2019年の再演も発表されたミュージカルキューティブロンド』で第43回菊田一夫演劇賞を受賞するなど、年々ミュージカル女優としての存在感が増す神田沙也加。最新出演作は、日本初演から55周年を迎えたミュージカル『マイ・フェア・レディ』。昨年宝塚歌劇団を退団した元宙組トップスターで、本作が女優デビュー作となる朝夏まなととのW演により、今6都市で上演される。神田は「ターニングポイントと呼べる役にしたい」と意気込んでいる。

ミュージカル「マイ・フェア・レディ」チケット情報

ロンドンの下町に暮らす売りイライザ(朝夏まなと神田沙也加)は言語学者のヒギン教授寺脇康文/別所哲也)と出会い、訛りを矯正して淑女になるためのレッスンを始めるが……。オードリー・ヘップバーン演の映画版でも知られる、胸弾むシンデレラストーリー。イライザ役といえば、神田が敬する大地央の当たり役のひとつでもある。出演が決まり一番に報告すると、大地は泣いて喜んだという。「困った時は何でも相談に乗るけど、『まずは沙也加が思うイライザを』と、背中を押されました」

男勝りな性格で毎日を楽しく暮らしながらも、ウィークポイントを突かれた間、内に秘めた上昇志向がマグマのように吹き出す。イライザは「思いが何層にもなっている女性」と見る。「今までの役作りでは、お客様が思い描くイメージに近い優等生的な正解を出そうとしてきましたが、今回は『私はこう思う』とプレゼンテーションする形でもいいのかな。Wキャスト朝夏まなとさんと違って私はどこかの劇団出身だったり、アカデミックに演技を学んだ経験もないので、逆に思い付いたことは何でも試せるフリーダムの強味を活かしたい。さんとは宝塚の男役と役ほどの身長差がありますし、見たも含めて全然違うイライザになると思います」

先日、ひと足先に製作発表で楽曲を披露した。歌稽古では喜びのあまり「鳥肌が止まらなかった」とを弾ませる。「ひとつひとつのことがすごく嬉しいんですね。ヒギン教授から教わって初めて正しく発音出来たときの、に打たれる感覚を私もく経験してみたいですし、お客様が何を望んでいるのか、演劇ファンとしての線も忘れたくない」。その上で、自信を持って役に挑みたいとを込める。「10年前の私がそうだったように、2018年版の舞台を観てイライザを演じたいと思う方がいるかもしれない。その責任は絶対に負わないといけないですし、何度も自分を奮い立たせながら、毎回誇りを持って日本の『マイ・フェア・レディ』を提示していきたいと思います」

演は、9月16日(日)から30日(日)まで東京東急シアターオーブ10月19日()から21日(日)まで大阪梅田芸術劇場メインホールにて上演。その他、地方演あり。大阪演は7月14日(土)10:00より発売。

取材・文:石橋法子