ドラゴンが戦闘機に擬態する設定が話題のTVアニメ『ひそねとまそたん』から、甘粕ひそね役の久野美咲と、貝崎名緒役の黒沢ともよが登場。作品の魅力や見どころはもちろん、Dパイ(ドラゴンパイロット)たちが歌うフランス語のEDテーマ「Le temps de la rentrée~恋の家路(新学期)~」の収録秘話を聞いたインタビューが、アニメディア6月号に掲載された。「超!アニメディア」では記事内でお届けしけれなかった部分を含めたインタビュー全文をご紹介する。

──おふたりが声を担当する女の子について、演じて見ての印象は? 貝崎名緒は、甘粕ひそねから「小学生ヤンキー」と呼ばれていたりしますけど。

黒沢
 小柄の茶髪で、登場時にはちょうどグレてしまっているときです。役が決まったときは、目つきと口は悪いけど、茶髪でかわいいなって思っていました。

──ひそねは、どうでしょうか?

久野 悪気なく思っていることをズバズバ言ってしまって、周りを傷つけることも多いのですが……それだけ嘘がつけない、素直で正直な子と捉えることもできますよね。ある意味、信頼して付き合える子だとも思えます。

──ひそねは、セリフ量が多くて早口でまくしたてますよね。

久野 はい。アフレコは大変です。普段はゆっくり話すほうなので……。

──今もゆっくりですもんね。

久野 今は取材中だから、これでもスイッチを入れてるほうなんです(笑)。プライベートはもっとゆっくりなんです。なので、ひそねになりきらないと、あんなに早口にはしゃべれません!

──おふたりが考える作品の魅力は?

久野 個性的な登場人物たちによる会話が見どころかなって思います。Dパイ同士の会話も、最初は言葉のキャッチボールにすらなっていません。ですが会話でお話が進んでいくうちに、どんどん心の距離が縮まっていくんです。会話を軸にして、それぞれの心情や関係性も変わっていく、そのうつろいが、すごく魅力的だなって思います。

黒沢 背景の美しさ、美術の方の偉大さに感動しました。キャストが補えない空気感を、すべて作ってくださっていて。たとえば空の感じや、季節がわかる新緑の感じとか。私たちが、精一杯演じたものと、美術さんたちが丁寧に作り上げてくださった背景が、合わさっって、より届くものになったと感じます。何となく観ているとスルーしてしまうかもしれないけど、この作品の背景の力はとても大きいと感じました。

──そして、みなさんが歌うフランス語のEDテーマ「Le temps de la rentrée~恋の家路(新学期)~」も注目どころですね。

黒沢 まず、EDテーマを私たちが歌うことにおどろきました。

久野 そして何でフランス語? って。

──何でフランス語だったんですか?

黒沢 「オシャレだからよくない?」って、かんじだったみたいです(笑)。

久野 本編では日本語で話しているので、フランス語をしゃべるひそねが想像できなくて、最初は戸惑いました。

──フランス語は聴き馴染みもないので、発音とか難しかったですよね。

黒沢 そこはキャラソンなので、そこまで厳密にならなくてもいいっていう逃げ道があって(笑)。じつは、私は「フランス語なんて困ります!」って、休憩中に冗談で監督たちに言ったんです。そのときに「温泉にいって、カラオケ大会をやるノリでいいから」って言われて。それこそビールを一杯ひっかけて歌うくらいのノリでいいんだと思って、そうしたら少し気が楽になりました。

久野 レコーディングのときに、どんなふうにひそねたちがフランス語の曲を歌っているのか質問したんです。そこをクリアにしておかないと、心の置きどころがわからないと思って。そうしたら、「岐阜基地の近くにあるカラオケ店に行って、みんなで盛り上がってる感じ」と言われたんです。そこからイメージできて、歌いやすくなりました。

──フランス語は呪文のようで、歌う以前に言うのだけでも大変そう。

黒沢 もう、ナイーブになりましたよ。

久野 ともよちゃんから「レコーディング行ってきます」って、怯えたスタンプと一緒に連絡がきました(笑)。「元気出して」のスタンプを送りましたよ。

黒沢 本当に超緊張したんです。

──歌詞の訳詞はごらんになって?

