Airbnbは6月14日、都内で記者会見を開き、新しい組織として「Airbnb Partners(エアビーアンドビー・パートナーズ)」をさまざまな産業を担う日本企業36社とともに立ち上げたと発表した。会見には、Airbnb 共同創業者兼CEO、Airbnb China会長のネイサン・ブレチャージク氏が来日し、出席した。
○36社の日本企業とパートナーシップ

Airbnb Partnersは、ホスト育成や、リスティングの申請、家具のセットアップ、写真撮影、クリーニングなどのホストサポートを提供する「サービスパートナー」、不動産開発業者、高品質なポートフォリオ、ユニークなリスティングを提供するプロフェッショナルホストとなる「サプライパートナー」、ロイヤリティプログラムや特定のエアラインにおけるマイル特典を提供する「デマンドパートナー」の3つのカテゴリーで形成されている。

パートナーは、IT企業や航空会社、出版社、金融機関や保険会社、住宅メーカー、コンビニ、小売など多岐にわたる。

Airbnb Japan 代表取締役 田邉泰之氏は、Airbnb Partnersについて「今後、大きく進化を遂げるホームシェアと、地域の人とふれあう“体験型旅行”の可能性を最大限に広げるために、パートナーとともに共通のヴィジョンを持ち、育てていくアライアンスの組織だ。新しい体験型の旅を日本らしい形で育てることに加え、パートナーのビジネスを最大限にサポートすることを目的にしている」と、意義を強調する。

具体的には、ラグビーW杯や東京五輪などを踏まえ、将来的な日本における継続的な発展を実現するために日本独自の施策として「ハイスタンダードな住宅だけを集めた新グレードのAirbnb Plusを東京、大阪、京都に拡大」「Tポイントに加盟」「公式パートナーのエアトリステイのAirbnbワンストップサービスをフランチャイズ化し全国展開」「パソナと連携したホストの育成プログラムの拡大」「日本独自のカルチャーや伝統、地域の生活に根付いたコミュニティ活性化プロジェクトの実施」「住宅メーカーと連携したホームシェアリング対応型住宅の開発」「保険会社と日本独自の保険プログラム」に取り組む。

田邉氏は「体験型旅行は日本との相性が良く、日本独自の進化を遂げるだろう。そして、おもてなしの新しいスタンダードが日本から生まれてくるのではないかと確信しており、新しいスタンダードを日本のパートナーとともに構築していく」と力を込めていた。
○民泊新法の施行前に一部予約をキャンセルしたが......

国内では6月15日に「住宅宿泊事業法」、いわゆる民泊新法が施行される。同1日には観光庁が届出番号、あるいはそのほかのホスティングをするための正当な理由(許認可など)がないホストは、すでに確定済みの予約であってもキャンセルしなければならないと、各住宅宿泊仲介事業者に通知。

Airbnbでも事態を受け、該当するリスティングに同15日~19日にチェックイン予定の予約をキャンセルや、届出がないホスト物件をサイト上から削除しており、費用の補填などで対応したが国内外のメディアが報じるなど、施行を前に混乱が生じたのも事実だ。ただ、このような混乱が生じたとしても、当たり前だがAirbnbとして日本市場への戦略はブレがないようだ。

ブレチャージク氏は「6月15日に住宅宿泊事業法の施行を控え、ホームシェア経済が初めて日本で立ち上がる。われわれはコミュニティに参加していることを重要かつ誇りに感じており、ホームシェア経済のターニングポイントになる。今後、日本の市場にコミットし続け、さまざまな新しい取り組みを通じて日本への長期的な投資を行う」と語気を強め、日本市場に期待をかける。

日本での取り組みとしては、ホストにはホスト登録の手助けのために法律専門家によるセミナー開催やホスト向けガイダンス・サポート、ホストの届出手続きを簡略化するために地方自治体と継続的な議論を実施する。一方、ゲストに対しては、伝統的な観光地から離れたユニークな目的地の発見や、チェックインからチェックアウトまでシンプルで効率的な旅の体験の提供、ハイクオリティな部屋と体験を提供するという。

これらの取り組みは「明確で公平なルール」「地域に根ざした形」「クオリティ」「コミュニティの活性化」「イベント時の宿泊施設の充実」の5つの原則に基づいている。

そして、ブレチャージク氏は「日本のユニークな文化はAirbnbとフィットしており、旅先としての日本のポテンシャルを引き出すことを支援する。日本にとってホームシェアは旅行者にローカルな日本での本物の体験や、日本人にも観光の恩恵をもたらし、地域活性化など高齢化、地方における人口減少に貢献できると考えている」と述べており、2020年には4000万人、2030年には6000万人の訪日外国人観光客を見込んでいることから、同社の市場におけるプレゼンスに注目していきたいところだ。
(岩井 健太)

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