米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、ソーラーエネルギーを使って大気中から水を収集するデバイスを開発し、米アリゾナ州の砂漠でプロトタイプの実験に成功した。

研究成果をまとめた論文が、2018年6月、学術雑誌「Science Advances」で公開されている。

・昼夜の湿度差を活用し、大気から水を集める

箱と箱とを重ねた形状のデバイスは、金属イオンと有機分子を組み合わせ、その構造体の内部に生じる空間に気体や液体を貯蔵する「MOF(金属有機構造体)」という多孔性物質を採用しているのが特徴。

プロトタイプでは、内側の箱にジルコニウムからなる2平方フィートの正方形の「MOF」を置き、上面と側面が透明なプラスチックの立方体で外側を覆う設計となっている。

夜間、外側の箱を開いて大気中の水蒸気を取り込み、水分子を「MOF」の内部に吸着させ、昼間は、これを閉じ、太陽光を使って熱することで、「MOF」から水分子を分離させ、水を集める仕組みだ。

研究チームは、2017年10月、夜間の湿度が40%程度である一方、昼間は8%と湿度が非常に低いアリゾナ州スコッツデールで、湿度差の大きい昼夜サイクルを活用し、プロトタイプを実験。

その結果、一昼夜で「MOF」1キログラムあたり200ミリリットルの水を得ることができた。

・実用化に関心を示す企業も出現

この「MOF」を活用した水収集デバイスは、外部電源を必要とせず、湿度の低い地域でも、大気から水を効率的に集められるのが利点。

研究チームでは、高価なジルコニウムの代わりに、その150倍も安価なアルミニウムをベースとした「MOF」でも、同様のプロセスで大気から水を収集できることを明らかにしており、すでに、いくつかの企業が、その実用化に関心を示しているそうだ。(文 松岡由希子)

University of California, Berkeley

砂漠でも一昼夜でコップ1杯の水が得られる、太陽光で大気から水を集めるデバイス