文・取材:戸部マミヤ

 2018年10月5日の日本発売が発表された『アサシン クリード オデッセイ』(PS4、Xbox One、PC)。舞台は紀元前のギリシャ。元スパルタ兵の主人公(男女を選択可能)を操作して、アテネ軍との戦いに身を投じていくことになるようだ。


【画像9点】「ステルス! 筋肉! 神パワー!! 『アサシン クリード オデッセイ』実機プレイ動画&インタビュー。マルチエンディングって本当なの? 【E3 2018】」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

 E3 2018で体験できたデモ版では、戦闘やストーリー、海戦や街並みの散策など、本作の表層を一通りなぞることができた。

 キーアイテムとなる“レオニダスの槍”には英雄の力が宿っており、超パワーで敵を吹き飛ばしたり、時間の流れを操って暗殺を仕掛けたりといった、人智を超えたアビリティを習得できる。

 また物語にも選択肢が追加され、選んだ内容によってその後の展開が変化するなど、オープンワールドらしい自由度も向上していた。

 あらゆる面でパワーアップを果たし、神話の時代に舞台をより近づけた本作は、“アレクシオスさん伝説”と呼んで遜色ないほどケレン味たっぷりの本格RPGへと進化を遂げている。


 だが、なぜ『アサシン クリード』はRPGというジャンルに舵を切ることを選んだのだろう。本作のプロデューサーを務めるMarc-Alexis Cote氏に気になる疑問をぶつけてみた。


――古代ギリシャという時代と場所を選んだ理由を教えてください。

Marc我々が作りたいのは100時間以上遊べるゲームですから、プレイヤーの皆さんが「永遠にこの場所にいたい」と思える土地を舞台に選ぶ必要がありました。そうした意味で古代ギリシャは完璧です。街も人も全てが美しく、探索意欲をそそられますから。


――咲き乱れる花々や、エメラルドグリーンの海など、ビビッドな色使いがとても美しいですよね。

Marcそれに、“アテネとスパルタの戦争”という状況もゲームシステムに組み込みやすかったですね。プレイヤーはスパルタ側の傭兵として戦争に参加するのですが、自分の行動が大きな戦争に影響を与える興奮をぜひ味わっていただきたいです。また“傭兵ランキング”のようなものも存在していて、そこで1位を目指すような遊びかたもできます。

――では、“オデッセイ(※)”というタイトルに込められた意味は?

※古代ギリシャの詩人ホメロスの叙述詩。“冒険”という意味も。


Marc『アサシン クリード オデッセイ』が目指したのは、多様性のある物語です。プレイヤーの決断によって、悲劇にも喜劇にも変わるような、ナラティブなストーリーを描きたかった。だとすれば、あらゆる物語の原点である叙事詩の名前を借りるのが自然な気がしました。

――“ナラティブなストーリー”について詳しく教えてください。

Marc『アサシン クリード オデッセイ』では、会話やイベント中にたくさんの選択肢が登場します。助けを求めるNPCの手を取ることもできるし、無視して見捨てることもできる。その中間を選ぶのも自由です。自由だからこそ、プレイヤーは自分の意志をもって決断し続けなければなりません。まさにロールプレイング(役割を演じる)ですね。もちろん、どのような選択をしてきたかによってエンディングも分岐します。


――回復や衝撃波といったバトル中に使えるスキルが追加されて、戦闘スタイルの選択肢も増えたように感じられます。

Marcそうですね。主人公が受け継いだ“レオニダスの槍”というアイテムには、伝説の英雄の力が宿っていて、人智を超えたスキルを扱うことができます。私のお気に入りは“スパルタンキック”です。敵を吹き飛ばす豪快な蹴りは、スパルタ戦士のパワフルさを実感できます。

――アレクシオスさんの筋肉には、男として憧れるものがあります……!

Marcもちろんステルスに役立つスキルも用意していますし、遠くから弓で狙撃することだってできます(笑)。正しい戦いかた、間違った戦いかたというものは存在しません。すべてはプレイヤー次第です。


――ちなみに、アレクシオスとカサンドラで習得できるスキルに違いはあるのでしょうか。

Marcいえ、ふたりの能力はまったく一緒ですし、物語にも差はありません。そこはお好みで選んでいただければと。

――そうなんですね。カサンドラも魅力的で悩んでしまいます……。


―ー物語も戦闘も自由度が向上し、オープンワールドRPGとしての色が濃くなったように感じられました。

Marcそもそも、シリーズをRPGとして進化させていくことは、前作『オリジンズ』の開発前から長期にわたって計画されていたことです。『オリジンズ』で戦闘や探索といったシステムの基盤を作り、『オデッセイ』ではその自由度をブラッシュアップしました。

――どのような意図からRPGというジャンルに舵を切ったのでしょうか。

Marcストーリー、戦闘、探索……あらゆる部分をプレイヤーの選択にゆだねることで、「自分で選んだ行動が物語に影響を与えた」という感覚を生み出したかったのです。実際にその狙いはうまくいったと確信しています。私は日本のRPGをプレイして育ちました。日本の皆さんにも我々が作ったRPGを愛してもらえたら嬉しいです。