●メモリも「光る」トレンドからは逃げられない
COMPUEXでは、メモリメーカーも各社がブースを出展し、製品の展示やデモを行なっている。そうした展示製品のなかから、2018年のメモリモジュールのトレンドを読み解いていこう。

とにかく目立つのはLED搭載による光るメモリの台頭だ。マザーボードやグラフィックスカード、電源といったパーツがどんどん光るようになったが、メモリにも本格的にその波が到来した。パーツメーカーの展示では、必ずといってよいほどデモ機にLED搭載メモリが搭載されていた。ざっと見渡した印象、ミドルレンジ~ハイエンドのメモリモジュールでは、5割以上がLED搭載モデルではないだろうか。

LEDについては、製品マーケティングとして、メーカー側も搭載せざるをえない機能になりつつある。もちろん、エントリーセグメント向けのメモリモジュールならば、いまでも基板むき出しのものやLED非搭載のヒートシンクを搭載するものがほとんどだ。

しかし、より高クロックのものを求めると、かなりの割合でもれなくLEDが付いてくる。ここまで来ると、LED電飾をしていないユーザー、ケースの側面板がクリアではないユーザーも、メモリ選びの時点ではLEDの有無に関係なく、ただデザインやクロック、容量からモジュールを選んだほうが幸せになれるだろう。

また、単に光らせるだけではなく、独自のユーティリティによってイルミネーションを制御できるもの、マザーボードメーカーのLEDユーティリティで制御できるもの、さらには複数メーカーのユーティリティに対応するものなど、光らせたい時に発光させ、落ち着いた雰囲気を求める時には消灯することもできるものが主流だ。

まあ、結局は慣れというものもあり、検証などの企画で光り物に触れざるを得ない状況に置かれた結果、光らせ方次第ではこれもアリだなと心変わりした。ただ未だギラギラする光り方には慣れないが……。

●クロックのトレンドは5GHz×5GHz
メモリクロックは、IntelならDDR4-2666、AMDならDDR4-2933あたりが現在のスタンダードだ。もっとも、ショップブランドPCなどコスパを重視するPCでは、DDR4-2400あたりが標準構成となっている場合も多い。

より高いパフォーマンスを求めるOCメモリでは、COMPUTEXにおける展示のなかでもっとも高クロックだったのがADATAの「XPG SPECTRIX D80」のDDR4-5531(製品版はDDR4-5000)。ほかにも、GALAXの「HOF EXTREME Limited Editon」が製品版としてDDR4-5000(CL21-26-26-46)に対応する。G.Skillの「TridentZ RGB」もDDR4-5066をデモしていた。

DDR4-5000、5GHzと言えば、Intelが現地で発表したCore i7-8086KのTurbo Boost時の最大クロックも5GHz。5GHzのCPUと5GHzのメモリという組み合わせが、2018年下半期のトレンドとなるかもしれない。

5GHzという高クロックは、標準的なガーバー設計ではなかなか難しい。当然メモリチップは選別品となり、そこから生産されるモジュールも少数にとどまりそうだ。その上で、ADATAのXPG SPECTRIX D80では、10層基板を採用しているとのこと。マザーボードでも10層基板を採用するのはよほどのハイエンド製品に限られる。

冷却も、ADATAのXPG SPECTRIX D80では「ハイブリッド冷却」に対応している。空冷でも利用できるが、水冷でも利用できる。LED発光している部分がパイプ状になっており、ここを冷却液が流れる仕組みだ。

パイプがクリアのためLEDの光り方も独特のものとなっている。最近ではくもりガラス状の樹脂パーツで光を拡散させるものが主流だが、この製品では個々のLEDがなんとなく判別できるような発光だ。

●メモリパフォーマンスはクロックのみに非ず
ハイエンドが5GHzに達したと言っても、真のメモリパフォーマンスはクロックが高ければそれでよいというものでもない。アクセスタイミングも重要な要素だ。例えば、GALAXブースでは日本におけるオーバークロッカーのパイオニア的存在のduck氏が毎年記録を賭けたOCに挑んでおり、2018年もSuperPiの世界記録を樹立した(計測時)。

32Mのベンチマークで4分9秒688ms。その際の構成を見ると、CPUはCore i7-7740Xを7302MHzにOC、メモリは4181MHz。GALAXが5GHzモジュールを展示していたことからすれば、4181MHzというメモリクロックはそこまで高くないように見える。

ところがメモリがパフォーマンスに無関係というわけではない、今回の4181MHzのメモリのアクセスタイミングはCL12-11-11-28という攻めたセッティングだ。メモリのパフォーマンスチューニングは奥が深く面白い。

○メーカーをまたいでデザインを統一するTUF Alliance

ハイエンドが5GHz台に突入したことで、4GHz台の製品はこれまでよりも少しだけ身近なものになるだろう。そしてエントリークラス、エントリーゲーミングでは、3GHz台がメーカーのターゲットとなっているようだ。

そのような中、複数のメーカーが共同で、1つのデザインコンセプトに沿って製品を展開する「TUF Alliance」という動きが生まれている。TUFは、ASUSのマザーボード「TUF Gaming」のデザインコンセプト。ブラック/グレーのデジタル迷彩にイエローのラインというインパクトあるデザインだ。メモリメーカーでは、確認しただけでMicron Ballistix、Team、Antec、GeIL、Apacer、G.Skill。Corsairなど、デザインも豊富にラインナップされていた。
(石川ひさよし)

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