黒沢 私は訳詞どころではなくて(笑)。

久野 〝新学期には夏の大空に飛び立ってまたキスをする〟という歌詞の部分が素敵だなと思いました。ひそねがまそたんに愛情を示すシーンが今後出てくるんですけど、それを思い浮かべて歌いましたね。〝あなたなしのバカンスなんてあり得ない〟という意味のフレーズもあって。〝まそたんなしの人生はあり得ない〟という気持ちで私はひそねを演じているので、その気持ちにぴったりでした。歌詞の恋人をまそたんに置き換えてイメージすると、すごく歌いやすくなりましたね。

──あと、毎話歌っているキャストの組み合わせが、変わるのも面白いですね。

黒沢 そうなんです! 最初は5人全員で歌ったものを毎回使う予定だったみたいで、ひとりひとり本線(主メロ)とハモリの2本ずつを録っていたんです。それで美咲ちゃんが最初に録って、私が2番目に録ったんですけど……。私が録ったあとに、まずは2人分を重ねて聴いてみようということになって。それで、ひそねと名緒がふたりとも本線でハモリがない組み合わせを聴いたら、「けんかしているみたいに聴こえる」と樋口さんがおっしゃっていて。でも、ひそねが本線で名緒がハモリの組み合わせでは、「仲がよくなった感じに聴こえる」ということになって、「じゃあストーリーの展開に合わせて、組み合わせを変えたら面白いんじゃないか」ということになりました。

久野 2話は、ひそねと名緒さんの距離がまだあるから、声を左右に振り分けていて、3話で仲良くなったあとは、ちゃんと1本に混ざって聴こえるようにミックスしてくださっています。4話以降はDパイが増えて、組み合わせも幅広くなっていくので楽しみにしてほしいです。

黒沢 実はソロバージョンが流れる人もいるらしく誰かの歌も含めて、私はその回がくるのがすごく楽しみです。

久野 曲は同じですけど、組み合わせによって雰囲気が違って聴こえるので、すごく面白いですよね。

黒沢 あと私は、EDの映像もすごい好きですね。くねくねとダンスしてて。

久野 そうそう。初めて観させていただいたときは、ふたりで笑ってしまいました。でもみんな楽しそうに踊ってるから、「カラオケで楽しんでる」という状況が、すごく理解できました。私たちもあのダンスを、踊れるようになりたいね!

黒沢 うん。イベントで歌いながら踊りたい! みさきちゃんできる?

久野 できるかな〜(笑)。みなさんも、ぜひ歌詞やダンスも覚えて、一緒に歌って踊っていただけたらうれしいです。

──ちなみにCM前の「ひそまそ〜ひそまそ〜」と歌ってるのは?

黒沢 あれも私たちで、EDテーマを録ったときに、一緒に録りました。ここも注目してもらえると楽しいと思います。

──では最後に、今後の見どころと観てくれる方へのメッセージをお願いします。

黒沢 現代社会において、自分がやりたいことができなかったり、自分がその器じゃないことがわかったとき、その場所に居続けて違う生き方を選べる人は、きっと少ないように感じています。たぶんほとんどの人は、転職すると思う。そのなかで名緒は、どういう選択をするのか。それを実社会に照らし合わせて、何かを感じ取ってくれたらいいなと思います。リアルなペースで、彼女は自分の気持ちに整理を付けていくので、ゆっくりですけど彼女の決断を見守ってほしいです。

久野 ひそねは、人と関わらないように生きていくと決めて空自に入ったのに、まそたんや、名緒さん、Dパイのみんなとの出会いがあり、彼女を取り巻く環境がうつろいでいきますよね。やっぱり、誰とも関わらず仕事をしたり生活することはできないんじゃないかと、改めて気付くことができます。人付き合いが苦手だったり、人と関わることが面倒だと思うことは、きっと誰しもあると思います。そんななかでも一緒にいることが楽しいと思える仲間や、仲間がいるからこそ頑張ろうと思える目標や夢を持つのもいいな、って思わせてくれる作品です。きっとみなさんの実生活に置き換えて考えたり、共感できるものがあるはずです。楽しみながらご覧になっていただけたら、何より嬉しいです。よろしくお願いいたします。

