2018年6月14日、AiiA 2.5 Theater Tokyoにて男劇団 青山表参道Xの旗揚げ公演『SHIRO TORA〜beyond the time〜』が幕を開けた。初日直前に行なわれた公開ゲネプロと、囲み会見の模様をお伝えする。

オープニングは白虎隊の勇ましい戦闘シーン。詰襟に短めの丈の袴をつけキリリと髪を結ったた少年剣士たちが、敗戦濃厚の中、諦めることなく刀を振り続けている。彼らの名は安達藤三郎、間瀬源七郎、伊東悌次郎。やがて果敢に戦うも追いつめられた3人は、自決のときを迎え──と、そこからシーンは一気に福島県の名門男子校・私立白山高校の校内へ! 様々な部活に打ち込む若者たちの賑やかな盛り上がりはまさに青春の輝き。150年の時を経、同じ地区、同じ年齢でもこれほどまでに生きる環境が違うのだという事実が、ダンスをフィーチャーした鮮やかな場面転換により自然と印象づけられていく。

物語は廃部寸前の演劇部が学園祭で一発逆転、もっとも輝いている部に送られる“シロトラ賞”をゲットし、廃部撤回を果たすまでの青春群像劇。総勢23名のキャストが全力の体当たりで臨むオリジナルストーリーだ。歴史あるあるや粋な仕掛けも潜んでいるので、そのあたりもぜひ噛みしめておきたいポイント。

演劇部部長・小野田を演じるのは飯島寛騎。今作が初舞台にして初座長という重責を担っているが、板の上では堂々としたモノ。いまいち頼りないけれど演劇部に人一倍の愛情を注ぎ、崖っぷちから高みを目指す真っすぐな青年を熱く演じている。同じく演劇部の小日向を演じるのは定本楓馬。ミュージカル『テニスの王子様』卒業後初のこの舞台では、台詞のテンポを生かし、ちょっと軽いが意外に真面目な今ドキの青年に。同じく演劇部の蓮沼役は中村嘉惟人。先輩ふたりに振り回されつつ頼りにもされつつの、バランサーな弟キャラだ。

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

白虎隊にとって大切な場所・飯盛山で小野田たちに出会う白虎隊の3人は、“とある使命”に導かれて現れたゴースト。その姿は小野田たち3人にしか見えず、そのことが演出的にも数々の面白味として生かされていた。

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

栗山航演じる安達は熱血で真っすぐなリーダー。“現役感”のある骨太な殺陣と力強い発声で、白虎隊&演劇部を引っ張る頼もしい存在である。塩野瑛久は間瀬役。精悍で仲間思い、ドSだが相手の気持ちを察する精細さも持ち合わせた好青年だ。伊東は6人の中でも一番年下。安達を信じてついていく健気さとゲームの面白さに目覚める子どもっぽさが、演じる西銘駿のキュートな空気にぴったり。武士言葉で話す白虎隊たちとひたすら現代っ子な演劇部。一見ミスマッチにも思えるこの6人が、“シロトラ賞”を獲る=自分の居場所を守る、やりたいことを貫くために一致団結、思いをひとつしていく過程はウソのないピュアな世界。彼らのがむしゃらな姿は誰の胸にもある“あの頃”を思い出させるパワーで満タンだ。

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

演劇部に脚本で協力する読書愛好会・斉藤を演じる宇野結也は、文系の落ち着きが醸し出すおかしみで静かに強い存在感を見せ、王子様風生徒会長・徳川を演じる小沼将太のハイソで個性的な佇まいもクセになる。また演劇部のライバル、ダンス部部長・板垣を演じる仲田博喜は、ギリギリイヤなヤツ一歩手前の空気感でプライドの高さと男らしさを提示。アイドル研究会会長・大村役の山本学はクセのある会員たちとのコンビネーションで小さな笑いをしっかり散りばめ、シリアスの中の句読点として活躍していた。

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』フォトコールより

若き俳優たちの旗揚げ公演と聞くとついつい「未熟な部分もまた魅力。危なっかしさも個性のうち」と甘めの採点をしてしまいがちだが、O-AOXにそんな配慮は必要なし。チームプレーも美しく決めるが、それぞれがピンでやってきているというプライドとプロ意識をしっかりと持ち、フルスイングの情熱をぶつけあうケミストリーでノンストップの90分、感情豊かに観客の心をガッツリとつかみ切った。ひとことで言えば「今の彼らにしかできない舞台」。それでいい、それがいい。「未来は自分たちの手で掴むモノ」という思いを全員で体現した、非常に爽やかな舞台である。

会見コメント

飯島:僕は初舞台。舞台と映像のお芝居は違うので、稽古を通し、経験者の人たちの芝居を見ながら勉強してきました。また、座長ではありますが、みんな始めから気を遣うコトなく言い合えたのでそこはとても頼りになりましたし、稽古期間もすごくやりやすかったです。初経験の殺陣など辛いこともあった反面、楽しいこともいっぱいありました。僕ら全員で力を振り絞りますので、ぜひぜひ注目していただけたらと思います。

栗山:オスカープロモーション初の劇団としてこうして旗揚げ公演ができ、本当に嬉しいです。ワクワクが止まりません。稽古場では演出の伊藤マサミさんがスッキリとした舞台を創りたいとおっしゃっていて、実際、そうなっていると思います。仕事帰りにフラッと観に来ていただいても、スッキリと明日を迎えていただける青春ストーリーです。将来は劇団の名前をもっともっと大きくし、たくさんのお客様に観ていただきたいですね。

塩野:昨年11月に結成会見をしてからもう半年が経ち、こうして初陣を迎えるかと思うと感慨深いモノがあります。殺陣、ダンス、芝居……今回はホントに盛りだくさん。稽古で創り上げたすべてをお客様に楽しんでもらえたらいいですね。劇団としてはこれからもどんどん先に進んで、大きな劇場でやって、お客さんもいっぱい来ていただいて……いつか、僕たちがやる演目が真似されるくらいの劇団になれたら、と思っています。

西銘駿:僕たちの旗揚げ公演ということで、一ヶ月間、全員総出で頑張って創ってきました。これを機にみんなの絆もスゴく深まって、いい雰囲気で初日に挑めているんじゃないかなと思います。白虎隊の悲しいメージとは違う、彼らの姿を現代風にアレンジしたお話。男劇団は多種多様な個性あふれるメンバーがたくさんいるので、この舞台をスタートに、この先は芝居に限らずマルチに浸透していったらいいですね。

(左から)西銘駿、飯島寛騎、栗山航、塩野瑛久

(左から)西銘駿、飯島寛騎、栗山航、塩野瑛久

取材・文=横澤由香 撮影=岩間辰徳

男劇団 青山表参道X『SHIRO TORA~beyond the time~』