WDLC(ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム)が学校のプログラミング教育を応援する「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」をスタートした。マイコンボードを使ったプログラミング教育授業案を作成し、今後約半年を目処に合計30コンテンツ特設サイト上で無償公開する予定だ。

また、プログラミング教育をいちはやく取り入れたい小学校100校に、マイコンボードmicro:bitを20個づつ、計2,000個を無償提供する。提供を受けた学校はその授業レポートやサンプルコードを提供し、それをその他の学校の授業キットとして自由に使えるようにするという。募集は2018年6月20日から公式サイトで開始する予定だ。
○「論理的思考」を教えるためのコンピュータ

この取り組みは2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化され、翌2021年度には中学校でプログラミング教育が拡充、さらに2022年度には高等学校で必修化されることが定められた文科省の新学習指導要領を受けて、それを支援しようというチャレンジだ。

マイコンボードmicro:bitは、英BBCが教育用に開発したもので、これをオープンソースのプログラミング学習環境「Microsoft MakeCode」を使ってビジュアルプログラミングすることで、現象とプログラミングを紐付けるフィジカルコンピューティングを学べるという。

すでに千葉大学教育学部附属小学校4年生理科の「電気のはたらき」の授業で「おもちゃライト」というプログラミング教育事業も実施され、YouTubeでその授業の様子が公開されている。

プログラミング教育は、子どもにプログラミング言語を習得させる試みだととらえられがちだが決してそうではない。論理的なものの考え方を学ばせるために、プログラムの作成が向いているというほうが的を射ている。コンピュータを学ぶことが最終目的ではなく、ここではコンピュータは単なる道具立てにすぎない。

MakeCode環境では、ドラッグ&ドロップでブロックを並べるだけでプログラムができあがり、画面上でシミュレートしたり、それをマイコンボードにダウンロードして実機での実行を試せる。ブロック図として作成したプログラムはJavaScriptに表示を切り替えることもできるので、幅広い層のプログラミング教育に活かせるとのことだ。JavaScriptに加えた変更はブロック図の方にも反映され、相互の行き来ができるようになっている。
○自分の才能を見いだすきっかけに

しかし、こうした授業を見ていると、教える側はたいへんだなとも思う。なにしろ、教える側はそういう教育を今まで受けてきていないわけで、教師そのものが、まず、論理的なものの考え方を習得する必要がある。それは半端な時間では無理で、日常の業務で手一杯の先生たちが、今、教科を教えるのと同じくらいの感覚でプログラミングを教えられるようになるのは、この教育を受けた高校生が教員になるくらいのころだろうか。

WDLC会長の梅田成二氏(日本マイクロソフト執行役員コンシューマー&デバイス事業本部デバイスパートナー営業統括本部長)は、プログラミング教育はむしろきっかけにすぎないという。小学校のプールで子どもが泳ぐのは年に5日間程度だとしても、それで自分の才能を見いだして、スイミングスクールに通うようになり、将来のオリンピックで金メダルをとるような子どももいる。そういうプロセスの入り口になればいいのではないかと楽観的だ。

個人的にはプログラミングとは無縁でパソコンを使ってきた。30年以上前に使い始めたパソコンではすでにMS-DOSが稼働していた。基本的にプログラムは作るものではなく使うものだと思ってコンピュータとつきあってきた。それが正しかったのか正しくなかったのかはわからない。でも、論理的にものを考えるのが不得意な子どもがコンピュータをきらいになったりはしないのか。そっちのほうが、ちょっとした心配だったりもする。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)
(山田祥平)

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