2018年6月11日、株式会社ゼオシステム、「神奈川県医療機器コーディネーターネットワーク(MedeK、事務局は合同会社ソシオタンク)」は共同で、ゼオシステムが開発中のモバイル尿流量計「Freeflow(R)」を活用した、排尿障害の遠隔診療モデル確立のための実証実験費用を、クラウドファンディングサイト「FAAVO」の全面協力で開始したことをお知らせします。成立すれば、クラウドファンディングの資金による医療機器の実証実験が、神奈川県で初めて実現します。
                                           2018年6月11日

                                        株式会社ゼオシステム
                          神奈川県医療機器開発コーディネーターネットワーク
                                  (事務局:合同会社ソシオタンク)

「モバイル尿流量計」による新しい医療実現実証実験費用をクラウドファンディングで調達
「高齢者がトイレのことを気にしない世界」を目指す、排尿障害の遠隔診療モデル構築への挑戦

2018年6月11日、株式会社ゼオシステム、「神奈川県医療機器コーディネーターネットワーク(MedeK)」は共同 で、ゼオシステムが開発中のモバイル尿流量計「Freeflow(R)」を活用した、排尿障害の遠隔診療モデル確立のための 実証実験費用のクラウドファンディングについて、クラウドファンディングサイト「FAAVO」の全面協力で開始したことをお知らせします。成立すれば、クラウドファンディングの資金による医療機器の実証実験が、神奈川県で初めて実現します。

[開始の背景]
人口減少とともに高齢化が急速に進む日本は、2025年には65歳以上の高齢者が人口の30%を越えると予想されています。その高齢者の多くの方が、日常生活で悩むことのひとつが「トイレの悩み」。「おしっこが近い」「夜間にトイレに起きる」「もれる」「勢いがない」「時間がかかる」など、トイレの問題(医学的には排尿障害と呼びます)で悩んでいる人が、実は多くいらっしゃることが明らかになっています。日本排尿機能学会の調査によると、夜間頻尿がある人は4,500万人、昼間頻尿は3,300万人、おしっこに勢いがない人は1,700万人、おしっこがもれる人は1,000万人います。いずれの症状も年をとるにしたがって増え、60歳以上では78%が何らかの排尿の問題を抱えていることが報告されています(排尿に関する疫学的研究、日本排尿機能学会誌 14(2), 266-277, 2003)

このように軽視できない排尿障害ですが、受診率は非常に低い率にとどまっています。とある都道府県の女性への調査では、尿もれを経験した人のうち受診した方はわずか8%、治療にいたった方はさらに少なくわずか5%だったそうです。尿もれに関して言えば、専門の医療機関にかかれば80%の方が良くなるといわれていますので、まずは病院に行き治療を受けていただくことがとても大切です。
しかし排尿障害の病院への診察、そして病状を調べる排尿検査のハードルは、残念ながら低くありません。場合によっては診察室の横、カーテン1枚でしか仕切られていない中で検査のために尿をしなければならないこともあります。患者が緊張や恥ずかしさを感じ、結果として検査がうまくいかないことも少なくありません。

(左)現在使用できる試作機      (右)製品版の3Dモデル(医療機器届出済クラスI14B3X10023000001)

このハードルを乗り越えるため開発されたのが、モバイル尿流量計「Freeflow(R)」です。自宅でリラックスした状態で、複数回尿流量の測定が可能なデバイスであり、データは閲覧用ソフトへBluetooth経由で転送可能で、データの精度も、排尿量測定においては尿重量検査との相関係数が0.98という結果が出ており、検査機器としての精度は確保されています。なおこのデバイスに開発協力しているのは、長年日本の泌尿器疾患治療を先導してこられた日本赤十字社医療センターの本間之夫院長(元東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)です。
このデバイスを活用することで、患者さんにとっては恥ずかしくなく、自宅でリラックスした状態で検査ができ、医師にとっては診察に活用できる良質なデータが豊富に得られます。それはすなわち、排尿障害に対するより質の高い診療が行えるということであり、自宅にいたまま病状の申告が行え、医師が遠隔で評価できるという意味では、機能の改良が必要となりますが、将来の遠隔診療モデルの構築も見え、排尿障害の受診率を上げられる有効な手立てになる可能性があります。
(左)本間之夫先生日本赤十字医療センター病院長、元東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)
(右)ゼオシステム下川社長らとともに

神奈川県域での医工連携を振興させる役割を持つ「神奈川県医療機器開発コーディネーター」の連携組織「MedeK」 は、このデバイスのこうした可能性を評価し、本格的な臨床試験の前に、排尿障害の治療に取り組まれている医療機 関を複数集め、実際の診療プロセスにおける Freeflow(R)の有用性・実用性を検証する実証実験を企画し、運用・事務を行います。また、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略特区・国家戦略特区における中核事業の一つとして、 横浜国立大学が神奈川県からの受託事業として開設した「かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター (MDRS)は、この実証実験への技術協力支援を行います。 実験費用はクラウドファンディングサイト「FAAVO」で 募集を行い、成立次第、多施設における実証実験を開始、本年度中の成果発表を目指します。

