レスリング女子五輪金メダリストの伊調馨(ALSOK)らに対するパワハラ問題で、日本協会の強化本部長を辞任した栄和人氏が14日、初めて公の場で謝罪した。協会が4月6日にパワハラを認定してから2カ月以上が経過。伊調への直接の謝罪もまだだというが、ようやく自らの非を認めてけじめをつけた。

 「伊調選手、田南部(力)コーチに心からおわび申し上げます」と文書を読み上げ、「常に他人に敬意を持って接することを心掛けたい」と謙虚な言葉も。この日は全日本選抜選手権の開幕日。謝罪会見には、至学館大の監督として選手を指導する道だけは守ろうとする意図がうかがえた。

 栄氏はパワハラ問題が発生した理由について、「その場その場のコミュニケーション不足が招いた」と弁明した。メダリストを次々に育て上げた「名指導者」に意見できる雰囲気がなく、周囲に威圧的な行動をとっていたという関係者の指摘は的を射ていたようだ。

 この日、栄氏と日体大で外部コーチを務める田南部氏はお互い観客席で近くにいたが、接触はなかった。問題の発覚当初、パワハラを否定した日本協会も伊調らへの謝罪を明確にしていない。東京五輪を視野に練習を再開したという伊調に対して、しこりは残している。