これまで数多くの映画、ドラマ等に出演してきた、日本を代表する名女優、八千草薫。最近では、ドラマ「やすらぎの郷」で八千草本人を彷彿させる永遠のマドンナ的存在の大女優を演じたり、またドラマ「執事 西園寺の名推理」で気品と美しさを兼ね備えた女主人役で花を添えたりと、全く年齢を感じさせないその活躍ぶりで変わらぬ存在感を放っている。

映像での印象が強い八千草だが、舞台にも継続的に出演しており、今年も主演舞台が控えている。それが『黄昏』だ。
1978年のブロードウェイ初演以来、日本を含む世界各地で上演され続けているアーネスト・トンプソンの名作戯曲で、1981年にアメリカで映画化され、ヘンリー・フォンダがアカデミー主演男優賞、キャサリン・ヘップバーンが同主演女優賞を受賞するなど高い評価を得た。

映画でキャサリン・ヘップバーンが演じたエセル役を八千草が演じる今作品は、2003年初演、2006年再演、そして今回、12年ぶりに満を持しての再々演となる。

八千草以外のキャストは公演ごとに刷新されており、今公演で夫のノーマン役を演じるのは、映画、ドラマ、ミュージカル、ストレートプレイ、更には声優としても活躍するなど、各方面でその表現力に定評のある村井國夫、娘のチェルシー役は、全キャストオーディションを実施したことで話題を呼んだ新国立劇場「かもめ」(来年4月上演予定)のアルカージナ役を見事射止めたことでもますますその活動から目が離せない存在である元宝塚歌劇団雪組男役トップスターの朝海ひかる。八千草と朝海、宝塚歌劇団出身の先輩後輩にあたる二人の母娘役での共演にも注目だ。

初演、再演の演出は2015年に57歳でこの世を去った、文学座の高瀬久男だった。(再演は板垣恭一との共同演出)
そして再々演の今回は、同じく文学座の鵜山仁が演出にあたる。初演、再演と高瀬が作り上げてきたこの作品を、文学座で3期先輩の鵜山がどのように引き継ぐのか、八千草を始めとする舞台経験豊富な俳優陣の演技と共に楽しみたい。

舞台『黄昏』