人類はいつか必ず火星に移住する――NASAのとある科学者がそう断言している。そして彼は、移住を実現するために解決しなければならないいくつもの課題を挙げた。その中身とは?

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/06/post_17183_entry.html】

■「人類はいつか必ず火星に行く」

 人類の次なるフロンティア、それは間違いなく火星であろう。NASAだけでなくスペースX社のイーロン・マスク氏など、多くの有力者たちが火星への有人飛行と移住計画を明らかにしており、一番乗りを目指してしのぎを削っている状況だ。

 そんな中、NASAの惑星科学部門でディレクターを務めるジム・グリーン氏が、米「USA Today」(今月11日付)の記事で、「人類はいつか必ず火星に行く」と言及し、「その最初の1人となる人物はすでに生まれている」と断言したという。

「火星は人生を過ごすのに良い場所だと考えています」(グリーン氏)

 これまでの調査で、火星は太陽系の惑星の中で最も地球に似ていることがわかっているほか、大自然の驚異に満ちた、人類にとって魅力的な惑星であることも判明している。地球を出ようとする人類にとって、まず目指すべき場所が火星なのは明らかだ。しかし、当然のことながら、そこに至るまでには多くの困難が待ち構えている。

■人類が克服すべき課題

 NASAでは2040年までに人類を火星に送る計画を立てているが、それには超えなければならない課題がいくつもある。グリーン氏がまず挙げたのは、着陸の困難さだ。これまで人類が火星に着陸させたのは1トンほどのローバーであるが、人間を乗せた輸送船は10トンを超えるだろう。それを安定して着陸させられる平らな土地を何よりも確保する必要があるという。

 問題はそれだけではない。火星から地球への帰還をどうやって果たすかということも重要な問題の一つだ。今のところ、(無人探査機による)火星への旅は片道切符だ。NASAでは今後の10年間で、火星に送った探査機を再び地球へ帰還させるという計画を立てている。

 地球から火星への移動手段が整ったら、その次はついに移住の段階となる。では、火星での生活とはどんなものになるのだろうか?

 グリーン氏によると、火星は寒暖差が激しい環境で、1日の気温の差が170度にもなることがあるという。平均気温は0度よりはるかに低く、大気の大部分は二酸化炭素。外出には宇宙服が欠かせない。さらに26カ月に一度は強烈な嵐の季節が訪れ、その間は太陽の光が閉ざされてしまうという厳しい環境である。

 そのような場所で、人類はまず生活の基盤となるインフラを整えねばならない。第一に食糧の確保であるが、豆やアスパラガス、ジャガイモなどが火星の土壌でも育つ作物として期待されている。そして、人々が暮らす家は、火星の土や岩を原料にして3Dプリンタを使って建てる可能性が高いという。

 グリーン氏の話を聞けば聞くほど、火星への移住がいかに困難なものかが伝わってくる。だが人類はいつか火星に移住するだろうし、先日トカナでも報じたように、そこで生まれた子どもたちはニュータイプの人類になるのかもしれない。グリーン氏は、火星に移住する最初の人々はすでに地球上に生まれていると話している。我々が生きているうちにこのような快挙が遂げられるとしたら、その瞬間を何としてもこの目で見てみたいものである。

(編集部)

イメージ画像:「Thinkstock」より

イメージ画像:「Thinkstock」より