おっさんジャパン。日本代表のロシアW杯メンバー23人の発表を受けて、そう揶揄(やゆ)したスポーツ紙もあったようだね。

でも、気持ちはわかる。大会開幕時の平均年齢は28.3歳。日本が出場した過去5大会を含めて歴代最高齢だ。35歳の川島を筆頭に長谷部、岡崎、本田、長友の5人は3大会連続出場。30代の選手は彼ら5人を含めて過去最多の8人。一方で20代前半の選手は中村と植田(ともに23歳)のふたりだけ。10代の選手はゼロだ。

メンバー発表前日に行なわれたガーナ戦のスタメンに限れば、平均年齢は29.5歳とさらに上がるし、これだけ高齢化した代表チームは確かに珍しい。

W杯での指揮経験がない西野監督にすれば、時間のないなかでベテランの経験値に頼るしかないということなのだろう。でも、彼らと今回選ばれなかった若手との間にそれほどの力の差があるかといったら、僕はそう思わない。

本田をはじめ連続出場組のベテランの力は4年前より落ちている。それは誰の目にも明らかだ。そして今回のロシアW杯は彼らにとっておそらく最後のW杯となる。だからこそ西野監督は4年後も見据えて、中島や井手口など若手をもっと加えたメンバー構成にすべきだった。

果たして、ロシアW杯後の日本代表を誰が引っ張っていくのか。率直に言って、4年後のカタールW杯が恐ろしいよ。2026年のW杯はアジアの出場枠が増えるから大丈夫だと思うけど、その前のカタールW杯はアジア予選で相当苦しむことになるだろう。

ただ、この問題に関していえば、西野監督の人選どうこう以前に、長い間、世代交代を先送りしてきたことも事実。それは単に若手がふがいなかったというだけではなく、日本サッカー協会が若手を引き上げやすい環境を整えてこなかった部分もある。

02年の日韓W杯時はトルシエ監督が五輪代表監督も兼任。さらにU-20代表の監督も務め、各カテゴリーで同じサッカーをやることで、若手を抜擢(ばってき)しやすい環境をつくっていた。ところが、その後はA代表と五輪代表は監督も違えば、やるサッカーも全然違っていて、選手の流動性がなくなった。そのツケを今になって払わされている格好だ。

もちろん、どんなメンバー構成であれ、選ばれた23人の選手には頑張ってほしいし、ピークを過ぎたベテランはいらないなどと言うつもりもない。長友が自身のツイッターで「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。」(原文ママ)とつぶやいて炎上したそうだけど、実際に彼はあの小さな体で、年齢など感じさせないプレーを見せている。日頃から相当な努力をしているはずだ。

また、サッカーは何が起こるかわからないスポーツ。どんなに力の差が大きくても、10回試合をすれば1、2回は勝てるチャンスがある。開幕前に日本代表がここまで期待されていなかったことは過去になかったと思うけど、だからこそ、西野監督も選手たちも結果を出して見返してほしい。この世界は勝てば官軍なのだから。

ただ、勝っても負けても、前述したように大半のメンバーにとってロシアはおそらく最後のW杯。その後の代表チームはゼロからのスタートとなる。それは変わりない。当然、勝つほうがいいに決まっているけど、結果を出しても次につながらない。そこは大きなジレンマだね。

(構成/渡辺達也)

セルジオ越後が憂慮する高齢化した日本代表のジレンマ「勝つほうがいいに決まっているけど、結果を出しても次につながらない」