〈RELEASE INFORMATION〉


ED テーマ 
「Le temps de la rentrée 〜恋の家路(新学期)〜」
Dパイ【甘粕ひそね(声/久野美咲)、貝崎名緒(声/黒沢ともよ)、星野絵瑠(声/河瀬茉希)、絹番莉々子(声/新井里美)、日登美真弓(声/名塚佳織)】
販売元/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
発売中
DVD付盤:1,944円、通常盤:1,294円(各税込)
 1966年にフレンチポップ歌手のFrance Gallが発表した「Le temps de la rentrée~恋の家路(新学期)~」を、ひそねたちDパイが5人がカバーした、前代未聞のキャラソンEDテーマ。レトロな雰囲気と、聴いていると思わず体が動いてしまうノリのいいサウンドが、物語と絶妙なミスマッチでクセになる。さまざまなキャラクターの組み合わせやソロバージョンが存在し、計10バージョンがある。キャラクターごとに、フランス語の発音や曲に対するノリ方がさまざまで、聴き応えたっぷり。

<TVアニメ「ひそねとまそたん」情報> 
TOKYO MX にて毎週(木)24:00~ 
BS フジにて 毎週(木)24:00~ 
岐阜放送にて 毎週(木)24:45~ 放送開始予定 
※放送日時は変更になる場合がございます。

◆ストーリー 
「私は、君とソラを飛ぶ。」甘粕ひそねは、航空自衛隊の岐阜基地に勤務を始めた新人だ。素直すぎて無意識で他人を傷つけるのに 疲れ、任期限定の自衛官を選んだのだ。だが、運命の出逢いが彼女の人生を根底から変える。基地に秘匿された戦闘機に擬態す るドラゴンがひそねを選び、大空高く舞いあがったのだ。こうして「OTF(変態飛翔生体)」であるドラゴンに乗り込む飛行要員が、ひそ ねの仕事になった。国家的な命運を左右するとも言われるドラゴンには、はたしてどんな秘密が隠されているのだろうか……。

◆スタッフ 
原作:BONES・樋口真嗣・岡田麿里 
総監督:樋口真嗣 
監督:小林寛 
シリーズ構成:岡田麿里 
キャラクター原案:青木俊直 
キャラクターデザイン:伊藤嘉之 
メインメカニックデザイン:河森正治 
モンスターコンセプトデザイン:コヤマシゲト 
コンセプトデザイン:okama 
軍事考証:小柳啓伍 
美術デザイン:平澤晃弘 
美術監督:金子雄司 
色彩設計:小針裕子 
撮影監督:佐々木康太 
3DCG 監督:安東容太 
編集:奥田浩史 
音楽:岩崎太整 
音響監督:山田陽 
音響効果:野口透 
アニメーション制作:ボンズ

◆キャスト 
甘粕ひそね(あまかす・ひそね):久野美咲 
 貝崎名緒(かいざき・なお):黒沢ともよ 
 星野絵瑠(ほしの・える):河瀬茉希 
絹番莉々子(きぬつがい・りりこ):新井里美 
 日登美真弓(ひとみ・まゆみ):名塚佳織 
 樋本貞(ひのもと・さだ):朴 璐美 
 小此木榛人(おこのぎ・はると):梶 裕貴 
 財投豊(ざいとう・ゆたか):徳本恭敏 
 柿保令美(かきやす・れみ):釘宮理恵 
 幾嶋博己(いくしま・ひろき):諏訪部順一 
 曽々田弘(そそだ・ひろし):中田譲治 
まそたん:神田松之丞

公式サイト
hisomaso.com

公式Twitter
@hisomaso_anime

(C) BONES・樋口真嗣・岡田麿里/「ひそねとまそたん」飛実団

構成/榑林史章