逆転2ランの舞台裏、工藤監督「一発かっ飛ばしてこい」も「毎打席言われています」

■ソフトバンク 4-2 巨人(13日・ヤフオクドーム)

 13日の巨人戦で先発マスクを被り、攻守に渡り大活躍を見せたソフトバンクの市川友也捕手。先発の摂津正を好リードで導き、盗塁阻止の好送球に、逆転の特大2ランと獅子奮迅の活躍で移籍後2度目のお立ち台に立った。

 移籍後初となったお立ち台でも、市川の隣には摂津の姿があった。5月22日に続くバッテリーでのヒーローインタビューで「今日はまっすぐが良かったです」と右腕の投球を振り返った市川。初回一、二塁のピンチで阿部慎之助に対して外の変化球で追い込んでから、内角へのストレートでショートフライに打ち取るなど、配球面で右腕を牽引。工藤公康監督も「摂津くんのいいところを引き出してくれた。バッターに考えさせて、ピッチャーの1番いいボールを引き出すことができる。まっすぐの意識の付け方が上手」とそのリードに称賛を惜しまなかった。

 1点を追う5回には、レフトスタンドの中段まで運ぶ特大の逆転2号2ラン。「バッティング練習でしか打ったことがない」という快心の一発だった。「球種に関係なく、甘いところにきたら思い切りいこうと決めていました」という市川。指揮官は試合後に「『一発かっ飛ばして来い』と言ったらその通りに打ってくれた」と語ったが、市川は「それ、毎打席で言われていますよ」と“舞台裏”を明かして、笑いを誘った。

 市川にとって巨人はプロ生活をスタートさせた球団。その後、日本ハムを経て今季途中にソフトバンクへと移籍した。この日の相手は、いわゆる古巣だ。「プロのレベルの壁を教えてくれた球団。苦しいことばかりだったけど、苦しんだことが今に役立っています」と感謝の気持ちもある。入団当時は阿部慎之助が正捕手として君臨。「阿部さんがすごすぎて試合に出れなかったけど、憧れの先輩でした。いいところを見せられて良かったです」と、古巣対決ならではのコメントも飛び出した。

 急なトレード移籍でしばらくはホテル暮らしが続いていたが、新居も決定。「6月2日にようやく引っ越しが終わりました。家族も来てくれたけど、まだ遠征ばかりでゆっくり休めていません」という。それでも家族と過ごす時間が何よりのリフレッシュにつながっているという市川。新天地でさらに輝くため、これからも自慢のリードで投手陣を引っ張っていく。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

ソフトバンク・市川【写真:藤浦一都】