2017年日本の年間出生数は約94万人。2年連続での100万割れだ。
戦後間もなくのベビーブーム期の1949年の数は約2697000人だったことを考えると、3分の1まで減っていることになる。

国立社会保障・人口問題研究所によると、約100年後の2115年には、出生数が318000人にまで減少するという。深刻な状況にある少子化を食い止めるにはどうしたらいいのか。

『未来の呪縛』(中央論新社刊)では、ジャーナリストで『未来の年表』の著者である河合氏が、今後の人口減少問題、少子化問題を分析し、日本の将来はどうすればいいかを提言する。

子どもが生まれない社会未来はないだろう。さらに、急速な人口の変化は、社会のさまざまな分野で混乱を招く。人口減少は、医療、年金などの社会保障制度だけでなく、税収の落ち込み、人材育成・確保の困難など、あらゆる社会システムに支障をきたしてしまう。

では、出生数が100万人を割った現在、どのような出生増加策を行えばいいのか。河合氏が提言するのは、以下の10個だ。

1.高校同級生ボランティアチームの結成
2.お見合いの普及
3.「未来人生年表」をつくる
4.20代の「母親応援手当」の創設
5.第3子以上に1000万円給付
6.「父親休暇」制度の導入
7.子育て世帯の全転勤凍結
8.「全母親支援センター」の全展開
9.「育児保険」の新設
10.ゼロ歳に選挙権を付与

現在の少子化の要因の大半は結婚にあると考えられる。日本では婚外子は2.292016年)と極端に少ない。一方、「できちゃった婚」で生まれた第1子は25.82009年)を占める。結婚出産を一体として考える人が多いということだ。

そこで、河合氏が結婚対策として挙げているのが、上記の10の提言の1と2である「高校同級生ボランティアチームの結成」と「お見合いの普及」だ。
高校大学時代の出会いが結婚に発展しているケースは意外に多く、結婚を意識し始める20代半ば以降の人たちを対高校大学の同会を開くことが有効になる。
そこで、同級生同士で少人数グループを結成し、福観光イベント、地域おこし事業など、それぞれの得意分野に取り組むのだ。もちろん行政側の支援も必要だ。自治体は予算を確保し、コーディネートなどの運営にも携わる必要がある。自治体にとっては、ボランティアを確保できるだけでなく、20代の若者が地域に関心を持つようになれば、地方創生の応援団となるメリットもあると摘する。

少子化対策に特効は存在しない。地な取り組みはもとより、思い切った政策も講じないとならないと河合氏は述べる。
未婚や晩婚化、若者の価値観の変化や経済状況など、時代と共に抱える問題や状況は異なるが、どうすれば少子化は止まるのか。本書を読んで、考えてみてはどうだろう。

(新刊JP編集部)

『未来の呪縛』(中央公論新社刊)