厚生労働省が6月19日に発表した「自殺対策白書」で、昨年の自殺者数は減少傾向にあるが、日本の若い世代の自殺が「深刻な状況」であるとの見解を示した。先進国の中では、特に日本がひどい状況ということもあり、議論を呼んでいる。

「自殺対策白書」によると、2017年の自殺者数は2万1321人で、うち男性が全体の約7割。3万人を下回ったのは2012年から6年連続、減少は8年連続となった。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率でも、統計開始の1978年以降で最小を記録した。

20代では1990年代前半と同等の水準まで巻き返しているが、その一方で、20歳未満、30代では、自殺者数がピークとなった1998年以前の水準までには減少しておらず、20歳未満についてはほぼ横ばいという状態だ。

15~39歳の各年代の死因の第1位は「自殺」。厚生労働省は「若い世代の自殺は深刻な状況」と危惧する。なかでも、死因に占める自殺の割合が高い年代は20~24歳が48.1%、次に25~29歳が47.0%でほぼ5割。男女別では、男性は25~29歳が51.2%、女性は20~24歳が41.8%で、それぞれ最も高い年代となった。なお、15~34歳で死因の第1位が自殺となっているのは、主要7カ国の先進国では日本のみだという。

Twitterでは、

“税、社会、学校、親から押さえつけられてる年代かな”
“何となくわかる。楽しい社会になっているのかどうか。まさにこころの貧困国。”
“主要先進国で日本だけ若者の自殺が最多って、なんか妙に納得もしてしまうな”

と若者の自殺が多いという結果に納得するような声が上がっている。さらに、

“少子化が進んでるのも、若者の自殺人数が多いのも、ブラック企業が多いからじゃないのかな?そんな社会に出たいとは思わない。”
“日本の若者に自殺者が多い理由がイギリスに来てからよく分かった。日本は休暇が少なく、宿題が多い。日本もhalf term を導入すれば良い。絶対に自殺者が減ると思う。”

とその要因を探る声もあった。

政府は2017年10月に起きた、自殺願望を持った若者がSNSで知り合った男に殺害された座間死傷事件を契機に、SNS等を活用した相談対応、若者の居場所づくりの支援、若者がネット上の有害環境に巻き込まれないようにする施策などを強化している。

自殺者数は全体としては減少したとはいえ、若者が抱える「生きづらさ」が浮き彫りになった。表層的なものではなく、自殺の根本的な要因への対策が急務といえそうだ。
(山中一生)

■関連リンク
平成29年度 自殺対策白書
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18/index.html