木城ゆきとのSF漫画「銃夢」をハリウッドが実写化した『アリータ:バトル・エンジェル』のフッテージ映像付きプレゼンテーションが、14日、都内で開かれた。本作のプロデューサーであるジョン・ランドーが来日し、メディアに向けて製作の経緯を語った。

 本作は、『タイタニック』『アバター』を手掛けたジェームズ・キャメロンが脚本・製作を担当。『シン・シティ』シリーズのロバート・ロドリゲス監督がメガホンをとり、数百年後の未来を舞台に、圧倒的な戦闘能力を持つサイボーグ少女が、自身の失われた記憶を探る姿を描く。この日は、アリータの印象的なビジュアルをはじめ、彼女を取り巻く周囲の人々、舞台となるアイアンシティなど、作品の世界観が垣間見える、約20分にわたるフッテージ映像が公開された。

 ランドーは「木城先生が作ったキャラクターを、こうして日本の皆さんに最初に見ていただけることがうれしい」とあいさつすると、自身やキャメロンが原作と出会ったのは、1999年だったことを明かす。続けてランドーは「映画化の権利をいただき、最初はジェームズが、直接監督をやりたいと話していたのですが、先に『アバター』をやることになったんです。それは『アバター』の技術が、本作に生かせると思ったからなんです」と語ると「そうしているうちに、『アバター』の続編をジェームズがやることが決まり、我々は別の監督を探すことになったのです」と製作過程を述べた。

 その際、候補に挙がったのがロドリゲス監督。「キャメロンは、自身が手掛けた脚本をロドリゲスに見せたんです。最初の脚本は非常に長く、彼がしっかりと短くまとめたなら、監督を任そうという思惑があった」とランドーは語った。続けて「するとロドリゲスは、4か月脚本作りに取り組み、すばらしいものを仕上げてくれた。その脚本には、木城先生の漫画の大切なものがすべて盛り込まれていた。そこで『一緒にやろう』ということになったんです」と監督起用のエピソードを明かした。

 また、この日は、原作者の木城からのメッセージも公開。「『銃夢』の最初の連載が終わる少し前の1994年から、海外のプロデューサーや監督から映画化したいというオファーがいくつかきました。強いヒロイン、アクション、SFビジュアルなどキャメロン監督と僕の作品には共通点が多いので、編集者と『キャメロンが映画化したいと言ってきたらどうする?』と冗談を言い合ってことが、まさか本当になるとは……。そしてこの度、世界で初めてメディア公開される最新映像を、作品が生まれた日本に最初に持ってきていただき、ありがとうございます」と感謝の意を示した。

 木城からの温かい言葉に、ランドーは「以前、木城先生をセットに招いたことがあります。広大なアイアンシティのセットを見たときの先生の笑顔が忘れられません」と出来に自信をのぞかせると「漫画のビジュアルをしっかりと生かしたいという思いが強かった。漫画のページから飛び出してくるようなものを作りたいと、みんなで力をあわせました」と原作へのリスペクトを述べていた。

 またランドーは、自身とキャメロンに「銃夢」を紹介したのがギレルモ・デル・トロ監督だったと告白。「彼が熱心に漫画シリーズをすすめてくれました。私たちは最初、3巻まで目を通したのですが、この作品が壮大なスケールであることがわかり、その先を夢中になって読みました」と企画の発端となった出来事を振り返っていた。(磯部正和)

映画『アリータ:バトル・エンジェル』は12月全国公開

来日したプロデューサーのジョン・ランドー