キーサイト・テクノロジーは7月12日、都内でプライベートカンファレンス「Keysight World 2018 東京」を開催し、新製品の紹介や、さまざまな産業分野で抱える測定に関する課題を解決するソリューションや、カスタマの取り組みなどの紹介を行なった。

同カンファレンスに併せて、同社の社長兼CEOのRon Nersesian氏が来日。カンファレンス開催に先駆けて、メディアに向け、自社の現況や日本市場における注力分野の説明などを行なった。

○すべてがセキュアにつながる世界の実現をサポート

Keysight Worldは2004年に日本で開催されたAgilent Measurement Forum(AMF)をきっかけに始まった日本のカスタマやパートナーに向けたカンファレンスであったが、2018年、グローバルイベントに昇格。最初の開催地となる日本・東京でのカンファレンスの参加登録者数はのべ7500名。オンラインによる聴講者を含む数だが、このうち約2000名が2日間開催される実際の会場に訪れる見込み来場者になっている。

これほどまでに注目を集める日本市場について、Nersesian氏は、「日本は世界的な自動車メーカーが多数あるほか、5Gのサービス提供に向けた動きで世界を牽引するなど、アジア・太平洋地域におけるキーサイトの要となる注力すべき市場である」と説明。日本を含めた世界的な市場トレンドとして、以下の4つを挙げた。

通信
航空宇宙防衛
オートモーティブ
クラウド/インフラ

通信はいわずもがな、4Gから5Gへの移行が本格的に始まろうとしている。特に日本では2020年に五輪開催が控えていることもあり、その動きが顕著となっている。同社も「NTTドコモと協業することで、5Gの実現に向けたサポートを行なってきている」と注目市場であることを強調する。

2つ目の航空宇宙防衛は、さまざまなものを守る、という観点からの防衛としての意味合いを持つセキュリティ面での課題が増加しており、ネットワークやコンピューティングなどを含めたセキュアなシステムの実現に対する知見があることを強調した。また3つ目のオートモーティブについては、自動運転の実現に向けた研究開発においては、電動パワートレインの小型化と効率化の実現が求められているとする一方、4つ目のクラウド/インフラについては、次世代の光通信を早期に実現したいというニーズがあるとし、キーサイトは、そうした課題を解決できるソリューションや知見を揃えていることから、カスタマを支援することが可能だとした。

加えて同氏は、「現在、世界が迎えているデジタル化の波は、あらゆる産業を飲み込もうとしている。キーサイトにはそこで生まれる課題に対するソリューション、テクノロジー、知見を有しており、カスタマはそれらを活用して、イノベーションを加速させ、安全にさまざまなものがつながる世界を創造することができるようになる」と、オートモーティブや通信分野のみならず、あらゆる分野でデジタル技術が活用されるようになっていることに言及。

そうした社会において「すべてがセキュアにつながる世界の実現をサポートするのがキーサイトのミッション」とし、その実現するための中心にはカスタマの成功があり、カスタマが注力する市場に対するキーサイトの知見を組み合わせ、実現に向けた技術にもし不足があれば、開発や買収を行ない、補うことで、解決できるソリューションを構築。それをカスタマと共有することで、高い付加価値の提供を実現することを目指すとした。

○日本の自動車関連産業の成功をテストの側面から支援

こうした取り組みの実例として、同社シニア・バイス・プレジデント兼CTOのJay Alexander氏は、日本の自動車分野に向けた取り組みを挙げた。「オートモーティブは、世界中のカスタマから、多くのイノベーションを今後、生み出していく必要があるという声を受け、2016年ころに設立した事業部で、日本の自動車メーカーとも、彼らの成功に向け、サポートを行なっている。日本は世界最大規模の自動車産業を有する国であり、キーサイトとしても自動車関連事業の戦略を考える上で最重要市場に位置づけられている」とAlexander氏も、自動車分野の日本地域が持つ重要性を強調。同市場におけるテストの領域について、以下の3つのセグメントに注力していると説明した。

eモビリティ
自動運転の実現
コネクテッドカー領域

eモビリティに対しては、道路に設置された充電ステーションから、車載の充電器、インバータ、バッテリーまでの一連のeパワートレインを構成するすべてのシステムの設計評価環境を提供できるするほか、自動運転に対しては、それを実現するための要素技術のほか、セキュリティ分野に向けたテストソリューションを提供できる状態にあること、そしてコネクテッドカー領域については、これまえ培ってきた通信分野におけるテスト技術を活用することで、すでに多くのテストソリューションが提供可能であるとした。

特に、テストソリューションについては、2016年に事業部立ち上がって以降、すでに70以上のソリューションが開発され、シリアルバスの解析から高電圧分野のバッテリーテスト、レーダー開発の効率向上などの支援が行なわれてきたとするほか、キーサイトとして、日本の自動車関連市場に向けたさらなる投資も計画しているとし、今後も継続して日本のカスタマの成功に向けた支援を行なっていくとしていた。

なお、Keysight World 2018は明日(13日)も引き続き、開催される予定となっている。
(小林行雄)

画像提供:マイナビニュース