360度カメラで撮影された動画や写真を、SNSやYouTube、企業プロモ等で目にする機会も増えてきました。しかしこのような動画や写真を撮影したいと考えても、360度カメラはエントリーモデルでも1万円後半程度の価格帯のものが多く、初めて購入する際は少し躊躇する人もいらっしゃるかもしれません。

先日、360度写真撮影を手軽に体験してみたい、360度カメラをとりあえず使ってみたいというニーズに応える製品「PanoClip」が発売されました。本記事ではこの製品をレビューします。販売価格で5000円以下程度と購入しやすい価格で、現在はiPhoneに対応しています。iPhone 7/8、iPhone 7/8 PlusiPhone X用の3モデルが発売されています。

「PanoClip」は360度カメラではありませんが、360度写真を撮影できるスマホ用のクリップ式カメラレンズです。この「PanoClip」はスマートフォンに取り付けるタイプのカメラレンズで、表面と裏面に各1個ずつ魚眼レンズが付いています。スマートフォンのフロントカメラとリアカメラでそれぞれ撮った写真を繋ぎ合わせ、1枚の360度静止画に仕上げるというものです。

(フロントカメラ部分の本体カラーはブラック)

(リアカメラ部分の本体カラーはホワイト)

充電のいらない使い勝手の良さが大きな魅力!

早速実際に使用してみましょう。まず最初にリアカメラで1枚、次にフロントカメラで1枚写真を撮り、それから数秒掛からない程度でスティッチングで1枚の360度写真が出来上がります。通常の360度カメラだとワンショットで撮影できるのですが、「PanoClip」の場合は2ショットの撮影が必要となります。現状のiPhoneではフロントカメラとリアカメラを同時に起動して撮影することもできないので、「PanoClip」のカメラレンズという特質上、360度動画の撮影はできない仕様となっています。

また気をつけたい点として、2回シャッターを押すため撮影中はスマホをしっかりと固定する必要があります。撮影中に動かしてしまうと2枚の写真を繋ぎ合わせる時にズレが発生し、繋ぎの部分がゆがんでしまいます。慌てて撮影すると失敗してしまうので、風景写真や集合写真でも、撮影前に一声掛けるのが良さそうです。数秒間ポーズを固定してもらう感じで撮ると上手くいきます。

利点としては、やはり手軽なところ価格の安さでしょう。充電しなくても使用できるので、バッグなどに入れっぱなしにしておいて、必要な時だけ取り出してスマートフォンに取り付けて撮影、後はそのままバッグにしまってしまって大丈夫、というのは非常に手軽です。360度カメラはいざ使おうと思ったらバッテリーが少なくなっていたり、スマートフォンのカメラアプリと接続するのに手間取ってしまうということはよくありますが、「PanoClip」にはそういった心配はありません

「PanoClip」はそういう意味では、非常に使い勝手の良さがありますし、エントリー機としての価格の安さは非常に魅力的です。

使ってみて気になった点

ただ、カメラレンズということもあり、いくつか気になる点もありました。

まず最初に気になったのが、フロントカメラとリアカメラの静止画を使うため、前方180度と後方180度で画質の違う360度静止画になってしまうことです。筆者はiPhone Xで試したのですが、フロントカメラの性能が比較的高い機種でも、やはり違いが分かるものでした。

(赤枠内がフロントカメラで撮影、赤枠外がリアカメラで撮影した部分)

また、スマートフォンにカバーを付けているとレンズを装着できないので、撮影の度にカバーを取り外さなければいけないのは面倒に感じました。たとえカバーの上から装着したとしても、スマートフォンのレンズ部分にピッタリと当たらずに結果として崩れた写真になってしまいます。

他のカメラアプリで使うことも可能!

ただし、これをカメラレンズであることを逆手に取った使い方もできます。通常のカメラアプリでも使用することができるので、その場合はフロントカメラ、リアカメラを任意で変えて180度以上の魚眼レンズによる静止画、さらに動画を撮影できます。意外と面白い静止画/動画になるので、こちらの使い方もオススメです。

(左は純正アプリのSNSシェア画面、右はInstagramの撮影画面)

また、1つのアプリで撮影と編集の両方ができるのも特徴です。360度静止画からカメラワークのあるアニメーション動画を作れるのですが、全て自動で行ってくれるので、編集する手間が無いのはとても楽です。360度にスタンプを貼るのも楽しいですし「マジックスカイ」という空を認識して星が流れるようなエフェクトを付ける機能も楽しいです。

対応するSNSも豊富で、有名なプラットフォームの多くが対応しているのも魅力です。日本のプラットフォームでもLINEとハコスコが対応しています。

「PanoClip」は価格相応の性能ではありますが、360度撮影へのエントリーとしては十分に楽しめる製品だと言えるでしょう。

(参考)ハコスコ PanoClip製品ページ