西日本ではこのほど記録的な豪雨に見舞われ、平成史上最悪の水害となっている。日本メディアの報道によると、被害はさらに増え、11日午後10時現在のまとめでは、死者は13府県で176人になった。この日、岡山、広島、佐賀の3県で計17人の死亡が確認されたが、安否不明者は依然として61人に上る。現在も行方不明者の捜索が続いており、この数はさらに増える可能性が高い。被災地は連日30度を超える暑さとなっており、断水も25万戸を超えており、復旧に影響を与えている。新華社が伝えた。
日本は地震や火山の噴火など、自然災害が多く、防災・警報メカニズムも整っている。そして、国民の防災意識も高い。にもかかわらず、今回の豪雨では、なぜこれほど多くの犠牲者が出てしまったのだろうか?
▼長時間降り続いた豪雨
被害がこれほど大きくなった理由の一つは、記録的な大雨が降り続いた点。活発な梅雨前線が長期間停滞し、西日本の多くの地域でその雨量が過去最多となった。
6月末以降、西日本の広い範囲では強い雨が降り続いた。日本の気象庁の統計によると、6月28日から7月8日までの積算雨量は、高知県の馬路村魚梁瀬で1852.5ミリ、本山町で1694ミリ、愛媛県石鎚山で965.5ミリに達し、7月としては過去最多の雨量となった。
8日の時点で、西日本各地では72時間の雨量の記録を更新し、愛媛県西予市宇和町で523.5ミリ、広島県呉市で465ミリ、山口県岩国市で444.5ミリに達した。NHKの報道によると、日本全国およそ1300カ所の雨量の観測点のうち、119カ所で統計を取り始めてから最高となり、48時間の雨量は123カ所で統計を取り始めてから最高となった。
短時間の間に強い雨が降ったことで、河川やダムの水位が急上昇した。水害が最も深刻だった岡山県倉敷市真備町では川の堤防が決壊し、町の3分の1の家屋が水に浸かり、1000人以上が孤立した状態で建物の屋上などに取り残され、救助を待つ状態となった。同町だけで少なくとも28人が水害で亡くなった。
日本の気象庁は9日、今回の記録的な豪雨について、「平成30年7月豪雨」と命名した。今回の水害は、死者・行方不明者299人を出した1982年の長崎大水害以降、最悪の被害となった。
▼地形の問題
死者や行方不明者が多かった被害地域では、地質や地形の要因も加わった。
日本の国土の約3分の2は山地。元国土交通省水管理・国土保全局砂防部長で、砂防・地すべり技術センター専務理事兼砂防技術研究所所長の大野氏は、日本の地質構造は脆弱で、土砂崩れや土石流が起きやすいと指摘する。日本では多くの住宅が、坂や山のふもとなどに建てられており、土砂崩れや土石流が起きると、被害に遭いやすい状況となっている。
中国社会科学院の世界経済・政治研究所で日本の研究に携わっている陳哲(チェン・ジャー)博士は、「数十年に一度の豪雨が原因で、土砂崩れや土石流が発生すると、大量の土砂があっという間に流れ込んで来るため、住民は逃げる余裕すらない。家の中にいたとしても、建てられている場所が悪い場合、そのまま土砂に埋もれ、生き埋めとなってしまう可能性もある」との見方を示した。
広島県も今回の豪雨で多くの被害が出た。熊野町や広島市安芸区などでは、大規模な土砂崩れが発生し、数十人の死者・行方不明者が出ている。
さらに、日本の家屋のほとんどが木造で地震には強いものの、洪水や土砂崩れには弱い。日本の消防庁の10日午前の時点での統計によると、今回の豪雨により、全壊・半壊・一部破損した住宅は347棟、床下浸水・床上浸水した住宅は9868棟となっている。
▼小さかった警告の声
今回の豪雨による被害が深刻になった別の大きな原因は、注意を呼び掛ける政府の声が小さく、これほど大きな災害になるとは予想していなかった国民が多かったことにある。
共同通信社の9日の報道によると、今回、各地自治体は合わせて600万人に「避難指示」を出した。しかし、避難指示に強制力はなく、それを重視した人は少なかった。
災害心理学者の広瀬弘忠氏は「災害などの警告に直面しても、『正常性バイアス』が働き、多くの人は自分だけは大丈夫と思い、危険や脅威を過小評価ししてしまう。そして、本当に災害が起きると、逃げ遅れてしまう」と指摘する。
そして、「人のそのような特性が妨げとなり、こうした突然やって来る土砂崩れや水害に瞬時に反応することができない」とした。
また、日本政府の災害警告メカニズムにも問題があると、広瀬氏は指摘する。日本では、大雨特別警報などの防災気象情報は、国土交通省の外局である気象庁が発令する。そして、避難情報は自治体が発表する。しかし、自治体には、災害に対応する経験が十分にあるとはかぎらない。
陳博士は、「日本の学校の全ての教育段階に防災教育が盛り込まれているが、地震や火事を想定した防災訓練がメイン。水害や土石流などへの対応訓練は不足している。豪雨に見舞われた時の日本人の防災意識は、地震の時ほど強く働かず、手抜かりとなっている」と指摘する。
菅義偉官房長官は9日、「被害のリスクを減らすためどのようなことができるか、改めて検討する必要がある」と述べ、気象庁が発表する防災気象情報と自治体が出す避難情報の連携のあり方を見直す考えを示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

西日本ではこのほど記録的な豪雨に見舞われ、平成史上最悪の水害となっている。日本メディアの報道によると、被害はさらに増え、11日午後10時現在のまとめでは、死者は13府県で176人になった。