【98年W杯日本代表・城彰二の視点】ベースは4-2-3-1、状態がベストでない長谷部は敢えて外す

 スイス戦(0-2)、パラグアイ戦(4-2)の試合内容を見る限り、4-2-3-1システムにおけるチーム全体の攻守の狙いは徐々に明確になっている。19日のコロンビアとのロシア・ワールドカップ(W杯)初戦に向けて、限られた準備期間でこの布陣の完成度を高めることがベストだろう。

 GKはこの2試合で起用された全3人が失点しており、ある意味で横一線だが、スイス戦でミスの目立った川島永嗣は安定感がなく、現状では守備に悪影響を及ぼしてしまっているので敢えて外したい。東口順昭、中村航輔を比べた時にピッチに立った時の存在感、選手に与える安心感という点で中村により可能性を感じる。

 センターバックは、パラグアイ戦に先発した昌子源、植田直通が良いパフォーマンスを見せていたが、軸として考えるとやはり経験値、海外の選手とのマッチアップに長けている点で吉田麻也が一番手だろう。その相棒を誰にするかと考えた時、コロンビア戦は勝利が絶対条件の試合でないことを考えれば、セットプレーでの得点力がある槙野智章の起用にこだわる必要はなく、コンディションの良さを考慮して昌子を起用してみたい。

 そして左サイドバックは迷うことなく長友佑都。右は酒井宏樹か酒井高徳で悩むが、コンディションが良ければ対人プレーにより強さを発揮する酒井宏を一番手としたい。

 2ボランチには、パラグアイ戦でスタメンだった山口蛍と柴崎岳のコンビを推す。この二人のバランスはすごく良く、柴崎があれだけ前線に絡んでボールを供給できたのは、山口が後方で守備的な役割に専念したからだ。柴崎は大島僚太に比べて、やはりスペインリーグでプレーしていることもあって落ち着きもあり、縦への意識がものすごく強い。まだ雑な部分はあるものの、トータル的に考えると柴崎の継続起用が望ましい。

 ここまで不動の存在だった長谷部誠だが、見る限りはコンディションが良くない。ここまで持ち前のリーダーシップでチームを引っ張ってきたが、今はプレー面で光るものがない。現状では山口の方が守備面でより良いものを出せているので、初戦のスタメンからは敢えて外した。

コロンビア戦は「絶対に勝たないといけない試合」ではない

 そして2列目はトップ下に香川真司、左に乾貴士、右に武藤嘉紀とパラグアイ戦で先発した3人とした。香川と乾はゴールという明確な結果も残しており、スイス戦で先発した本田圭佑、宇佐美貴史よりもパフォーマンスで上回っている。武藤は個で打開できる力を持っていて、攻守両面で体の使い方など強い部分がある。原口も縦へ運べるのが魅力だが、右サイドでより起点を作れるという意味で武藤の起用を推したい。

 そして1トップは足もとで収められる大迫勇也。岡崎慎司のゴール前へ飛び込む動きや前線からの守備も捨てがたいが、切り札として試合途中からの起用でも生きるだろう。

 とにかくコロンビアを相手に、前半の失点は避けたいところだ。後半になれば相手も疲れが出てくると思うので、セットプレーや一発のカウンターで点を取れる可能性は高まる。

 もっとも、コロンビア戦は「絶対に勝たないといけない試合」ではない。勝ちにいく必要はなく、守りきって引き分けられれば万々歳。仮に負けても内容次第、僅差の敗戦なら個人的には想定内で、2戦目以降での挽回は十分可能だ。気負いすぎることなく、W杯の舞台で輝きを放ってほしい。(Football ZONE web編集部)

城彰二氏が選ぶ日本代表「ロシアW杯ベスト布陣」【写真:Football ZONE web】