楽天は7月11日、米国でAPIマーケットプレイス「RapidAPI」を提供する米R Softwareと共同で、API(Application Programming Interface:ソフトウェアコンポーネント同士がやり取りする際のインタフェースの仕様)マーケットプレイス「Rakuten RapidAPI」の提供について戦略パートナー契約を締結し、提供を開始した。

今回の契約に基づき、両社の強みを生かし、アジア地域(オーストラリアとニュージーランドも含む)に向けたRakuten RapidAPIの提供を開始。なお、楽天とR Softwareは同マーケットプレイスの提供において、楽天グループの通信会社である楽天コミュニケーションズと協働する。

冒頭、楽天 副社長執行役員 CIO&CISO コミュニケーションズ&エナジーカンパニー シニアヴァイスプレジデント、楽天コミュニケーションズ 代表取締役会長兼社長の平井康文氏は「近年ではDevOpsやコンテナ技術、マイクロサービスなどを利用したAPIファーストのプログラム設計が拡大している」との認識を示す。

同社では、国内外で70以上のサービスを有し、主要サービスに対する月間APIリクエスト回数は2017年6月比47%増の166億ヒットに達している。日本においても、6月1日から施行された改正銀行法により、APIを外部事業者に開放する努力義務が金融機関に課されるなど、FinTech業界をはじめ、国内でもAPIエコノミーは広がりつつあり、新たなサービスの創出が期待されている。

しかし、同氏は「APIプロバイダーとアプリ開発者の間では、さまざまな課題が顕在化してきている」と指摘。具体的には、APIプロバイダは開発者へのリーチや課金・請求など手続きの複雑さ、APIパフォーマンスの管理が、アプリ開発者はAPIの検索、複数のAPIの統合利用・管理、APIの利用コスト管理などが、それぞれ課題になっているという。

そこで、米国において8000以上のAPIを有し、50万人の開発者が利用するRapidAPIを提供するR Softwareとのパートナーシップを決定したというわけだ。Rakuten RapidAPIは、日本語での利用を可能にするなど、日本のユーザー向けに利便性を高めたものとなっている。

平井氏は「日本ではRakuten RapidAPIとして、楽天と楽天コミュニケーションズが開発者向けに日本語化し、利便性を高める。また、日本で開発されたAPIを海外に流通させるほか、楽天社内で開発したAPIも順次、公開・販売していく」と、力を込める。

Rakuten RapidAPIは、APIプロバイダは自社のAPIを迅速に広く世界の開発者に対し、APIの公開を簡単するツールやAPIを一元管理できるダッシュボードを提供する。

一方、アプリ開発者にっては欲しいAPIをラインアップから検索、購入することが可能になる。8000を超えるAPIを提供し、1SDKで各プロバイダの全APIに対応することに加え、言語も複数サポート(現状では日本語と英語)。また、単一ウィンドウ内でAPIの検証(PythonやJava、PHPなど11言語)と購入を可能とし、利用APIを一元管理できるダッシュボードの提供や利用料金を一括管理する。

R Software Founders & CEOのIddo Giho氏は「ソフトウェアは世界を食い尽くしている。開発期間は長く、高額な開発費、保守運用が難しいが、APIを活用すれば迅速な開発、高い費用対効果、よりよいサービス、新しい可能性が導き出せる」と、語る。

そして、RpidAPIの優位性について「開発者に対し、APIの発見や利用、管理と監視を提供している。グローバルにおいて、RapidAPIを利用する開発者は北米に次いで、アジアが第2の地域となっており、アジア市場に対してサポートが十分ではないため、楽天とパートナシップを組み、Rakuten RapidAPIを提供することで、利用者の拡大を図る」と、述べていた。

各社の役割として、楽天はこれまで培ってきたマーケットプレイス事業における知見・ノウハウの提供や技術サポート、楽天コミュニケーションズは事業運営やマーケティング活動の推進、R Softwareはシステム提供を主に担う。今後、日本以外のアジア地域に向けて、同マーケットプレイスを最適化し、APIプロバイダと開発者による利用促進を図る考えだ。

2018年中は日本国内、2019年にはAPAC地域に展開し、Rakuten RapidAPIだけで2022年に70万人以上のアプリ開発利用者数を目指す。
(岩井 健太)

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