【シンガポール時事】史上初の米朝首脳会談の舞台となったシンガポール。「ホスト国として世界平和に貢献」(バラクリシュナン外相)するという目標を掲げるとともに、朝鮮半島の平和への転換点となった地として歴史的名声を残せるよう会談の成功に尽力してきた。

 リー・シェンロン首相は10日、記者団に「両国から首脳会談のホスト国を務めてほしいと要請された際、われわれはノーと言えなかった。われわれにはそれができる能力があり、しかも、いい仕事ができるからだ」と自信を見せた。

 今回の首脳会談をめぐっては、韓国の宋永武国防相が「成功すれば、冷戦終結をもたらした1989年の米ソ首脳によるマルタ会談に匹敵する」と期待感を表明。リー首相と10日会談した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長自身も「首脳会談が成功すれば、シンガポールの協力は歴史に名を残す」と述べた。

 北朝鮮にとってシンガポールは経済発展のモデルとなる国だ。正恩氏はバラクリシュナン外相に「首脳会談のあるなしに関係なく、とにかくシンガポールに来たいと思っていた」と語ったとされる。リー首相は正恩氏との会談で「朝鮮半島の発展」について協議したと説明しており、米朝会談が成功すれば、北朝鮮の経済発展に協力する考えを伝えたとみられる。

 シンガポール政府は首脳会談の費用として、北朝鮮代表団のホテル宿泊費を含め、約2000万シンガポールドル(約16億円)を負担。リー首相は地域の安全保障につながる国際的努力には支出を惜しまない考えを示している。