中国の釣り人がアップした奇妙な魚の動画が話題となっている。胴体は普通の魚だが、その頭部はまるでイルカかインコ、あるいはペンギンにも似ているという。6月12日付の英紙「Daily Mail」が報じている。

■イルカ? インコ? 奇妙すぎる魚

 謎の魚は中国南西部貴州省の川で釣り上げられた。釣り人はその奇妙な姿に驚き、スマートフォンで動画を撮影。ネットにアップしたところ、たちまち大きな話題となり、正体をめぐり議論を呼んだという。では早速、問題の動画を見てみよう。

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 コンクリートの床に置かれているのは30~40cmほどの大きさの魚だ。胸ビレから尾ビレまでは何の変哲も無い魚だが、その頭部が明らかに異様な形をしている。通常ならまっすぐ前方を向いているはずの口が90度曲がって腹側を向いており、黒い前頭部が大きく張り出し、中央ではギョロッとした黒い目玉が空を睨んでいる。口が時折パクパクと動いており、まだ生きていることがうかがわれる。

 SNSでは「イルカに似ている」「まるでインコだ」とコメントがついている。確かにその頭部は魚というよりイルカや鳥に似ており、「コイとイルカのハーフだ」という意見にも何となく同意したくなるほど奇妙な見た目だ。汚染物質や放射能で奇形を起こしたのではないかという意見も出ている模様。

■正体は奇形のコイか?

 この謎の魚の正体は一体何なのか? 残念ながら動画をアップした釣り人は、この魚を生きたまま川に戻してしまったというが、中国のネットニュース「新浪看点」は、地元の専門家による見解を掲載している。それによると、この魚はコイの一種、おそらくは草魚であり、低酸素環境で起こりやすい奇形の一種ではないかとのこと。

 我々もこの謎の魚について、オカルトと生物学に詳しい理学博士X氏に尋ねてみた。X氏もコイ科の魚が奇形を起こしたものではないかと話し、パグヘッドと言われる口吻の奇形ではないかという。このような奇形は自然界のみならず養殖の魚でも見られるといい、遺伝子異常や水質汚染、水中の酸素量や水温など様々なことが原因と考えられるという。

 謎の魚は奇形のコイだった可能性が高いようだ。イルカやインコとコイのハーフではないのか? と尋ねたところ、X氏は難しい顔をして黙り込んでしまった。

■奇形の魚は「妖怪」?

 ところで、この怪魚について、X氏は興味深いことを言い出した。

「この顔、なんだか昔の人魚とかアマビエという妖怪に似てませんか?」(X氏)

 アマビエとは、江戸時代に肥後国(熊本県)に現れたという妖怪で、人魚に似た姿をしているが、口元はくちばし状になっており、首から下は鱗に覆われ、三本足だったという。この妖怪は自らをアマビエと名乗り、今後数年間の豊作を予言し、疫病が流行った際には自分の絵姿を人々に見せよと言い残して再び海に帰ったという。

 当時の瓦版の絵を見ると、確かに突き出した口と目は今回の奇形魚に似ている気がする。だが、今回の魚に三本足はないし、髪も生えていない。もちろん人語を喋ったりもしていない。

 だが、アマビエに限らず、江戸時代の人魚は現在知られている人魚とは異なり、魚の体に人間の頭がついているような姿をしていることが多い。もしかすると、今回中国で撮影されたような口吻が短く曲がってしまった奇形の魚がたまたま釣り上げられ、その姿が噂となって広がり、やがて人魚や妖怪のモデルになったのかもしれない。

(編集部)

画像:妖怪アマビエ「Wikipedia」より

画像:妖怪アマビエ「Wikipedia」より