6月10日に放送されたアニメ「HUGっと!プリキュア」(テレビ朝日系列)の第19話が話題になっている。作中に「女の子ヒーローになれる」「男の子だってお様になれる」とこれまでのジェンダー観を覆すような台詞が出てきたからだ。

ストーリーは、デザイナー吉見リタファッションショーに向け登場キャラ一丸となって準備するというもの。リタは、「女の子だっていっぱい活躍できるのよ」と話し、ファッションショーサブタイトルを「女の子ヒーローになれる」とした。

「僕は自分のしたい恰好をする。自分で自分の心に制約をかけるのは人生の無駄」

プリキュアはテレビ朝日系列で放送中

しかしショーに出演予定だったえみる・正人は、「ヒーローって男のための言葉だよ。女の子は守られる側だ。言葉は正しく使わなきゃ。女の子ヒーローにはなれない」と反発。えみるの出演をやめさせようとする。

そこへ主人公・野はなが駆け付け、「の心にだってヒーローはいるんだよ。人の心を縛るな」と正人に反論した。若宮アンリという男の子のキャラクターいドレスを着て現れ、

は自分のしたい恰好をする。自分で自分の心に制約をかける。それこそ時間、人生駄」

りかけた。

その後、正人は悪の組織クラアス社」によってモンスター、オシマイダーにされてしまう。オシマイダーは、ショーの会場に乗り込んでアンリを捕まえるのだが、「これ、おポジションになっちゃてない?」と言うアンリに対し、プリキュア変身した野はなは、

「いいんだよ。男の子だってお様になれる」

と言い放った。

「女の子だって暴れたい!」からスタートしたプリキュアシリーズ

アニメにありがちな、敵に捕まった女の子を助けるために男の子が戦う、という展開とは逆だ。旧来の「男らしさ」や「女らしさ」に疑問を投げかけ、多様性を認めようとする放送内容に、ネットでは「神回」と称賛のが相次いだ。

「男も女も関係ない。男らしさ女らしさに縛られない。ジェンダーに縛られる世の中じゃ生きにくいもん、みんながそう考えてくれるようになればいいのに」

2004年に始まったプリキュアシリーズは、今年で15年を迎えた。初代プロデューサー鷲尾天さんは、企画書に「女の子だって暴れたい!」と書いたという。当初から、"おしとやかな女の子像"を打ち壊すようなコンセプトで始まったのだ。

そんなプリキュアの特徴の1つが、アクションシーン。従来の女児向けアニメの多くが"魔法もの"だったが、プリキュアでは女の子変身し、敵と殴る蹴るの格闘戦を繰り広げている。そういう意味では、旧来的なジェンダー観からの解放がずっと根底にあったと言える。

今作の「HUGっと!プリキュア」では、主人公・はなの庭は共働きで、プリキュアの1人である薬師寺さあやの庭は母親女優父親が専業夫と家族への固定観念をも覆すような内容になっている。

また、「ワンオペ育児」が社会問題となる中、"皆で支えあう育児"が描かれたりしている。プリキュアシリーズは、家族やジェンダーに関する偏見から視聴者自由にしてくれるアニメなのだ。