(左)かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター(MDRS)の皆様

[実証実験の概要]
現在開発中のFreeflow(R)β版※1を使用し、実験参加医療機関(主に神奈川県内のクリニックを予定)へ一定期間貸与。医師が受け持ちの排尿障害の患者(複数)に、自宅におけるご自身によるFreeflow(R)での尿流量の測定を1週間程度お願いします。患者さんは病院での検査を受けることなく、自然なタイミングで、リラックスできるご自宅で測定を行います。Freeflow(R)は100回程度のデータを機器内に保存可能で、貸出期間終了後、次の診察時に患者さんからFreeflow(R)を受け取り、中にあるデータをWindows対応の閲覧ソフトへインポートし閲覧。データの確認と評価、治療の効果を確認します。※2
現状のFreeflow(R)のない診療プロセスでは、クリニック内で単回の検査を行い、そのデータで治療効果の評価を行いますが、患者さんがご自宅でFreeflow(R)をお使いいただくことで、医師はより多くのデータを見ることができるようになります。1日の中での変化、数日にわたる連続的な尿流量の推移を見ることで、排尿障害の病態評価、治療効果の評価をより緻密に行えることが期待されます。

(参考:尿重量法との相関係数)

横浜市立大学 医学群 健康社会医学ユニット 山末耕太郎特任講師が実施した試験データより
上:排尿量に関しての重量法との相関 下:実際のデータ(一部)。2018年3月実施


実証実験の運用・事務は、神奈川県医療機器コーディネーターの連携組織である「MedeK」が行い、「かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター(MDRS)」は技術協力支援を行います。
なお、今回の実証実験についてクリニック様の新規ご参加を若干受け付けております。ご関心のある場合は、以下連絡先までご相談ください。

※1製品版ではないものの、測定値の精度は現状の尿重量計との相関係数が0.98であることを確認済
※2製品版に向けては、スマートフォン用アプリを開発し、アプリ経由で機器からインポートすることなくネットワーク経由でデータを送付することを目指します。


[実施するクラウドファンディングについて]

FAAVOで開設したクラウドファンディングのページ
https://faavo.jp/kanagawa/project/2726

「トイレの悩み」を軽減し、高齢者がいつまでも外出を楽しめる世界へ。
高齢者が激増する日本で、高齢者のうち78%もの方が悩むといわれる「排尿障害」、おしっこの悩みの対応は喫緊の課題です。ご自宅で尿流量検査できるデバイスを普及させ、それを基に遠隔で医師が診断、対処できるスキームを検証する実証試験を行いたい。

実証実験資金を調達するクラウドファンディングは、地域課題を解決することに注力するクラウドファンディングサ イト「FAAVO」で行います。2018年3月時点で77の地域において、地域の様々な方々と協働してクラウドファンディングサービスを展開しています。
今回は開発中の機器で実証実験を行うための費用として、関連費用含め65万円の目標額を掲げ、目標額を越えた場合は、実証実験実施施設の規模拡大、またはFreeflow(R)の改善に必要な開発費用として充当する予定です。



[株式会社ゼオシステムについて]
1990年に創業し「人と環境に優しい製品づくり」を目指して参りました。
光と磁気を利用するシステム機器の開発を通し、お客様の様々な課題を解決する技術支援をしております。長く培ってきた光と磁気の技術を用いて医療機器の開発に参入、平成27年より東京大学医学部本間教授(当時)に技術指導を、かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンターに研究開発・評価の技術協力支援を受けて「ポータブル尿流計Freeflow(R)」を製作する研究開発を進めています。

[かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター(MDRS)について]
我が国の先端科学技術に基づく医療機器の研究開発、人材育成、医薬品医療機器等法承認の支援、地域・産学官・医工・文理・国際連携による医療機器のグローバルビジネス、社会サービスをレギュラトリーサイエンスに基づき推進するために、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略特区・国家戦略特区における中核事業の一つとして、平成26年度より、横浜国立大学が神奈川県からの受託事業として運営しています。

[神奈川県医療機器開発コーディネーターネットワーク(MedeK)について]
平成26年度から3カ年にわたって、神奈川科学技術アカデミー(現:神奈川県立産業技術総合研究所)が開催した「神奈川県医療機器開発コーディネーター教育講座」修了者の連携を目的として発足した任意団体です。県内各団体との協働で医工連携を促進し、ヘルスケア・医療分野のイノベーションの一端を担おうと取り組みを進めています。事務局は合同会社ソシオタンクが運営しています。

配信元企業:合同会社ソシオタンク

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