着物に使われる染色法には江戸小紋、絞り染め、型染めなどさまざまな方法がありますが、着物の染色法の代名詞とも言えるものの1つが「友禅染め」ではないでしょうか?

今回は、貞享5年(1688年)に刊行された、友禅染めに関するとても貴重な資料「友禅ひいながた」を公開します!と、そのまえに、友禅染めの歴史を少し振り返ってみたいと思います。

幕府の奢侈禁止令のおかげ?で誕生した友禅染め

着物の染色で用いられるようになった友禅染めの歴史は江戸時代前期までさかのぼります。当時とても豪華な着物は、刺繍や、布に箔を貼り付ける摺箔という技法を使い模様を作っていましたが、幕府の奢侈(しゃし)禁止令、いわゆる贅沢禁止コールがかかります。

この奢侈禁止令によってこれまでの豪華で贅沢な着物を着たり売買することができなくなってしまいました。そこで、この禁止令に触れずに着物を華やかな模様で飾る方法が模索されます。そのときに、防染糊を使用して鮮やかな染色をする技法が採用されることになります。

この技法が今、友禅染めとして伝えられているものですが、友禅という名前は、当時、京都で扇絵師をしていた人物の名前からきています。それが宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)という人物。友禅斎はおそらく当時の呉服屋などに依頼を受け、着物に模様を描いたのでしょう。友禅斎が手がけた着物が評判を呼び、広まっていく中で「友禅染め」という名が確立していきました。

この友禅染の技法自体は、友禅斎が着物に使用する以前からあったようです。

友禅染めの必見書物「友禅ひいながた」

友禅染が人気を博していく中で「友禅ひいながた」という書物が出版されます。「友禅ひいながた」は貞享5年(1688年)に刊行されたもので、友禅染の技法や友禅染めで使われる模様などがまとめられていました。著者は宮崎友禅斎ではなく、染工の友尽斎清親(ゆうじんさいきよちか)という人物です。


当時の呉服屋には「友禅ひいながた」が置いてあり、お客さんはこれを見ながらどのような着物にしようか決めていたそうです。

現在でも「友禅ひいながた」は、友禅染めの歴史やデザインを語る上でよく取り上げられることがある書物で、友禅染めにとってとっても貴重な資料になっているんですね。

最後に、今回はこの「友禅ひいながた」を紹介します。「友禅ひいながた」が刊行されたのは1688年のことですが、大正15年に複製版が作られ、国立国会図書館に所蔵されています。

それでは、友禅染めの貴重な資料「友禅ひいながた」をどうぞ!

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