中国製スマートフォンが世界の市場を席巻しつつある。東南アジアの2017年市場シェアは、広東欧珀移動通信(OPPO)の17.0%、維沃移動通信(vivo)の7.2%、華為技術(Huawei)の5.4%と、上位5社のうちサムスン電子の29.1%、アップルの4.4%を除くと中国メーカー3社の合計シェアは29.6%を占めたという。「一帯一路」の国策の推進につながると、中国政府系メディアが5月31日付で伝えた。シェアの調査データは、米調査会社IDCなどの報告という。

 たとえば、タイ・バンコクでは、ある携帯ショップの店員が「中国製スマホは性能が良く、評判も高い」と解説している。「消費者のクレームも少ない」と持ち上げた。カンボジアやミャンマーでも、消費者の間で中国製スマホがファッションとして人気化しているという。

 インドネシアでは今年3月29日、vivoブランドの新端末「V9」が発売された。巨額の広告宣伝費を投入したことで、若年層の多大な支持を獲得。また、OPPOの存在感も右肩上がりに高まっているという。

 一方、マレーシアのインターネット人口は2200万人を超えた。このうちスマホ所持者はすでに70%を超過している。中国製スマホの貢献度が大きいことは明白な事実で、世界の中でもスマホ普及率の急ピッチな上昇が目立つ地域だ。Huaweiは3月9日、マレーシアのネット通販業者を通じてサブブランド「栄耀9(honor9)」の若者向け限定版500台を発売したところ、わずか5分で完売し、現地のスピード販売記録を塗り替えた。

 世界のスマホ市場は、サムスンとアップルが2大勢力として大きなシェアを持っている。台湾の調査会社Trendforceによると、2017年12月末のシャアは、アップルが19.1%、サムスンが18.2%。これに次ぐのが、Huaweiの10.6%、OPPOの7.2%。さらに、小米(Xiaomi)6.6%、vivo5.5%となっている。アップルとサムスンの2強を除けば、上位は中国メーカーばかりだ。

 しかも、中国メーカーは4強にとどまらない。OPPOやvivo、Xiaomiよりも携帯電話市場での活躍が長いTCL、ZTEなど電気・通信機器メーカーがあり、さらに、近年急成長しているGionee(深セン市金立通信設備)、Meizu(魅族科技)などの新興勢力もある。いずれも高い技術力と大量生産のノウハウをバックに、中国国内市場のみならず、アジアへ世界へと羽を広げることをめざしている。

 特に、中国メーカーが浸透しているアジア地域は、世界の中でも人口が多い地域だ。13億人を超える中国、インドの他、インドネシア2.6億人、パキスタン1.9億人、バングラデシュ1.6億人、日本1.2億人、フィリピン1億人など人口が1億人を超える国々の上位12カ国のうち7カ国をアジアが占める。しかも、日本を除けば、アジアの大規模人口国は、これから1人当たりの所得が伸び、個人消費が急拡大していくことが期待される国ばかりだ。中国はその新興市場の中では先行するが、消費主導の経済は始まったばかりといえる。この巨大なマーケットで優位に戦いを進める中国勢は、一気にスマホ市場の覇権を握ってしまう可能性すらある。

 もっとも、2010年の創業からわずか4年で中国でNo.1のスマホメーカーとなったXiaomiが、2014年後半には失速し、Huawei、そして、OPPOやvivoにシェアを奪われたように、アジアで地歩を固めているメーカーが今後も安泰とはいえない。ただ、中国メーカーの後には中国メーカーが続いている。当面は、中国主導の市場づくりが続いていきそうだ。(イメージ写真提供:123RF)
アジアのスマホは中国製! サムスン・アップルに対抗して東南アジアで圧倒的存在感