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 インターネットに接続して遠く離れた場所の様子を伺い見ることのできる、P2P機能搭載のインターネットカメラは数多い。

 筆者も自宅リビングの出窓の外に取り付けた防水仕様の「スマカメ アウトドアQR300」と、自室を180度の広角ですみからすみまで常時見守る「スマカメ180」の2種類を常時設置して、自宅周辺や自室内を見守っている。

 それら2台に加えて、必要に応じて室内外のどこにでも自由に持ち歩いてWi-Fiの通じる範囲ならどこにでも設置できる“どこでもモバイルWi-Fiカメラ”として、「スマカメQR10」と大型モバイル電源を組み合わせた大きめのDIY型のモバイルスマカメを勝手に作って使っている。

 そんな折、玄関ドアの外側に取り付けて、住人が在宅していなくても、世界中のどこにいても訪問者の様子を確認できて会話できる便利な呼び鈴機能付きの「SpotCam-Ring」(以降、ドアカメと表記)という商品が発売された。

呼び鈴付きネットワークカメラ「SpotCam-Ring」

 パッケージには、ドアカメ本体、室内に設置するACプラグ付きのチャイムスピーカー、防水ゴムステッカー、壁面取り付け用のスリーブアンカーとネジ(各4個)、取説(日本語)、保証書となっている。

 別途、ユーザー側で用意するものとして、駆動用のバッテリー(単3アルカリ乾電池4個)、訪問者の記録に使用するmicroSDカード(最大32GB)がある。

 まずは単3アルカリ乾電池4個をドアカメ本体にセットして、スライド開閉式のフタを確実に閉める。

 設定後はフタを不用意に開けるとアラームが鳴り、サーバーに連絡が発信される仕組みだ。

 続いて室内の壁面ACコンセントにチャイムスピーカーを接続し、訪問者録画用のmicroSDカードを挿入。Wi-Fiルーター、ドアカメ、チャイムスピーカーの3つを比較的近距離に置いて導入設定作業を行なう。

 ドアカメの設定はスマカメシリーズやほかのSpotCamシリーズ同様極めて簡単だ。まずはスマホに「SpotCam」クライアントアプリをダウンロードする。

 iOSとAndroidがサポートされているので、自分のスマホに対応したアプリを導入して起動する。

 そしてSpotCamシリーズはクラウドサーバーを使用するP2Pカメラなので、無料のアカウント登録が必要だ。 

 すでに別のSpotCamを使用中のユーザーなら、そのアカウントをそのまま使用できるので、アプリ経由でログインし、新しいカメラの選択と追加を行なう。

 今回は「SpotCam HD」というモデルを選択する。 設定手順はSpotCamアプリのガイドに従って進めば完結する。

 基本的には、SpotCamアプリの導入されたユーザーのスマホとSpotCam HDをWi-Fiで接続し、その後SpotCam HDを自宅に設置したWi-Fiルーターと直結することで設定は終了する。

オートロック付きマンションでは
あまり使う意味がないが……

 筆者の住むマンションは、よくあるオートロック式のインターフォンが設置済みの集合住宅だ。来訪客は基本的にマンション1階のインターフォンで訪問する目的の部屋番号をテンキーで押し、訪問先を選択して呼び出す。

 そして、自宅にいる時は居留守を使わない限り住人が応対し、1階にある玄関扉をリモートで開くと、自室玄関まで訪問者は来る仕組みだ。

 こういう仕組みでは、集合住宅全部でドアカムのような仕組みを一括採用しない限り、なかなかドアカメの登板機会は少ない。

 今回は、玄関ドア横には集合住宅の統一規格であるインターフォンが設置されているという前提で、あえて自室玄関先の音声だけのインターフォンに加えてドアカメを並列設置してみた。

 オートロックで目的の家の許可を得て集合住宅内に入ってきた訪問客をドアカメでシカトすることは矛盾するが、今回はそのあたりは無視して、あくまで戸建てやオートロックのない環境を前提で考えた。

 実際にオートロックと連携しない玄関先の個別インターフォンの2段構えになっている集合住宅は多いと思うが、訪問対応に慣れている宅急便業者などは、基本的には全戸に同じように付いている標準的なインターフォンを押すことが一般的だ。

 追加したドアカメを使ってもらえるようになるまでは、訪問者側に少しの時間と慣れの期間が必要だろう。

 一方、全棟で統一された仕様のオートロックインターフォンシステムではなく、玄関先に個別の音声専用インターフォンが取り付けられたような集合住宅や戸建て、アパートではドアカメへの置き換え、追加の貢献度は極めて高いだろう。

 統一規格で先進的であったはずの集合住宅のオートロック映像インターフォンシステムが、新しくドアカメを設置した戸建てにシステム的に一気に抜き去られるイメージだ。

両面テープで玄関のドアに取り付ければ
映像付きインターフォンとして使える

 さて、実際のドアカメの取り付けだが、筆者はドアカメを玄関ドア(鉄製)本体の外側に、かなり強力な3Mの両面テープでくっ付けた。

 この両面テープは、以前、スマカメ180の取り付けベース金具を自室壁面に取り付けるために使用したものと同じで、スマカメ180はすでに取り付けてから半年が過ぎているがビクともしていない。

 実際に玄関ドアに取り付けたドアカメの呼び鈴ボタンを訪問者が押すと、ドアカメに連携したスマホを所持しているユーザーの画面に、現在、ドアカメの前にいる訪問者がアップで投影される。

 スマカメの持ち主が自宅内にいるかどうかはまったく問題ではない。室内ならトイレの中にいる時でも、近所のカフェに出かけている時も、時には日本を大きく離れた海外の出張先ホテルにいてもまったく関係なく来訪者を確認できる。

