指します。だけど、近年は中継回数が減っており、サッカーにいたってはほとんどネット放送のDAZNに移行。ギャラは下がる一方です」と明かす。

 一例をあげると「野球解説なら1試合10万から15万円前後。CS放送なら3割ほど引かれたギャラが提示されている」(同)という。

 そんな中、元アスリートたちがこぞって出演するのがバラエティ番組や情報番組だ。

「今はアスリートでもチームの裏話、現役時代には言えなかった暴露系のエピソードで番組が成立する。芸能人と違って、誰もが知っている選手がそれを言えば当然、影響力も大きいしウケはいい」(同)

 ただ、やり過ぎると「競技団体からクレームが入ったり、指導者として戻れないことも多々ある。だけど、そこをこなさないとメシを食べられないのもまた、事実。一部では実入りのいい番組ばかりをチョイスしてしまう人もいますけどね」(同)。

 先日も水泳で五輪金メダリストだった北島康介氏がバラエティ番組で社長業、マネジメント、水泳指導など、何足ものわらじを履きながら生活している姿が放送されたばかり。まさに“世知辛い”世の中である。

北島康介