以前から芸能事務所を辞めて移籍するケースは芸能界に多数あったが、今年は超メジャーな芸能人が事務所を移籍するケースが目立っている。ビートたけしや満島ひかりなどがその最たる例だ。

 昔からあることとはいえ、今年は特に多い印象があるが、その理由を業界関係者に聞いてみた。

「独占禁止法の問題だと思います。以前の芸能界では法律無視で移籍したタレントに圧力をかけることができました。移籍から数年間は仕事ができないという条件付きで辞めさせるケースなどです。今はそれができないので辞めやすい環境にあるわけです」(芸能プロ関係者)

 たしかに以前は無茶な誓約書にサインをさせられていたようだが、今の時代は無理だろう。

「また、タレント本人がSNSを使っているので、事務所が圧力をかけてもタレント自らが暴露するリスクがあります。そうなれば、ブラックな事務所として知れ渡ってしまい、未来のタレント獲得も難しくなります。今も昔も芸能人が事務所の方針に納得していないケースや不満を抱くケースは多々ありますが、昔と違って、今は気軽に言い出せるということですね」(同)

 移籍が増えた現在がおかしいのではなく、現在の芸能事務所とタレントの関係こそが正しい状態といえるのかもしれない。

 しかし、そもそも芸能人は事務所にどんな不満を抱くのか。

「移籍してくるタレントの話を聞いていると、営業能力のなさ、もしくは仕事をとってきても脱がなきゃいけない仕事であったりと、本人にしてみればたしかに不満を抱くようなケースが多いです。今まではこのような不満があっても辞められなかったわけですから、今の芸能人は幸せと言えるかもしれません」(同)

 このような意見もあったが、じつはそもそも契約書の存在が影響しているという意見もあった。

「芸能界では事務所とタレントが正式な契約書を交わしていないケースが今の時代でも多いんです。そのため、タレント本人が本気になればいつでも辞められるという環境も影響していると思います。以前は契約書がなくても圧をかけてつぶすことができましたが、今はそれが不可能なので移籍が多くなっているんだと個人的には思っています」(テレビ局プロデューサー)

 契約書がないこともあって移籍が増えている部分もあるという。しかし、圧力の問題に関していえば、完全に消えたわけではないらしい。

「円満移籍と言いつつも裏では誓約書を書いていて、移籍後数年間の収入の3割を支払うなどという条件が付けられているタレントは今もいます。時代が変わったとはいえ、まだまだ古い世界ですから」(同)

 以前に比べればマシになったものの、今も芸能界は簡単に移籍ができない
世界のようだ。
(文=吉沢ひかる)

※画像は、『満島ひかり写真集 あそびましょ。』(ボム特別編集)/学研

※画像は、『満島ひかり写真集 あそびましょ。』(ボム特別編集)/学研