 画面上に表示されている選択肢は「見る」(応対する)か「無視」のどちらか。見るを選択するとスマホを使ってスカイプのように玄関先に来ている訪問者とリアルタイムの会話ができる。

 ネット電話との違いは、ドアカメは基本的に映像型インターフォンなので、こちらから訪問者を確認、観察することはできるが、訪問者は一切こちらを見ることができず、あくまで単なるインターフォンとして動作することだ。

 訪問者の映像の動画撮影をしたり、覗き見のように、相手に悟られないようにこちら側の音声のミュートも行なえる。

 会話が終了したら赤いオンフックボタンを押すことでインタフォーンを切断できる。また、実際に訪問者がドアカメの呼び鈴を押した記録(ログ)はその時の画像とともに、指定したメアドに自動的に送ってくれるので事後に来訪に気が付いても大丈夫だ。

 ドアカメはSpotCamシリーズのカメラの1つなので、スマホから見るためのアカウントは同一のクライアントアプリを使用できる。

 そのため、すでにSpotCamを愛用しているユーザーなら、自分のアカウントに新しくドアカメ専用の画面が追加される感覚だ。お好みのSpotCam公開映像なども同列に並べて見られる。

置き場所が自由なインターネットカメラ
としても使える

 ドアカメがめちゃくちゃ面白くて意義深いのは、先進的な“呼び鈴付きの映像インターフォン”という位置づけだけではなく、乾電池駆動して遠隔監視もできる“どこでもネットカメラ”というオマケ的ながら価値のある使い方ができることだ。

 筆者宅ではペットの監視カメラとして大活躍している「QR10」+「大型モバイル電源」で実現しているどこでもモバイルWi-Fiカメラの置き換えに使えそうな点に強く注目している。

 実際にワンコや猫は宅内を自由に歩き回り、寝て、家人の留守中はどこにいるかまったく見当もつかない。

 すでに自室内に複数のネットカメラを取り付けている筆者宅でも、家族のみんなが集まり出入りするリビングルームには、たとえセキュリティー管理があるとはいえ、外部から監視できる常設カメラを取り付けることには反対の声が強い。

 そんな時に、留守中ワンコが最もいる確率の強いリビングに設置する一時的な監視メラとしてドアカメは最高・最適なネットカメラだ。

 実際に家族全員が出かける時に、ワンコのベッドが見えるリビングの床にドアカメを設置してみた。

 出先からドアカメにアクセスして確認してみたら予想通り我が家のワンコ「ボビー」は爆睡中だった。

 そして、遠隔監視している間の動画映像は、チャイムスピーカーに内蔵したmicroSDカードに録画される便利さ。別途、オプション契約でクラウドサーバーによる記録サービスも選択可能だ。

画質もきれい! ただし夜間撮影はモノクロ

 ドアカメは筆者が出窓の外に取り付けているスマカメ・アウトドアより30度ほど広角の130度(200万画素)というスペックだ。IP54(防水・防塵)対応で、夜間の玄関前の見守りも完璧。

 相変わらずリビングには置いてもらえないネットカメラなので、筆者のドアカメは普段、本棚の一番上の段に仮設置している。

 出先からアプリを起動してスマホ画面で眺めても、極めて近景もきれいに見え、スマホ画面をピンチアウトして拡大しても満足のいく映像はなかなか快適だ。

内蔵バッテリーの消費も少ない

 先週、恒例の「COMPUTEX TAIPEI 2018」で台湾のホテルにいた筆者は、日本にいる家族からの呼出音に驚いた。家族には、何かあればこのボタンを押せばいつでも出るよ! って伝えておいたので、それを実践したようだった。

 ドアカメは、ボタンさえ押せば、ドアカメと紐付けされたスマホを所持している人(複数も可)の画面上に先ほどの呼び出し画面が表示される。

 これはドアやドア横に取り付けたドアカメ本来の使い方ではないが、特定の個人をすぐに呼び出したい人が、目的の相手を超簡単なボタン一発で呼び出すことのできる画期的なシステムだ。

 家族からの呼び出しを台北のホテルで受け取った筆者は、ごく普通のテレビ電話のように話して用事を済ませて電話を切った。

 誰が見ても呼び鈴だと認識できるボタンを押すだけで、あらかじめ設定した相手のスマホに呼び出し着信が実現できるシンプルな仕組みは極めて価値がある。

 自宅で帰りを待つ留守番中の小さな子供や、スマホ操作の難しいベッドで過ごす時間の多い高齢者などのために、対象先を設定済みのドアカメを常時使えるようにしておくことは極めて便利で使途は多種多様だろう。

 我が家にドアベルを導入して約1ヵ月ほど経過した。クライアント側のアプリを見る限り、ドアベル内部のバッテリーの残量はまだ3分の2ほど残っているようだ。

 基本的には常時電源オンではなく呼び鈴を押された時と、オーナーがスマホでドアベルのカメラが捉えている現在状況を確認すべくアクセスした時、それらに付随する録画などの場合のみバッテリーを消費する割り切った仕様なのが功を奏いているようだ。

3通りの使い方ができる便利な次世代ドアベル

 ドアカメは、本来の、どこにいてもスマホで応対できる“玄関カメラ”というメイン機能に加えて、Wi-Fiの通じる範囲ならどこでも移動して設置して監視できる“どこでもWi-Fiカメラ”、そして玄関先には設置せずに必要な個人が常に身近に置いて、ボタン一発でいつでもリンクされたスマホの持ち主を呼び出せる便利なアイテムとして活用できる。

 ドアカメはそんな3通りの活用法が考えられる超便利な新世代ドアベルだ。

ドアチャイム一体型ネットワークカメラを衝動買い