仮想通貨を採掘するツール(マイニングツール)について、警察庁は6月14日、Webサイト運営者が閲覧者に対し、マイニングツールを設置していることを明示せずに設置した場合、犯罪になる可能性があるとの注意喚起を発表した。このほど神奈川県警などがマイニングツールを設置したサイト運営者を摘発したが、その法的根拠を疑問視する声もあり、波紋を呼んでいる。

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 マイニングツールは、Webサイトの運営者が閲覧者に仮想通貨を発掘させ、収益を得るツール。マイニングツールの代表例「Coinhive」の場合、専用のJavaScriptコードをサイトに埋め込むと、閲覧者のPCのCPUパワーを活用し、仮想通貨を採掘する。広告に代わるサイト収益化の手法として注目を集める一方、「ユーザーのCPUを勝手に使うマルウェアではないか」という指摘もある。

●「警察はやり過ぎだ」 ネット上では批判

 読売新聞などによれば11日、Coinhiveを設置したサイト運営者が、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用・保管などの容疑で相次いで摘発された。刑法上、ウイルスは「(PCの持ち主の)意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」とあり、警察はCoinhiveをウイルスと判断したようだ。

 ただ、ネット上では「警察はやり過ぎだ」といった批判も出ている。摘発された1人・デザイナーの「モロ」さんは、警察から「事前に許可(もしくは予感させること)なく他人のPCを動作させたらアウト」と説明を受けたといい、「解釈がめちゃくちゃアバウト」と指摘。モロさんは、罰金10万円の略式命令を受けたことに対し、異議を申し立てる刑事裁判を起こしているという。

 そうした中、警察庁は14日、閲覧者に明示せずにマイニングツールを設置した場合、犯罪になる可能性があるとの考えを示した。合わせて、ネットユーザーには「仮想通貨の採掘を意図していないにもかかわらず、Webサイトにアクセスした際に、ウイルス対策ソフトがマイニングツールを検知した場合には、再度当該サイトにはアクセスしないでください」などと注意を呼び掛けている。

 これに対し、ネット上では「せめて裁判の判決を待ってからの注意喚起にできなかったのか」などの声が上がっている。

警察庁の注意喚起より